背景概要
シンガポールは 「ASEAN化粧品指令(ACD)」 の加盟国として、市場に参入するすべての化粧品製造業者および輸入業者に対し、ACDの規定を遵守することを求めています。その中、シンガポール保健科学庁(Health Sciences Authority, HSA)への製品通知(Notification) は非常に重要な一環です。
現在、シンガポール化粧品の通知に関連する規制文書は以下の通りです:
文書名 | 施行日 |
ASEAN Cosmetic Directive (ACD) 「ASEAN化粧品指令」 | 2008年1月1日 |
Health Products Act 「健康製品法」 | 2008年12月31日 |
Health Products (Cosmetic Products — ASEAN Cosmetic Directive) Regulations 2007 「健康製品(化粧品 - ASEAN化粧品指令)規則2007」 | 2008年1月1日 |
Guidelines on the Control of Cosmetic Products 「化粧品製品管理ガイドライン」 | 2019年4月1日 |
Cosmetic Product Classification Guide 「化粧品製品分類ガイド」 | 2020年1月7日 |
主管機関
シンガポールの化粧品主管機関である保健科学庁(HSA) は、製品通知の受付および規制業務を担当し、「健康製品法(Health Products Act)」などの関連法規を通じて、ACDの要件を厳格に施行しています。
HSA内には化粧品管理部(Cosmetic Control Unit, CCU)が設置され、化粧品製品の監督業務を行っています。
通知義務
シンガポールの規制により、責任者(Responsible Person, RP)(市場に製品を投入する責任者)は、化粧品の供給・販売前に HSAへ製品通知を提出する義務があります。RPはシンガポール国内に登録された企業であり、例えば、輸入業者・製造業者・販売業者・小売業者などです。
また、製品通知は現地企業によって行われる必要があるため、企業は事前にシンガポールの販売代理店と資格要件を確認し、要件を満たさない場合は他のパートナーを探す必要があります。
通知不要の製品(ただし、ラベル・成分・有害事象報告などの規制要件は遵守する必要あり):
広告・スポンサー・販促活動用のサンプル品
研究・開発目的のテスト・試用製品
医療従事者が製造、または医療従事者の指示で製造され、患者専用に提供される製品
同一製品の異なる包装仕様
通知に必要な書類・情報
1. 製品販売を担当する現地企業の情報
会社名・住所(郵便番号を含む)
請求先住所
電話番号・ファックス番号
2. 現地企業を代表する担当者の情報
氏名(身分証明書/外国身分証明書番号と一致すること)
国民登録身分証明書/外国身分証明書番号(NRIC/FIN)
会社での職務
連絡先(Eメール/FAX/メッセージ)
3. 製造業者情報
会社名
住所(郵便番号含む)
4. 製品情報
ブランド名
製品名
製品種類と主な機能(スキンケア、アンチエイジング、メイクアップなど)
製品形態(単品、単色パレット、セット内の組み合わせ製品など)
通知手続きと期間
製品届出は、HSAの医薬品規制情報システム(Pharmaceutica Reguatory Information System、PRISM)を通じてオンラインで提出する必要があります。
PRISMにアクセスする前に、申請者はCRIS(Cient Registration and Identification Service)ウェブサイトでCRIS企業アカウントを申請しなければなりません。
シンガポールでは、製品届出に対する審査は行われません。製品届出が提出されると、システムは自動的に確認通知を生成します。確認通知を受け取った後、申請者は化粧品の販売を開始できます。
注目すべきは、HSAは化粧品の審査・評価を行わないことです。そのため、製品通知は安全性・品質の認証を意味するものではありません。責任者(RP)は以下の義務を負います:
化粧品の販売者がその製品の安全性と品質に責任を持つことを確保する。化粧品は汚染物質や禁止成分を含んではならず、特定の成分については使用制限を超えてはならない。
化粧品の供給記録を2年間保管する。
必要に応じて、HSAの要求に従い、安全性および技術情報を提出する。
有害事象や製品リコールを監督し、HSAに報告する。
製品に安全上の問題があると判明した場合、リコールを実施する。
届出の変更
1. 再届出
製品届出の有効期間は1年です。企業がシンガポールで製品を引き続き販売したい場合、毎年再届出を行う必要があります。
以下の重要な変更があった場合、再届出が必要です。
ブランド名
製品名
製品の種類
会社の販売権の変更
2. 届出の更新
製品届出が提出された後、以下の変更があった場合は届出が必要です:
企業名または住所の変更(唯一の機関識別番号(Unique Entity Number、UEN)は変更せず、販売権を変更しない場合)
申請者の詳細情報の変更(例:電子メールアドレス)
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