食品輸入事業に携わる中国企業および中国市場への参入を目指す海外の食品企業にとって、輸入食品の安全性を確保することは最優先事項です。
REACH24Hの「食品輸入」シリーズ記事では、企業の実務に焦点を当て、中国税関が構築した「輸入前の厳格な参入管理、輸入時の厳格な検査・検疫、輸入後の厳格な事後監督」という3段階の管理体制を深く掘り下げ、食品製品および原材料がスムーズに中国市場に参入できるよう支援します。
「輸入後＝終わり」ではありません。輸入後も、税関は「システムレビュー → 全工程トレーサビリティ → 自発的リコール」という循環型の監視体制を通じて、輸入食品の安全性を確保しています。
輸入後の食品管理制度の主な内容は以下の通りです：
・食品安全管理システム事後審査
・輸入・販売記録制度
・不合格食品リコール制度
食品安全管理システム事後審査
制度概要
事後審査とは、以下の2種類の海外の国・地域における食品安全管理システムを対象とした継続的な審査を指します：
すでにシステム評価済み、中国への輸出資格を取得している国・地域
まだシステム評価は受けていないが、中国との間で関連製品の伝統的な貿易がある国・地域
中国税関総署は、リスク評価の結果に基づき、これらの国・地域の食品安全管理システムの継続的な有効性を審査します。
対象となる食品：
すでに中国へ輸出されているすべての食品（輸出許可を取得済みの製品と伝統的貿易製品を含む）が、事後審査の関連する食品の対象となります。
審査の重点
審査プロセスは、輸入前の食品安全管理システム評価および審査と一致しており、特に以下のことを確認します。
システムの完全性： 管理制度が整備されているか；
運用の有効性： 監督管理措置が実際に機能しているか；
二重の判断基準：
✅ 当該国の食品安全状況が中国が許容できるリスクレベルに達しているか。 ✅ 中国向け輸出食品が中国の法律法規および食品安全国家標準に適合しているか。
⚠️ 企業向け行動ガイドライン
海外生産企業への注意点： 登録時の管理システム（工場の衛生管理、検査手順など）を継続的に維持し、システムの無効化による中国向け輸出資格の停止を避ける必要があります。
輸入・販売記録制度
制度概要
輸入者は、規定の時間内に食品の輸入および販売記録を完了させ、税関は輸入および販売記録の内容に対して検査を実施します。
関連プロセス
記録制度の確立
輸入者は輸入および販売記録制度を確立し、食品の名称、内容量／規格、数量、製造年月日、製造または輸入ロット番号、賞味期限、国外輸出業者および購入者の名称、住所、連絡先、納品日などの内容を明確に記録し、関連する証憑を保管しなければなりません。
記録および証憑の保存期間
記録および証憑の保存期間は、食品の賞味期限満了後、少なくとも6ヶ月以上です。 賞味期限が明確に定められていない場合は、販売後2年以上保存しなければなりません。
税関管理
各所属税関は、管轄区域内の輸入者の届出状況および輸入者の輸入・販売記録について検査を実施します。
注意事項
記録制度を確立していない場合：『中華人民共和国食品安全法』第129条第2項に基づき、当該法規に違反し、輸入業者が食品、食品添加物の輸入・販売記録制度および海外の輸出業者または生産企業の審査制度を確立・遵守していない場合、税関は同法第126条の規定に基づいて罰則を科します。
記録が事実と異なる / 検査に協力しない場合：税関総署が公布した『中華人民共和国輸出入食品安全管理弁法』（税関総署令第249号）に基づき、国内の輸出入食品生産経営者が税関の輸出入食品安全確認作業に協力せず、質問や資料提供を拒否した場合、または回答内容や提供資料が実際と異なる場合、税関は警告または1万元以下の罰金を科します。
不合格食品リコール制度
制度概要
輸入業者は輸入食品が中国の食品安全国家標準に適合しないこと、または人体に危害を及ぼす可能性があるという証拠があることを発見した場合、輸入業者は直ちに輸入を停止し、規定に従ってリコールを実施しなければなりません。
関連プロセス
食品輸入業者は輸入食品が法律、行政法規および食品安全国家標準に適合しないこと、または人体に危害を及ぼす可能性があるという証拠があることを発見した場合、『中華人民共和国食品安全法』第63条および第94条第3項の規定に従い、直ちに輸入、販売および使用を停止し、リコールを実施しなければなりません。
関連する生産経営者および消費者に通知し、リコールおよび通知状況を記録します。
食品のリコール、通知および処理状況を所在地税関に報告します。
注意事項
『中華人民共和国食品安全法』第129条第1項第4号の規定に基づき、輸入業者が関係主管部門から当該法規の規定に従って輸入食品のリコールを命じられたにもかかわらず、リコールが拒否された場合、税関は当該法規第124条の規定に基づいて罰則を科します。
輸入食品コンプライアンス対策
輸入業者または海外企業として、輸入後も以下の準備をしっかり行うよう注意喚起が必要です：
「アフターセールスリスク定期自己点検メカニズム」の確立
税関の「輸入食品リスク早期警戒情報」へのリアルタイムな注意
リコール緊急対応計画の確立