GRAS申請物質の性質、意図された用途および暴露レベルに応じて、異なる種類の毒性試験が必要となります。
一般的な毒性試験の種類と要件
急性毒性試験
Acute Toxicity studies
物質の急性毒性の強さを特定し、その後の研究のための用量基準を提供することを目的とします。通常は経口経路で行われ、単回または24時間以内の複数回接触後の急性反応を評価します。
亜慢性毒性試験
Subchronic Toxicity Studies
比較的長期(通常は90日間)にわたる物質の反復接触による毒性効果を評価することを目的としています。これは、有害作用が見られない用量(NOAEL)を特定する上で不可欠な研究の一つであり、試験動物に経口経路で投与されます。
慢性毒性試験
Chronic Toxicity Studies
物質の長期的な毒性効果と潜在的な発がん性を評価するために使用されます。高暴露量または長期的に摂取される物質の場合、この研究が必要で、期間はより長く(1年または2年)なります。
遺伝毒性試験
Genotoxicity Studies
物質が遺伝子変異、染色体異常またはDNA損傷を引き起こす可能性を評価することは、物質の潜在的な発がんリスクを評価するための重要な指標です。通常、体外試験(細菌復帰突然変異試験、哺乳類細胞染色体異常試験など)および 体外試験(哺乳類骨髄細胞小核試験、コメット試験など)が含まれます。
生殖毒性および発生毒性試験
Reproductive and Developmental Toxicity Studies
物質が生殖機能、胚発生、胎児の成長および次世代の発育に与える影響を評価します。通常、生殖能力および初期胚発生毒性、胚胎児発生毒性、周産期発生毒性などが含まれます。
発がん性試験
Carcinogenicity Studies
長期暴露下での物質の腫瘍誘発の可能性を評価するもので、通常2年間継続されます。構造的に発がんリスクが示唆される、遺伝毒性試験で陽性だった、長期毒性試験で増殖性病変が見られた、または予測される暴露量が非常に高い物質に対して、発がん性試験が必要となる可能性があります。
特殊な毒性試験
物質の特性や意図された機能に応じて、免疫毒性試験、神経毒性試験、感作性試験、ADME試験など、他の特殊な試験をする必要があります。特にタンパク質や微生物由来の物質については、その潜在的な感作リスクを評価する必要があります。ADME試験は、物質が体内でどのように吸収、分布、代謝、排泄されるかを理解することを目的とし、毒性メカニズム試験に属します。これは、さまざまな毒性研究の実験設計や結果の解釈をより正確にするための基礎を提供します。
毒性試験実施の指導方針
米国FDAは、GRASのために「以下の毒性試験を必ず実施しなければならない」というリストを公表していません。その代わりに、その指導方針は個別のケース分析を強調し、一連の評価方法とデータ要件を推奨しています。これらの指導方針は、主にFDAの「食品添加物およびGRAS通知技術ガイドライン」(通称、「Redbook」という。)に記載されています。
FDAの指導方針は、主に以下の要因に基づき、どの毒性試験が必要かを決定します。
1. 物質自体
当該化学構造がすでに知られている有毒物質の構造と類似しているか。
天然抽出物(植物や微生物など)が由来である場合、その供給源の安全性および抽出過程で生じる可能性のある汚染物質や不純物を考慮する必要がある。
重金属、溶剤残留物、微生物毒素など、潜在的に有害な不純物が存在するか。
2. 既存の安全データと文献
既存の毒性試験、ADMEデータ、人体臨床試験など、公開されているすべての査読済み科学文献が対象となります。
既存の文献データが十分に完全であり、専門家がその物質が意図された使用条件下で安全であるという結論を導き出せる場合、新たな毒性試験は不要です。逆に、既存のデータに空白や不足がある場合は、新たな試験でデータを補う必要があります。
3. 物質の意図された用途と暴露レベル
暴露レベルが非常に低い場合、限られた毒性データ(例えば、遺伝毒性、亜慢性毒性など)だけで安全性が証明できます。が
暴露レベルが高い、またはその物質が様々な日常食品に広く添加され、総暴露量が非常に高くなる場合は、慢性毒性や発がん性試験といったより厳格で長期的な試験を実施して潜在的な毒性作用を排除する必要があります。
GRAS評価における毒性試験に固定された基準はありません。その核心は、リスク評価に基づく科学的判断です。FDAの指導方針は、意図された使用条件下での物質の安全性を、一般に認められた方法で証明するために、十分かつ質の高い科学的証拠を提供すべきであるというものです。これには、単に特定の毒性試験の組み合わせを実施するだけでなく、包括的かつ体系的な評価プロセスが必要です。
REACH24Hは、GRAS分野での豊富な経験と米国専門家とのネットワークを活かし、申請企業のために最も合理的な試験計画を策定し、試験費用の削減、申請期間の短縮、そして製品が米国市場にスムーズに進出できるようご支援します。
弊社のサービス
GRASの実現可能性と最適な申請経路の分析
GRAS試験計画の策定
学術雑誌への論文掲載
米国審査専門家グループとの会議設定
GRAS申請書類の作成
FDAへの資料提出と審査意見への対応
GRAS認証申請方法
理論的には、どの機関や個人でも以下のいずれかの方法でGRAS認証を申請できます。
1.自己認証型GRAS認証 (Self-affirmed GRAS)
即ちSelf-affirmed GRAS、資格のある専門家グループによる評価と署名を得ることで、FDAに通知しないGRAS評価資料を作成する方法です。この情報は外部には公開されません。
2.FDA通知型GRAS認証 (FDA notified GRAS)
即ちFDA notified GRAS、GRAS評価資料を作成した後、FDAに通知し、FDAの専門家による評価を受け、FDAから肯定的な承認を得る必要があります。
注意すべきのは、FDA notified GRASでは、評価資料の中に自社による適合声明GRASの専門家グループの意見や結論を含める必要があります。
つまり、Self-affirmed GRASを取得すれば、当該物質を米国で販売できます。しかし、FDA GRASを取得する方が、市場でのプロモーションにおいて有利ですが、より長い期間が必要です。企業は自身の市場計画に基づいて選択することができます。