米国FDA NDI(新規栄養成分)通知サービス

米国FDA NDI(新規栄養成分)通知サービス

2025-04-11

著者:REACH24H食品コンプライアンスチーム
更新日:2026年7月

米国の連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)第413条(21 U.S.C. 350b)に基づき、新規栄養成分(New Dietary Ingredient:NDI)を含む栄養補助食品の製造業者または販売業者は、当該製品を米国の州際通商に導入する少なくとも75日前までに、米国食品医薬品局(FDA)へ市販前新規栄養成分通知(New Dietary Ingredient Notification:NDIN)を提出しなければなりません。必要な届出を行わない場合、当該製品は不良食品(adulterated)とみなされ、上市の差止め、回収その他のコンプライアンスリスクにつながる可能性があります。

REACH24Hは、申請前評価、技術資料の準備、安全性評価、FDAへの提出、提出後の照会対応までを一貫して支援する米国FDA NDI届出サービスを提供しています。植物抽出物、発酵由来成分、プロバイオティクス、微生物由来原料など、さまざまな新規栄養成分について、米国市場への適法な参入をサポートします。

米国FDAにおける新規栄養成分(NDI)と新規栄養成分通知(NDIN)とは

新規栄養成分(NDI)とは

FD&C Act法第201(ff)(1)条では、栄養成分を次の6カテゴリーに分類しています。

カテゴリー

例

ビタミン

ビタミンC、ビタミンD

ミネラル

カルシウム、亜鉛、鉄

ハーブまたはその他の植物由来成分

人参根、桑葉抽出物

アミノ酸

L-リジン、タウリン

食事摂取量を増やすための栄養物質

プロバイオティクス、魚油濃縮物

上記成分の濃縮物、代謝物、構成成分、抽出物または組合せ

オリーブ果実ポリフェノール抽出物

1994年10月15日より前に、栄養補助食品の成分として米国市場で販売されていなかった成分は、通常、新規栄養成分(NDI)に該当します。FDAは具体的な物質の同一性に基づいて判断するため、原料の由来、製造工程または規格が異なる場合には、それぞれ別個のNDIと判断される可能性があります。

NDINの届出義務と免除

NDIを含む栄養補助食品については、米国の州際通商に導入する少なくとも75日前までにNDINを提出する必要があります。提出しない場合、当該製品は不良食品とみなされます(21 U.S.C. 342(f)(1)(B))。

次の2つの条件を満たす場合、NDINの届出義務が免除されます。

  • 当該栄養成分がすでに食品供給に存在し、食品として使用されていること(例えば、GRASとして適法に食品供給へ導入されている場合)

  • 栄養成分として使用する際に化学修飾されていないこと

ただし、NDINの届出義務が免除される場合でも、不良食品に関する基準は引き続き適用されます。栄養補助食品におけるNDIの摂取量が、食品用途で想定されるばく露量を大幅に上回る場合には、追加の安全性評価が必要です。企業は、免除要件への形式的な適合だけでなく、免除後に残る実質的な安全性リスクも慎重に評価する必要があります。

NDIN届出の対象となる企業

企業区分

NDIN対応が必要となる主なケース

栄養補助食品の製造業者

1994年以降に新たに登場した栄養成分を製品に使用し、当該成分が既存の食品供給に含まれていない場合

栄養成分原料の供給業者

川下の栄養補助食品事業者に新規栄養成分を供給する場合。原料供給業者が届出提出者となることも可能です。

輸入者・販売業者

NDIを含む栄養補助食品を米国の州際通商に導入する場合

バイオテクノロジー企業

発酵法または酵素法によるバイオ合成工程を用いて新たな栄養成分を製造する場合。特に栄養成分としての同一性の確認が重要です。

FDA NDINとGRASの違い

同一の物質について、NDINとGRASのどちらを選択すべきか判断が必要となる場合があります。主な違いは次のとおりです。

比較項目

NDINルート

GRASルート

想定用途

栄養補助食品の成分

一般食品の成分

表示可能な訴求

構造・機能表示が可能

栄養成分表示および限定的な健康強調表示のみが可能で、構造・機能表示は認められません。

評価主体

FDA

Self-GRAS:申請者が組織する専門家委員会

FDA-GRAS:FDA

評価期間

FDAによる評価期間は75日

Self-GRAS:固定期間なし

FDA-GRAS:180日(90日延長されるも可能)

資料の機密性

機密情報として取り扱うことが可能

Self-GRAS:機密性を維持可能

FDA-GRAS:公開情報となる

主なメリット

提出手続が比較的迅速で、資料の機密性を確保でき、構造・機能表示も可能です。

対外的な信頼性を得やすく、一般食品用途も対象にできます。

主なリスク

栄養成分への該当性および医薬品除外条項に抵触しないことを論証する必要があります。

FDA-GRASでは提出資料が公開されます。

ルート選択の考え方

  • 栄養補助食品のみに使用する予定の物質は、NDINルートを優先的に検討します。

  • 一般食品と栄養補助食品の双方での使用を予定する場合は、GRASとNDINを組み合わせた申請戦略を総合的に評価することが推奨されます。

  • NDIN免除を主張できるかどうかは、物質の由来、化学修飾の有無および食品供給における使用実績を踏まえて判断する必要があります。

FDA NDIの同一性確認:届出成功を左右する重要事項

FDAはNDINの審査において、まず物質の同一性(Identity)を重点的に確認します。同一性に関する情報が不十分であることは、FDAから照会や異議が示される主な原因の一つです。

同一性確認に必要な主な要素

1. 一般名称および化学的記述(CAS番号、分子式、構造式)

2. 植物由来成分については、ラテン名(二名法)に命名者記号を付記した完全な表記を使用し、略記は認められない。

3. 使用部位の厳密な特定(例えば果実抽出物である場合、葉、根、枝など他の部位が混入してはなりません)

4. 原料から最終製品までの完全な製造工程情報(工程フロー図、操作条件および主要パラメータを含む)

5. 特性成分の特定および定量方法(バリデーション済みの定量分析法を確立する必要があります)

6. 規格およびロット分析データ(少なくとも3ロット分の成分分析報告書)

7. 安定性データ(通常、少なくとも3ロット分の加速試験または長期安定性試験データが推奨されます)

同一性確認でよく見られる不備

植物抽出物、発酵生成物、混合物などの非精製物質については、同一性確認の要求水準がさらに高くなります。そのため、企業はプロジェクト開始時点で物質の同一性確認を完了し、その後に安全性評価へ進むことが重要です。

不備の種類

典型例

FDAによる評価上の問題

植物学名が不完全

Morus alba L.を「Morus alba」とのみ記載し、命名者名「L.」が欠落している

植物種の同一性を確認できません。

使用部位が不明確

「桑果実抽出物」と表示しているものの、実際には桑葉または桑枝が混入している

成分情報に矛盾があると判断されます。

製造工程情報が不足

原料から最終製品までの完全な工程説明を提出していない

化学的同一性を確認できません。

特性成分が

定量されていない

抽出物の特性成分含量および試験方法が設定されていない

規格の一貫性を評価できません。

食経験の証拠と届出物質

が一致しない

伝統的に摂取されてきた桑果実の食経験を引用しているに対し、届出物質は濃縮エキスである

安全性の根拠を届出物質に関連付けられません。

米国FDA NDI届出に必要な資料

21 CFR 190.6およびFDAの関連要件に基づき、NDIN申請資料には通常、以下の書類が含まれます。

モジュール

主な資料

行政資料

申請者情報、連絡担当者、署名

NDIの同一性確認

名称、由来、CAS情報または植物学的情報、規格

製造工程・品質管理

工程フロー、重要管理点、分析証明書(COA)、安定性データ

想定用途・使用情報

使用製品の種類、1日摂取量、対象者

安全性の根拠

食経験、毒性試験、ヒト臨床試験

安全性評価・論証

ばく露評価、安全マージン、安全性に関する結論

参考文献・添付資料

文献全文、分析報告書、試験報告書

毒性試験の要求

NDINには、中国やEUの制度のように「必ず実施すべき試験」を一律に定めた固定的なリストはありません。代わりに、企業は、届出対象の栄養補助食品が「合理的に安全であると予想される」ことを裏付ける証拠を提出する必要があります。実務上は、次の点を考慮します。

  • JECFAやEFSAの評価報告書など、十分な国際的安全性評価データが存在し、届出物質との同一性を適切に説明できる場合は、すべての試験を新たに実施せず、公開文献を引用できる可能性があります。

  • 主要なデータギャップを補う試験としては、亜慢性毒性試験(28日または90日)や遺伝毒性試験(Ames試験+in vitro染色体異常試験/小核試験)などが一般的です。

  • in vitro遺伝毒性試験で陽性結果が得られた一方、in vivo試験がすべて陰性である場合は、総合的な論証が必要です。

FDA NDINの届出プロセス、期間および費用

FDA NDINの届出プロセス

段階

目安期間

NDI該当性判断および安全性データギャップ分析

2~4週間

不足試験の計画策定・実施

3~12か月(新規試験が必要な場合)

NDIN申請資料の作成・社内レビュー

2~3か月

FDAへのNDIN届出

1~2週間

FDA審査

75日(法定審査期間)

FDAによる確認書簡の発行または照会事項の提示

審査期間終了後

期間

プロジェクト開始からFDAの確認書簡を取得するまでの標準的な期間は、新たな毒性試験を実施しない場合、通常6~8か月です。90日間の亜慢性毒性試験を新たに実施する必要がある場合は、全体で12~18か月程度に延長される可能性があります。

費用

費用項目

説明

FDAの公的手数料

FDA 側による届出手数料は無料です。

分析・毒性試験費用

毒性試験の実施する場合、試験の種類および機関によって異なります。

コンサルティング・申請支援費用

案件の複雑性および資料の準備状況によって異なります。

翻訳・公証費用

英語以外の文献に関する翻訳および公証費用です。

具体的な費用は、製品の種類、データギャップの状況および希望する提出時期を踏まえて個別に評価することが推奨されます。

REACH24Hの米国FDA NDIN届出サービス

申請前評価:NDI該当性判断、医薬品除外条項に関するリスク評価、NDIN届出の必要性評価

申請全体の支援:申請資料の作成、安全性評価・論証、FDAへの提出、FDAからの照会・異議への対応

個別コンプライアンス戦略:GRASとNDINを組み合わせた申請戦略、自主的なNDIN届出戦略、遺伝子組換え微生物(GMM)由来物質に関する個別論証

毒性試験データギャップ分析:公開文献および国際的な安全性評価データに基づき、不足する毒性データを特定し、追加試験計画を策定

 REACH24Hの実績と強み

REACH24Hは、これまで世界1,000社以上に食品コンプライアンス技術サービスを提供しております。植物抽出物、発酵由来成分、プロバイオティクス、微生物由来原料など、幅広いNDIN関連案件について、規制評価および申請資料作成を支援しています。

チームには、中国毒理学会認定毒性学者(DCST)、米国認定毒性学者(DABT)および欧州登録毒性学者(ERT)が在籍しており、データブリッジング、データギャップ分析および安全性論証に関する実務経験を有しています。中日英対応技術チームが、英語によるNDIN申請資料を直接作成し、FDAとの技術的なコミュニケーションおよび照会対応を一貫して支援します。

中国、EU、米国など主要市場の規制制度に精通しており、毒性評価、物質調査、ラベルレビューおよび申請資料作成に関する横断的な対応力を備えています。各市場の申請要件を踏まえた連携型コンプライアンス戦略も提供できます。

米国FDA NDIN届出に関するよくある質問(FAQ)

Q1:すでにGRAS評価を取得している場合でも、NDINを提出する必要がありますか?

A:当該物質がGRASとして適法に食品供給へ導入されており、栄養補助食品用途において化学修飾されていない場合、NDINの義務的提出が免除される可能性があります。なお、免除要件を満たす場合でも、企業は自主的にNDINをFDAへ提出することができます。

Q2:NDINの確認書簡はFDAの承認を意味しますか?

A:いいえ。FDAが発行する確認書簡は、FDAが届出資料を受領したことを示すものであり、当該物質の安全性を認定・承認したものではありません。そのため、「FDA承認」または「FDA認証」といった表現で広告・営業に使用することは禁止されます。確認書簡には、法定の届出義務を履行したことを示し、当該届出の不履行を理由として製品が不良食品とみなされるリスクを低減するコンプライアンス上の意義があります。また、適切な範囲で市場向け説明の根拠として利用することも可能です。

Q3:FDAから安全性に関する照会を受けた場合、どのように対応すべきですか?

A:企業は、FDAが指定する期限内に回答する必要があります。通常は、追加データの提出または安全性論証の修正が求められます。対応方針は、照会事項の内容に応じて決定します。

  • 安全マージンが不十分な場合:より高用量の試験データを追加するか、ベンチマークドーズ(BMD)モデリングを用いて再評価します。

  • 遺伝毒性に関する見解が分かれる場合:in vitro陽性結果が偽陽性である可能性の分析や、in vivo陰性結果の統合評価など、総合的な論証を提出します。

  • 同一性確認が不十分な場合:製造工程、規格、特性成分の定量方法などのデータを追加します。

  • ばく露量が高すぎる場合:推奨1日摂取量を調整するか、対象者を限定します。

Q4:植物抽出物のNDINで特に問題になりやすい点は何ですか?

A:FDAから確認書簡を得られない主な理由の多くは、植物抽出物の同一性確認に関係しています。

  • 植物学名が不完全で、命名者名が記載されていない

  • 使用部位が明確でなく、他の部位が混入している

  • 製造工程情報が不足し、FDAが化学的同一性を確認できない

  • 特性成分について定量分析法が確立されていない

  • 伝統的な食経験と高濃度抽出物との差が大きく、食経験の証拠を届出物質に関連付けられない

Q5:同じ物質でも製造方法が異なる場合、それぞれ別途NDINを提出する必要がありますか?
A:通常は、別途提出が必要となる可能性があります。FDAのガイダンスでは、製造工程または由来が異なる場合、それぞれが独立したNDIに該当する可能性があるとされています。

例えば、次のようなケースです。

  • 植物抽出由来、化学合成由来、発酵バイオ合成由来

  • 由来ごとに栄養成分への該当性判断が異なる場合

  • 由来ごとに個別のNDIN届出が必要となる場合

Q6:遺伝子組換え微生物(GMM)由来の栄養成分には、どのような追加要件がありますか?

A:追加資料として、製造菌株の安全性評価(全ゲノムシーケンス、薬剤耐性、毒素、病原性およびアレルゲン性の分析)、最終製品に生菌および組換えDNAが検出されないことを示す証明、ならびに抗生物質残留がないことを示す証明が必要です。さらに、栄養成分としての同一性・該当性についても特に慎重な評価が求められます。

Q7:自主的にNDINを提出するメリットは何ですか?

A:自主的なNDIN届出は、義務的提出の免除要件を満たしているものの、FDAの確認書簡を取得したい場合に利用できます。主なメリットは次のとおりです。

  • FDAの確認書簡を取得し、市場向けのコンプライアンス説明に活用できること

  • 安全性に関する懸念や議論に先行して対応できること

  • 栄養補助食品における用途および用量の安全性を明確に示せること

  • 将来、FDAから不良食品と判断されるリスクを低減できること

関連サービス

参考資料


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