徹底解説|GRASの核心となる論証:毒理学データと論述
2025-08-28

GRAS(Generally Recognized As Safe)の申請書類作成において、毒理学のセクションはまさに核心中の核心であり、申請物質が意図された用途において安全性結論を直接左右します。

毒理学レポートの作成には、しっかりとした科学的基礎だけでなく、法規制の要件と評価原則に対する深い理解が必要です。REACH24Hは、企業の皆様に重要な注意事項をまとめました。ご参考になれば幸いです。

毒性試験レポートの基本原則

包括性・関連性

レポートは、申請物質自体、その類似構造物または代謝産物に関する毒理学データを包括的に網羅すべきです。データは、物質の意図された用途、暴露経路および対象集団と関連性があるものでなければなりません。

科学的・厳密性・明確な論証


引用されるすべての試験データは、信頼性が高く、審査済みの科学文献または優良試験所基準(GLP)に準拠した実験レポートから得られたものでなければなりません。データは再現性があり、解釈可能であるべきです。毒理学データは単なる羅列ではなく、体系的な分析と論証を経て、明確な安全性結論を導き出すことが求められます。


透明性・追跡可能性


文献引用、実験レポート番号など、すべてのデータ出典を詳細に記載し、情報の透明性と追跡可能性を確保することが求められます。

毒理学データの解釈と応用

NOAEL/LOAELの特定

毒理学試験の結果に基づき、有害作用が観察されなかった用量(NOAEL)または有害作用が観察された最低用量(LOAEL)を特定します。安全性評価の出発点として、最も毒性影響が敏感に現れた種と最も敏感な終点指標のNOAELを選択します。

安全係数の応用


安全係数とは無次元の比率であり、NOAELに適切な安全係数を応用して、許容一日摂取量(ADI)または安全摂取量を導き出します。「安全係数>100」が一般的に許容されます。この100倍という安全係数は、毒理学分野で長年にわたり形成された経験則であり、「不確実係数」(UF)とも呼ばれます。これは通常、2つの10倍の係数を掛け合わせたものです。


  • 10倍: 種間の差異(動物とヒトの生理的差異)を補うため。

  • 10倍: 個体間の差異(集団内における個体の感受性の差異)を補うため。


 さらに、一般的に使用される安全係数には、慢性試験がない場合に亜慢性試験から慢性暴露への外挿、NOAELの代わりにLOAELを使用する場合(通常10倍)が含まれます。安全係数の選択には、十分な科学的根拠と説明が必要です。


食事暴露量との比較


導き出された安全摂取量と食事暴露評価で推定された摂取量(EDI)を比較します。EDIが安全摂取量を大幅に下回る場合、その物質は意図された用途において安全であるという結論を導き出すことができます。


包括的な安全性結論


すべての毒理学データ、代謝情報、暴露評価の結果を総合的に検討した上で、明確な安全性結論を導き出します。結論は簡潔明瞭であるべきで、潜在的なリスクやさらに注意を払うべきの分野を指摘する必要があります。

企業が独自に行う主要な毒理学試験はGLPおよびOECD基準に準拠すべきか?

GRASの核心は「公認」であり、強制的な法規制要件ではありません。したがって、米国食品医薬品局(FDA)はGRAS毒理学試験がGLPまたはOECD基準に厳密に従うことを義務付けてはいませんが、実際にはこれらは強く推奨され、ほぼ必須と考えられます。

GLPは、非臨床安全性試験(毒理学試験など)の計画、実施、監視、記録、報告および保管に高い信頼性、完全性、信憑性を持たせることを目的とした厳格な品質管理システムです。GLPに準拠していない試験は、詳細な実験計画がないことによる方法の厳密性の欠如、生データの適切な記録・保存がないことによるデータの不完全性、独立した品質保証部門の監督がないことによる結論の信頼性の欠如などの理由で、データが疑問視される可能性があります。


OECDの「化学品テストガイドライン」は、化学品が人の健康と環境に与える影響を評価するため、国際的に認められた標準化された試験方法です。OECDテストガイドラインは、毒理学試験における国際的な最高基準を示しており、その試験デザイン、動物数、観察指標、データ分析方法などは厳格な科学的検証を経て確立されています。OECDガイドラインに準拠した試験は、試験結果の科学的厳密性と比較可能性を確保し、そのデータはOECD加盟国の間で相互に承認されるため、重複試験のコストと時間を大幅に削減できます。


したがって、毒理学データが独立した専門家やFDAの審査に耐え、物質の安全性を証明するためには、通常、試験レポートにGLP準拠声明を含めることが求められます。FDAは公式ガイドラインであるRedbookで、食品添加物およびGRAS申請の毒理学レポートにGLP準拠声明を含めるべきだと明確に示しています。さらに、試験データの正確性、信頼性および世界的な適用性を確保するために、多数の企業は毒理学試験を行う際にOECDガイドラインに準拠することを選択しています。

毒理学レポート作成における一般的な注意事項

明確な表現と、データの整理

正確で専門的な毒理学用語を使用し、曖昧または誤解を招く表現は避けてください。レポートは単に毒理学結論を列挙するのではなく、データを論理的に構成し、深い分析と考察を行う必要があります。

データの質に注目し、更新状況を考慮


高品質、信頼性の高い試験データを優先的に選択してください。欠陥があったり、一貫性のないデータがある場合、その理由を説明し議論する必要があります。GRAS申請書類を提出する前には、引用するすべてのデータが最新で最も関連性の高いものであることを確認すべきです。


特定の集団への配慮


物質が乳幼児、妊婦、高齢者または特定の疾患を持つ人々に摂取される可能性がある場合、これらの集団の安全性に特に注意を払う必要があります。 これらの注意事項を遵守することで、GRAS申請書類の毒理学セクションの質と説得力を大幅に向上させ、申請物質の「公認安全」の地位を強固な科学的根拠を提供可能とします。

GRAS認証の申請方法

理論的には、いかなる機関や個人でも以下のいずれかのルートによりGRAS認証を申請することが可能です。

1. 自己認証型GRAS認証(Self-affirmed GRAS)

資格を持つ専門家グループによる評価・署名を通じてGRAS評価資料を作成し、FDAに通知せず、情報も開示しない方法です。

2. FDA通知型GRAS認証(FDA notified GRAS)


GRAS評価資料を作成した上でFDAに通知を行い、FDAの専門家による評価を受け、正式な返答を得る必要があります。


なお、通常は評価資料に自己認証GRASの専門家グループの意見と結論が含まれます。

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