米国・GRAS認定おける自己認定型の廃止を検討?-米国保健福祉省がFDAに規則改正を指示-
2025-04-15

2025年3月10日、米国保健福祉省(HHS)と米国食品医薬品局(FDA)は、食品安全管理をさらに強化し、食品成分の透明性を向上させることを推進する方針を発表しました。これにより、すべての米国消費者が食品成分の由来および安全性に関する情報を把握できるようにすることを目指しています。

この取り組みの重要な一環として、HHSのロバート・F・ケネディ(Robert F. Kennedy Jr.)長官は、FDA代理局長に対し、GRAS最終規則および関連ガイドラインの改正を検討し、企業によるGRAS自己認定型の廃止を検討する措置を取るよう指示しました。この措置は、GRAS物質に対するFDAの規制を強化し、食品成分の透明性を向上させることを目的としています。

GRAS規制の現状と改革の方向性

GRAS物質とは、一般に安全と認められる物質(Generally Recognized as Safe)を指し、FDAの専門家による承認、または長期的な使用実績に基づき、人の安全に害を及ぼさないとされる物質のことです。これには食品添加物や食品接触材などが含まれます。

現在、FDAは企業に対しGRAS通知プログラム(GRAS Notification Program)を通じてGRAS申請を行うことを推奨しています。しかし、企業は食品成分の安全性を独自に宣言し、特定の物質がGRAS基準を満たしていることを確認することが可能であり、その際、FDAへの報告や公表が義務付けられていない状況です。

もしGRAS自己認定型が廃止されれば、企業は新しい成分を食品サプライチェーンに導入する前に、FDAに対して申請を公開し、安全性データを提出することが義務付けられるようになります。このプロセスには、FAP(食品添加物申請)、FCN(食品接触物質通知)、またはGRAS通知を通じて、食品および関連製品の安全性が専門家委員会による十分な評価を受けることが含まれます。

HHS長官は、長年にわたり原材料製造業者や供給業者がこのような規制上の抜け穴を利用してきたことを指摘し、このプロセスを廃止することで、一般市民に対してより高い透明性を提供できると述べました。

REACH24Hから企業への注意喚起

GRAS制度の改革は、食品および関連製品のコンプライアンスの観点から規制上の抜け穴を埋める取り組みです。REACH24Hは、関連企業に対し、FDAによる規則改正の進捗を注意深く監視し、製品のコンプライアンスを事前に評価し、最新の規制要件を確実に遵守することで、コンプライアンスリスクを回避するようお勧めします。

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