気候変動、資源の枯渇及び環境汚染などの持続可能な発展に関する課題に対応するため、生物資源を合理的に開発し、バイオテクノロジーおよびバイオマニュファクチャリングの革新を推進し、持続可能なバイオエコノミーを発展させ、国連の持続可能な開発目標を実現することが、各国・地域の発展重点となっています。
そして、生物由来製品の研究開発及び調達は、バイオエコノミーにおける重要な一環となります。従来の石油化学製品と比較して、生物由来製品は、化石エネルギーへの依存度の低減、炭素排出量の削減、さらに一部の製品は生分解性を有し、廃棄後の環境への負荷が少ないという利点があります。
現在、多くのリーディング企業が、生物由来製品の革新的な研究開発に積極的に取り組んでおります。同時に、生物由来化学品、生物由来材料及び生物由来製品に対する需要と購買は、世界中の主要企業にとって注目の焦点及び戦略的発展方向となっております。
生物由来製品
生物由来製品とは、全体または一部がバイオマス(植物、動物、酵素及び微生物、例えば細菌、真菌及び酵母を含む)に由来する製品を指します。
生物由来製品の応用分野は非常に広く、複数の業界をカバーしております。例えば:
包装:食品包装、買い物袋
繊維:衣類、家庭用繊維製品
自動車:塗料、潤滑油、車内装飾
電子:電子製品の外装、回路基板
農業:農業用フィルム、農薬
建築:塗料、複合材料、難燃剤
日用品:パーソナルケア製品、洗浄用品
燃料及びエネルギー
補足:バイオマスとは、大気、水、土地などを利用して光合成により生成される様々な有機体を指します。例えば、農作物及びその廃棄物、木材及びその廃棄物、動物の排泄物などが含まれます。
生物由来認証とは
生物由来認証とは、製品の生物由来含有量に対する認証であり、第三者機関が製品中の生物由来成分を検査・評価し、製品が特定の生物由来基準に適合していることを保証するものです。
生物由来認証は、消費者が環境に優しい製品を識別・選択するのに役立つだけでなく、企業が再生可能資源及びバイオ技術をより多く採用し、環境への悪影響を減少することを奨励する役割も果たします。
現在、国際的には多数の生物由来認証ラベルおよび制度があり、よく知られているものとしては、米国農務省(USDA)ののバイオベース製品認証、UL認証、ドイツのDIN-Geprüft認証、及びTÜV オーストリアの OK Biobased 認証などがあります。
表1:市場における一般的な生物由来認証ラベルの状況
企業の対応戦略
それでは、急速に発展するバイオベース産業に、企業はどのように対応すべきでしょうか。
バイオベース認証の流れ
各種バイオベース認証ラベルの申請手続きには若干の違いがありますが、以下では米国農務省(USDA)認証のバイオベースラベル申請プロセスを例としてご紹介いたします。
申請段階
電子アカウントの作成
USDA参加契約の締結
製品情報の提出
製品情報の確認・やり取り
申請番号の取得
試験段階
指定試験機関への連絡
サンプルシートの記入
サンプルの送付
試験結果の取得
認証段階
認証ラベルの使用
認証製品の定期審査への参加
企業または製品情報の変更報告
注意点:USDA認証のバイオベースラベルを取得するには、事前にUSDA申請番号を取得し、その後に試験を行う必要があります。試験結果は申請番号取得後にのみ認証に有効となります。
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