著者:REACH24H農用化学品コンプライアンスチーム
更新日:2026年10月
製品または事業にEU BPR対応が必要ですか
EU BPR対応の第一歩は、直ちに「BPR登録」を行うことではなく、製品が規則上どの区分に該当するかを判断することです。同じ「抗菌」「防カビ」「消毒」をうたう製品でも、組成、主な機能、表示・宣伝、使用方法および活性物質のステータスによって適用ルートは異なります。
| 製品・事業の状況 | まず確認する事項 | 一般的な対応ルート |
|---|---|---|
| EU向けに殺生物性活性物質を製造・供給 | 活性物質名、由来、PT、承認ステータス | 活性物質承認、Article 95、必要に応じて技術的同等性評価 |
| 消毒剤、防腐剤、殺虫剤、忌避剤などの最終製品を製造 | 殺生物性製品への該当性、PT、活性物質ステータス | 製品認可、条件を満たす場合は加盟国の移行ルール |
| 抗菌・防カビ・防腐処理を施した製品 | 処理成形品か、生物殺滅機能が主機能の製品か | 処理成形品としての対応、必要に応じて製品認可の要否を再確認 |
| 活性物質の供給者、製造場所または製造工程を変更 | 新しい由来と承認済み参照由来の同等性 | 技術的同等性(TE)評価 |
| 1か国または複数のEU加盟国への上市を計画 | 対象国、既存認可、製品条件 | 国家認可、相互承認、EU連合認可など |
| BPRの対象か不明 | 処方、用途、対象生物、表示・宣伝、使用場面 | BPR適用性および対応ルートの評価 |
EU BPRとは
Regulation (EU) No 528/2012は2013年9月1日から適用され、旧殺生物剤指令(Directive 98/8/EC、BPD)に代わる制度となりました。BPRの規制対象は、活性物質、殺生物性製品、処理成形品の3層に整理できます。殺生物性製品の市場参入は、概ね次の2段階で考えられます。
活性物質の段階:特定の製品タイプに使用する活性物質について、EUレベルで評価を受け、承認を取得するか、適用条件を満たす必要があります。
製品の段階:関連する活性物質が該当PTで承認された後、殺生物性製品は通常、該当する手続により製品認可を取得してから、対象市場で上市・使用する必要があります。
既存活性物質の審査プログラム(Review Programme)に含まれる活性物質と製品タイプの組合せについては、加盟国の移行措置が適用される場合があります。
2026年時点では、ECHAは既存活性物質の審査プログラムを2030年12月31日までに完了する見込みとしています。また、2026年に採択されたRegulation (EU) 2026/1165は、特定の活性物質・PTの組合せについてArticle 95(5)のデータ保護期間を延長しています。審査プログラム、データアクセスまたはArticle 95戦略に依拠する案件では、最新の活性物質ステータスとデータ保護状況を個別に確認する必要があります。
EU BPRが規制する製品:4分類 22製品タイプ( PT)
| 分類 | 製品タイプ(PT) |
|---|---|
| 第1類 消毒剤および一般殺生物性製品 | PT 1 人体衛生用殺生物性製品 PT 2 私的区域・公共区域用消毒剤およびその他の殺生物性製品 PT 3 獣医衛生用殺生物性製品 PT 4 食品・飼料区域用消毒剤 PT 5 飲料水用消毒剤 |
| 第2類 防腐剤 | PT 6 貯蔵用防腐剤 PT 7 薄膜防腐剤 PT 8 木材防腐剤 PT 9 繊維、皮革、ゴムおよびポリマー用防腐剤 PT 10 建築材料用防腐剤 PT 11 液体冷却・加工システム用防腐剤 PT 12 殺粘菌剤 PT 13 金属加工液用防腐剤 |
| 第3類 有害生物防除剤 | PT 14 殺鼠剤 PT 15 殺鳥剤 PT 16 殺軟体動物剤 PT 17 殺魚剤 PT 18 殺虫剤・殺ダニ剤・その他の節足動物防除剤 PT 19 忌避剤・誘引剤 PT 20 その他の脊椎動物防除剤 |
| 第4類 その他の殺生物性製品 | PT 21 防汚製品 PT 22 遺体・標本保存液 |
EU BPR活性物質の主要対応
活性物質の承認
殺生物性活性物質(Active Substance)とは、有害生物に作用する化学物質または微生物を指します。プロジェクト開始時には、対象となる「活性物質+PT」の組合せが承認済みか、BPR Annex Iに収載されているか、または既存活性物質の審査プログラムに含まれているかを確認します。
新規活性物質または新規PTの場合、活性物質レベルの評価が必要です。通常、物質同定、理化学的性状、効力、人健康、環境毒性、環境中運命、ばく露およびリスク評価などの資料が関係します。
Article 95の適格供給者リスト
Article 95は、BPRサプライチェーンにおける市場参入上の重要な要件です。殺生物性製品については、該当する活性物質・PTの組合せについて、要件を満たす物質供給者または製品供給者がECHAのArticle 95リストに収載されているかを確認します。
申請では、自社データ、データ使用許諾書(LoA)その他の適法なデータアクセス手段に依拠する場合があります。
Article 95と処理成形品に関する活性物質要件は同一ではなく、処理成形品の上流供給者が常にArticle 95リストへの収載を必要とするとは限りません。
EU域外企業の場合、製品認可保有者(authorisation holder)は原則としてEUまたはEEAに設立された自然人または法人である必要があります。EU域外の製造者については、Article 95への対応、サプライチェーンの構築および認可主体の設定を、EU域内の法人、輸入者・顧客の構成、データの保有状況、ならびに事業上の管理・コントロール上の要件を踏まえて設計する必要があります。
Technical Equivalence (TE 技術的同等性)
製品認可に使用する活性物質の由来が承認済みの参照由来と異なる場合、または製造工程・製造場所が変更された場合、技術的同等性評価が必要となることがあります。新しい由来が化学組成および危険有害性の特性において参照由来と十分に同等であることを示します。
殺生物性製品の市場参入ルート
関連する活性物質が該当PTで承認された後、殺生物性製品は原則として、対象市場で上市・使用する前に該当する製品認可を取得する必要があります。
同一製品または高度に類似した製品群については、同一製品認可または製品ファミリーなどの戦略を適用できるか、追加で評価できます。
認可ルートごとに手続、資料および所要期間は大きく異なるため、対象市場、活性物質のステータス、製品ポートフォリオおよび事業計画を踏まえて選択します。
| 認可ルート | 適用場面 |
|---|---|
| 国家認可(National Authorisation) | 主として単一の加盟国市場に参入する場合 |
| 相互承認(Mutual Recognition) | 1つの加盟国で認可を取得または申請中で、他の加盟国への展開を希望する場合 |
| EU連合認可(Union Authorisation) | 条件を満たし、より広範なEU市場をカバーしたい場合 |
| 簡易認可(Simplified Authorisation) | 使用する活性物質がAnnex Iの要件など、BPRの簡易認可条件を満たす場合 |
| 加盟国の移行措置 | 関連する既存活性物質が審査プログラム中で、対象加盟国が移行措置による上市を認める場合 |
処理成形品:抗菌・防カビ・防腐処理を施した川下製品
処理成形品(Treated Article)とは、1種類以上の殺生物剤で処理された、または意図的に1種類以上の殺生物剤を含有させた物質、混合物もしくは成形品を指します。抗菌・防腐処理を施した繊維製品、衣料品、皮革、プラスチック、ゴム、木材、塗膜、電子製品、家具・家電などが典型例です。
処理成形品は通常、殺生物性製品のように製品認可を取得する必要はありません。ただし、企業は以下の事項を重点的に確認する必要があります。
処理に使用する活性物質がBPRの使用条件を満たしているか
BPR第58条に基づく表示要件があるか
抗菌・防カビ・防腐などの宣伝表示を十分な証拠で裏付けられるか
消費者から請求を受けた場合、規定期間内に殺生物処理に関する情報を提供できるか
製品の主機能が殺生物機能である場合、殺生物性製品と判断され、製品認可義務が生じる可能性があるか
EU BPRプロジェクトの一般的な進め方
01適用性とPTの判定
製品属性、用途、宣伝表示、活性物質および対象市場を確認
02活性物質とサプライチェーンの確認
活性物質の承認ステータス、Article 95およびデータアクセス状況を確認
03対応ルートとデータギャップの評価
製品認可、技術的同等性、移行措置または処理成形品などのルートを選択し、追加データ・試験の要否を判断
04試験、リスク評価およびドシエ作成
必要に応じて効力、理化学、毒性学、環境毒性などの作業を実施し、技術ドシエを準備
05申請提出とその後の維持管理
IUCLID、R4BP 3などの公式システムで申請し、追加資料、変更、更新および上市後の継続対応を行う
試験・データの確認
追加試験が必要な案件については、REACH24HがGLP試験の監理および試験調整も支援します。
所要期間と費用
案件ごとに異なる期間・費用
BPRには、すべての企業に適用される一律の総所要期間や統一料金はありません。実際のプロジェクトは、申請ルート、活性物質のステータス、データギャップおよびデータ購入、試験または技術的同等性の要否、対象加盟国数、製品・SKUの複雑性などに左右されます。大量の試験やデータ購入を開始する前に、対応ルートとデータギャップを評価することで、ルート選択の誤り、重複試験または不要なデータ購入のリスクを抑えられます。
REACH24HのEU BPRコンプライアンスサービス
BPR適用性および対応ルートの評価:製品・成形品の区分、PT判定、活性物質ステータス、対象市場およびコンプライアンスギャップを分析
活性物質、Article 95および技術的同等性:活性物質承認、データ戦略、Article 95収載、LoA・データアクセス、技術的同等性の評価と申請を支援
殺生物性製品の認可および加盟国市場参入:国家認可、相互承認、EU連合認可、簡易認可、該当する加盟国の移行措置に関する登録・通報を支援
処理成形品のコンプライアンス:製品属性、活性物質ステータス、表示・宣伝表示、適合性文書および消費者向け情報を確認
試験、データおよびリスク評価:データギャップ分析、効力試験等の調整、人健康・環境リスク評価、技術ドシエ作成を支援
上市後の維持管理:認可の変更・更新、加盟国の追加、サプライチェーンまたは活性物質由来の変更評価、規制動向の追跡
REACH24Hを選ぶ理由
1,000件以上のEU BPR関連プロジェクト経験
活性物質、製品、処理成形品など、さまざまなコンプライアンス場面に対応
400社以上のグローバル企業へのサービス経験
中国、欧州、米国、日本、中東などの企業を支援
中国 (中国台湾地区を含む) 活性物質供給者の90%以上
EU BPRコンプライアンス対応においてREACH24Hを選んでいます。
Article 95と新規活性物質プロジェクトの実務力
REACH24Hは、アジアで初めてEU BPR新規活性物質承認申請を提出した機関です。データギャップ分析、試験、リスク評価、技術ドシエ作成および申請まで、プロジェクト全体を支援します。中国企業数十社のArticle 95対応を支援しており、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム、エタノールなど、複数の活性物質を扱っています。
活性物質、製品、処理成形品を一貫して支援
活性物質承認、Article 95、技術的同等性、製品認可、加盟国市場参入、処理成形品対応、上市後の維持管理まで、企業の製品と対象市場に応じた対応ルートを一貫して設計します。
EU BPR市場参入に関する継続的な技術研究
「欧州殺生物剤市場参入の主要技術研究と応用」プロジェクトに参加し、活性物質、製品、処理成形品の3つの市場参入層について研究を行いました。関連成果は、中国商業連合会サービス業科学技術イノベーション賞の一等賞を受賞しています。
Amazonが認めるコンプライアンスサービスプロバイダー
Amazonのセラー向けコンプライアンスシステムに登録され、Amazonが認めるコンプライアンスサービスプロバイダーとなっています。消毒、殺虫・忌避、抗菌などの製品について、越境市場におけるコンプライアンス支援の経験を蓄積しています。
分野横断型の技術チームとグローバル連携
分析化学、化学工学、生物学、薬理学、環境科学などの専門性を持つ技術チームに加え、毒性学およびリスク評価の専門スタッフを配置しています。データ要件、試験計画、技術ドシエ、所管当局からの照会に連携して対応します。グローバル拠点、提携試験機関、欧州の規制・技術リソースを活用し、中国および世界各地の企業に多言語・地域横断型のEU BPR支援を提供します。
EU BPRに関するよくある質問
EU BPR対応ルートの評価をご希望の方へ
消毒剤、防腐剤、殺虫・忌避製品、活性物質、抗菌・防カビ処理製品をEU市場へ上市する計画がある場合は、製品用途、処方・活性物質、対象国、サプライチェーンおよび既存試験資料をご提供ください。EU BPRの対応ルートを評価します。
EU BPRについて相談する お問い合わせ:customer@reach24h.com