同規則は2026年8月10日に公布され、経過措置に基づき、公布日より 30 日後の2026年9月9日に施行となります。BPJPHは8月20日にも同規則に関する説明会を開催し、制度実施に向けた基礎情報を公開しました。
本規則により、輸入製品を対象とした新たなハラール製品適合性確認の仕組みが導入されます。対象となる輸入製品は、インドネシア向け輸出の前に、船積国・原産国において適合性確認を受ける必要があります。その確認結果は、ハラール製品適合性確認報告書(Laporan Pemastian Produk Halal:LPPH)として記録されます。
これは、海外メーカー、輸出事業者、インドネシアの輸入者にとって重要な手続き上の変更です。今後のインドネシア向けハラール対応では、認証やラベル表示だけでなく、船積み前に製品本体と関連書類の整合性を確認するプロセスも必要となります。
船積み前ハラール適合性確認の内容
確認業務は、BPJPHが指定する検査機関が実施します。検査機関は、関連するハラール文書だけでなく、実際の製品の状態についても確認します。船積国・原産国にある貨物の船積倉庫で現地確認を行い、提出情報と製品実物の整合性を検証します。主な確認項目は以下のとおりです。
行政・ハラール関連書類
行政情報と関連資料の整合性、ハラール証明書もしくは海外ハラール登録番号の有効性、登録済み SHLN と適用する海外ハラール認証制度の整合性などを確認します。あわせて製造施設の所在国、適用される相互承認協定(Mutual Recognition Arrangement:MRA)の適用範囲も確認対象となります。
製品・包装
製品カテゴリーがハラール証明書または登録済みSHLNの対象範囲と一致しているかを確認します。さらに、包装に表示されている証明書番号または登録番号の有効性、ハラール表示または非ハラール表示に関する要求事項への適合性も確認します。
船積み情報
以下の情報について、仕入請求書や注文リストとの整合性を確認します。
HSコード
製品の数量・容量
製造コード
製造日
製品単位
汚染リスク評価
ハラール製品と非ハラール製品が適切に分離されずに保管・積載されている場合や、輸送設備が以前に非ハラール製品へ使用されていた場合など、ハラール製品と非ハラール製品の混入・交差汚染リスクについて評価します。
非ハラール製品に関する補足資料
非ハラール表示が付されている製品については、以下のような補足資料が確認される場合があります。
分析証明書(CoA)
原産地証明書(CoO)
化学品の安全データシート(MSDS)
その他関連資料
インドネシア輸入通関申告におけるLPPHの要否
確認完了後、検査機関はハラール製品適合性確認報告書(LPPH)を作成し、統合電子システムを通じてBPJPHへ提出します。LPPHには確認結果として「適合」または「不適合」が記載されます。インドネシア国内輸入者は輸入通関申告時に LPPH を保有していなければなりません。
さらに LPPH の情報は通関業務のため、インドネシア・ナショナル・シングルウィンドウ(SINSW)と電子的に連携します。特に留意点として、LPPH は報告書に記載の1 回の船積み・輸入ごとにのみ有効となります。
このため輸入者は、当該確認を単発の製品単位手続きと捉えるのではなく、船積計画の一環として組み込む必要があります。非ハラール製品については確認手続きを円滑に実施するため、非ハラール表示の根拠となる関連資料を事前に準備しておくことが推奨されます。
インドネシア船積み前ハラール確認手続きの流れ
本規則では、申請主体をインドネシアの輸入者としています。一般的な手続きは以下のとおりです。
輸入者が申請
輸入者がBPJPH指定の検査機関を選定
検査機関が申請資料を審査
BPJPHが請求書を発行し、輸入者が支払い
輸出者と検査スケジュールを調整
船積国/原産国の船積倉庫で検査を実施
検査機関がLPPHを発行
LPPHをBPJPHへ電子提出し、輸入通関申告に活用
本規則には、検査スケジュール調整、確認手続き完了に関する具体的な期間も定められています。そのため、インドネシア向けの出荷を計画する企業は、従来の輸出スケジュールに追加の手続き期間を組み込む必要があります。
今後明確化が必要な実務事項
BPJPH 規則 2026 年第 4 号は、新設されたハラール製品適合性確認制度の基本的な法的枠組みを定めています。一方、実務運用の詳細については現時点で未明確な事項も存在します。BPJPHの説明会では、制度の具体的な運用要件に関し、今後詳細な技術ガイダンスが公表される見通しであると表明されています。
また本規則ではサービス料金について、政府関連制度に基づき決定すると定められていますが、具体的な金額は現時点で未公表となっています。加えて、ハラール製品適合性確認を実施可能な検査機関の選定・指定手続きについても、今後の技術ガイダンスにて詳細が規定される見通しです。
海外事業者への影響
今回の新制度は、海外メーカーや輸出企業、インドネシアの輸入者にとって特に重要です。今後は、製品をインドネシアへ出荷した後ではなく、出荷前の段階でハラール適合性を確認する必要があります。
企業は以下の対応を検討する必要があります。
インドネシア向け製品のハラール認証または非ハラール表示の状況を確認する
製品の状態・構成、包装、ハラール証明書または登録番号、製造情報、船積書類の内容を一致させる
インドネシアの輸入者と早期に連携し、申請および船積み前検査の日程を調整する
現物確認時に求められる可能性のある関連資料を準備する
検査機関の指定、具体的な実施手順、システム連携、サービス料金などについて、今後のBPJPHガイダンスを継続的に確認する
海外メーカーにとって、これまで以上にインドネシア国内輸入者と、自社の製造・輸出チームとの連携が重要となります。今回の検査はインドネシア国内で実施されず、船積前に海外現地にて実施されるためです。製品別の個別対応が必要な事業者は、REACH24HのインドネシアBPJPHハラール認証サービスをご利用いただけます。
