米国FDA GRAS認証申請資料の準備方法と注意点とは!?
2025-04-15

GRAS申請資料の物質情報部分

物質情報は、物質鑑定、製造方法、仕様書、物理的および技術的効果などを含む、GRAS申請資料の中で非常に重要な部分です。
GRASの本質は物質の安全性を証明することであり、その前提として物質情報が十分かつ正確である必要があります。FDAの異議の半数以上がこの部分に起因しているため、企業はこの部分の資料を準備する際、物質のすべての仕様指標および関連する分析を明確に記述する必要があります。

物質の鑑定
物質鑑定はGRAS認証の基本となる要素であり、申請者が提示する鑑定方法は、その物質を正確に特定できるものでなければなりません。特に植物由来の物質をGRASとして申請する場合には、その鑑定の重要性がさらに増します。

製造方法
加工工程の各段階と、それに対応するパラメータを詳細に記述し、アメリカのcGMP(現行適正製造基準)に適合しているかを明示する必要があります。特に重要なのは、加工工程で使用されるすべての原料を網羅的に評価し、記載漏れがないようにすることです。また、使用原料が食品グレードであるかどうか、どの品質基準に基づいているかも明確に記述しなければなりません。遺伝子組換え(GMO)技術が用いられている場合も、その内容を詳細に説明する必要があります。さらに、申請物質が化学合成されたものである場合には、製造過程で溶媒の使用や重金属の混入可能性についても明記することが求められます。

仕様書

仕様書に記載する各種指標は、物質の特性や製造方法、原材料の特性を踏まえて設定する必要があります。これには、残留溶媒、重金属、微生物、真菌毒素などが含まれることがあります。国際基準や他国での既存基準が存在する場合、それを引用することが推奨されます。さらに、申請資料には、少なくとも3つの非連続ロットにおける全項目の検査結果を含める必要があります。

GRAS申請資料の膳食曝露レベル部分

膳食曝露評価は、申請物質が食品消費や関連摂取源、使用用途を通じて摂取される経路を総合的に定量評価するものです。曝露評価はリスクアセスメントの一環として、生物学的、化学的、物理的病原因子の曝露量を評価します。膳食曝露量と安全性評価を組み合わせて物質の安全性を確認する必要があります。

GRAS申請資料の食用履歴部分

食用履歴とは、1958年以前に多くの消費者がその物質を含む食品を摂取していたことを指します。米国外の食用履歴も選択可能であり、必ずしも米国の履歴に限定されません。1958年以前のデータが見つからない場合、過去30〜50年の食用履歴(存在する場合)を安全性論証の補足資料として使用することもできます。

GRAS申請資料の安全性評価部分

安全性評価の重点は、既存のデータをどのように使用して物質の安全性を論証するかにあります。安全性研究データ(文献データを含む)と過去30〜50年の食用履歴を基に、安全性結論を導き出すことができます。

安全性研究の内容
最も重要なのは毒性学に関する研究データで、急性毒性、90日間の慢性毒性、遺伝毒性などが含まれますが、これらに限りません。また、臨床研究データやADME(吸収・分布・代謝・排泄)に関する薬物動態研究も、安全性論証の重要な要素となります。

公開文献
GRAS認定では、物質の安全性が専門家による査読と承認を受けていることが求められるため、公開された資料を整理・引用し、それに基づいて論述することが重要です。申請者自身または第三者が発表した文献、国際機関による評価報告などの公開データを幅広く収集し、論点を支持するものだけでなく、否定的・懸念を示す情報についても含めて総合的に評価・論述する必要があります。

アレルゲンについて
申請物質またはその原料にタンパク質やその他の潜在的アレルゲンが含まれる場合は、アレルギー性に関する試験を行い、当該物質にアレルギーのリスクがあるかどうかを検討・論述する必要があります。

新規化学物質(例:化学合成物質)の場合・公開可能なデータが存在しない場合

申請者はまず毒性試験(急性経口毒性、90日間の慢性毒性、遺伝毒性など)を自ら実施し、その試験結果を査読付きの公開文献として発表する必要があります。その後、文献が公開された段階で初めてGRAS認証の申請が可能になります。

FDA GRAS申請時に特に注意すべき点:企業機密情報の取り扱いについて

FDA GRAS認証の申請は、申請資料の公開を伴います。これには、自社実験データや製造プロセスパラメータなど、申請者の営業秘密に関わる詳細な内容が含まれる可能性があります。営業秘密を削除しても、FDA審査で疑問が提起され、補足資料の提出を求められる可能性があります。FDAの疑問に直面した場合、申請者は情報を公開するか、FDA GRAS申請を放棄するかのいずれかを選択する必要があります。そのため、申請前に事前に計画と判断を行うことをお勧めします。

REACH24Hは経験豊富な食品専門家チームを擁し、GRAS申請プロセスと要件に関する深い理解と実践経験を有しています。資料収集、リスクアセスメント、書類準備および提出までのワンストップサービスを提供いたします。ご相談をお待ちしております。

  • 米国GRAS認証の実現可能性分析

  • GRAS自己宣言(Self-affirmed GRAS)

  • FDA GRAS認証(FDA notified GRAS)

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム