2025年関税引き上げタイムライン：重要政策ポイントと食品越境コンプライアンス
過去1週間で、米国の大幅な関税政策の調整が世界に影響を及ぼし、中国が最初に影響を受けました。現時点で、中国やEUなどの主要貿易圏も報復関税政策を発表し、強い抗議の意を示しています。
関連する貿易紛争は実際には年初から兆候が現れており、今回の関税の大幅な変更は、農産物貿易、輸出入コスト、サプライチェーンの安定性、最終市場価格に直接的な不確実性をもたらすことになります。
REACH24Hは、食品業界および輸出入貿易のコンプライアンスサービスプロバイダーとして、状況を明確に把握するため、今年以来の重要政策ポイントを整理しましたので、ご意見ご要望などございましたらお問合せください。（注：以下のタイムラインの日付はすべて現地時間です）
2025年2月
2月1日 米国が初めて「フェンタニル税」を提案
米国大統領トランプ氏が行政令に署名し、フェンタニル問題などを理由に、中国から輸入される商品に対して現行の関税に加え10%の関税を課すと発表しました。
同時に、米国はメキシコおよびカナダから輸入される商品にも25%の関税を課し、特にカナダのエネルギー製品に対しては10%の関税を追加しました。
2月4日 中国初の関税報復措置を開始
国務院関税税則委員会が公告を発表し、2025年2月10日から米国原産の一部輸入商品に対して関税を追加課税するとしました。
石炭、液化天然ガスに15%の関税を追加。
原油、農業機械、大排気量自動車、ピックアップトラックに10%の関税を追加。
現行の保税政策および減免税政策に変更はなく、今回の追加関税は減免の対象外とされます。
2月10日 米国が鉄鋼・アルミ税の追加課税を提案
米国大統領トランプ氏が行政命令に署名し、輸入されるすべての鉄鋼およびアルミニウムに25%の関税を課すと発表しました。2025年3月12日から施行されます。
2025年3月
3月3日 米国が再び「フェンタニル税」を引き上げ
米国は再びフェンタニル問題を理由に、中国から輸入される商品に対してさらに10%の関税を追加課税すると提案しました。2025年3月4日から施行されます。
3月4日 中国が一部米国輸入食品の関税を引き上げ
国務院関税税則委員会が公告を発表し、2025年3月10日から米国原産の一部輸入商品に対して関税を追加課税するとしました：
鶏肉、小麦、トウモロコシ、綿花に15%の関税を追加
高粱、大豆、豚肉、牛肉、水産物、果物、野菜、乳製品に10%の関税を追加
現行の保税政策および減免税政策に変更はなく、今回の追加関税は減免の対象外とされます。
2025年4月
4月2日 米国が「三税」を突如発表
米国大統領トランプ氏がホワイトハウスで行政令に署名し、「相互関税」を実施すると発表しました。
すべての貿易国からの輸入商品に対して10%の「基準関税」（最低税率）を課し、2025年4月5日から施行。
貿易赤字が大きい60の経済圏に対してさらに高い関税を課す（例：中国34%（フェンタニル税20%を加えた総税率54%）、ベトナム46%、カンボジア49%、タイ36%、EU20%、日本24%、インド26%、韓国25%など）。2025年4月9日から施行。
同日、トランプ大統領は3月26日に言及した輸入自動車への25%の関税が4月3日から施行されることを確認しました。USMCA（米墨加協定）の枠組み内では、25%の関税は米国外で製造された部分にのみ適用されます。
また、米国商務部はすべての輸入ビールに25%の関税を課し、ビールおよび空のアルミ缶をアルミ関税の派生製品リストに追加すると発表しました。2025年4月4日から施行されます。
4月3日 カナダが米国自動車に25%の報復関税を発表
カナダ政府は、USMCAに含まれないすべての米国輸入自動車に対して25%の関税を課すと発表しました。ただし、自動車部品は対象外です。この関税措置は2025年4月9日から施行されます。
4月4日 中国が一連の反制措置を発表
国務院関税税則委員会は、2025年4月10日12時01分から米国原産の輸入商品に対して関税を追加課税すると発表しました。
米国原産のすべての輸入商品に対して現行の適用関税率に加え34%の関税を追加。
現行の保税政策および減免税政策に変更はなく、今回の追加関税は減免の対象外とされます。
2025年4月10日12時01分以前に出発地を出発し、2025年4月10日12時01分から2025年5月13日24時までに輸入された貨物には、本公告で規定された追加関税は課されません。
中重希土類関連品目の輸出を規制。
16社の米国企業を輸出規制管理リストに追加（例：ハイポイント航空技術会社、グローバルワールド物流会社など）。
11社の米国企業を不信頼エンティティリストに追加。
輸入医療用CT管球に関する産業競争力および反ダンピング調査を開始。
4月8日 米国が再び中国への関税を引き上げ
米国政府は、中国から輸入される商品に対する「相互関税」を34%から84%に引き上げ、総税率を104%にすると発表しました。2025年4月9日から施行されます。
4月9日 中国が反制措置を強化
国務院関税税則委員会が公告を発表し、2025年4月10日12時01分から米国原産の輸入商品に対する追加関税を34%から84%に引き上げるとしました。
また、商務部は米国の12社を輸出規制管理リストに追加し、これらの企業へのデュアルユース品目の輸出を禁止しました。さらに、6社を不信頼エンティティリストに追加しました。
4月9日 EU加盟国が米国の鉄鋼・アルミ関税に対する反制措置を可決
EU加盟国は、米国製品に対して最大25%の関税を課す初回の反制措置を可決しました。この反制措置は主に米国の鉄鋼・アルミ関税を対象としており、2025年4月15日から施行されます。
4月10日 米国大統領トランプ氏が90日間の関税猶予期間を発表
トランプ氏はSNSで次のように投稿しました。
「75を超える国が米国の代表機関（大使館や貿易事務所など）に連絡を取り、貿易、貿易障壁、関税、為替操作、非貨幣的関税などに関する問題について解決策を求める交渉を行いました。これらの国々が私の強い提案に従い、いかなる形でも米国に報復しなかったことを考慮し、90日間の猶予措置を承認しました。この期間中、相互関税を10%に大幅に引き下げ、猶予措置は即時発効します。」
また、トランプ氏は中国への関税を104%から125%に引き上げると発表しました。
4月10日 米国が中国への関税を145%に確定
米国の報道機関がホワイトハウスに確認したところ、米国が中国に課す税率は145%（20%の「フェンタニル税」と125%の「相互関税」を合算）であることが明らかになりました。
現在、世界貿易の駆け引きが激化しています。
コストの急増、サプライチェーンの不確実性、最終市場価格の変動に直面し、食品業界はかつてない挑戦を経験しています。
REACH24Hは、これからも世界の食品政策動向を継続的に追跡し、最新の解釈と対応戦略をお届けします。