メキシコ農薬登録
2026-04-10

メキシコ農薬の定義と分類

メキシコにおいて、農薬は、各種の有害生物を防除するために使用されるあらゆる物質またはその混合物と定義されています。これには、人および動物の疾病を媒介する生物、農業・林業生産に損害を与える、またはこれを阻害する有害生物種、ならびに落葉剤および乾燥剤が含まれます。

メキシコの農薬管理制度では、農薬はその由来に応じて、以下のように分類されています。

  • 化学農薬:合成化学物質を由来とする農薬です。

  • 生物化学農薬:フェロモン類またはアレロケミカル類の農薬を指します。なお、アレロケミカル類には、カイロモンおよびアロモンが含まれます。

  • 微生物農薬:細菌、真菌、ウイルス、線虫および原生動物を由来とする農薬が含まれます。

  • 植物由来農薬:植物から抽出された物質を由来とする農薬を指します。

  • その他の農薬:農薬としての物理化学的特性および毒性学的特性を有しないものの、病害虫防除機能を備える農薬を指します。例えば、物理的に害虫の侵入を遮断する資材や害虫の行動をかく乱する製品などがこれに該当します。

また、使用用途に応じて、農薬は以下のように分類されます。

  • 農業用:植物に直接使用される製剤農薬を指し、植物に有害生物の予防、忌避、防除および殺滅を目的とします。

  • 家庭用:住宅、建築物および非工業施設において直接使用される製剤農薬を指します。

  • 林業用:森林資源に有害な生物の予防、忌避、防除または殺滅を目的とする製剤農薬を指します。

  • 工業用:塗料、ワニス、シェラック、紙、セルロースまたは板紙など、直接食用に供されない製品の製造に使用される製剤農薬、ならびに工業工程における循環水の処理に使用される製剤農薬を指します。

  • 園芸用:園芸分野において、植物に有害な生物の予防、忌避、防除または殺滅を目的として使用される製剤農薬を指します

  • 畜産用:動物に被害を及ぼす病害虫の防除に使用される製剤農薬を指します。ただし、経口投与または静脈注射によって使用される製品は含まれません。

  • 都市用:都市区域専用の製剤農薬を指し、空き地および鉄道路線に使用される製品を含みます。

メキシコ農薬登録の管理規則

メキシコにおける農薬規制の中核となる法的根拠は、「保健一般法」です。これに加え、「農薬、植物栄養剤ならびに有毒物質の登録、輸出入許可および輸出証明書に関する規則」が、農薬管理に関する具体的な執行ルールを定めています。さらに、メキシコ政府は技術的要件を定める一連のメキシコ公式規格(NOM)も公表しています。関連文書の概要は以下のとおりです。

「保健一般法」(Ley General de Salud, LGS)

「保健一般法」は、メキシコにおける保健・衛生分野の基礎法として、農薬規制の全体的な枠組みと法的根拠を定めるものです。

「農薬、植物栄養剤ならびに有毒物質の登録、輸出入許可および輸出証明書に関する規則」(RPLAFEST)

「保健一般法」の関連規則として、本規則は上位法における要求事項を実務上運用可能な具体的ルールへと落とし込み、農薬のライフサイクル全体にわたるコンプライアンス上の詳細を定めています。具体的には、農薬登録の手続きおよび申請資料の要件、輸出入ならびに許可管理などが含まれます。

「メキシコ公式規格」(Normas Oficiales Mexicanas、NOM)

具体的な技術的実施要件を定めるものです。このうち農薬に関連する主な規格として、以下が挙げられます。

NOM-232-SSA1-2009:農薬の包装、表示および危険有害性分類などに関する要件を定めています。

NOM-082-SAG-FITO/SSA1-2017:食品中の最大残留基準値(MRLs)に関する要件を定めています。

NOM-033-FITO-1995:農薬の取扱営業ならびに販売従事者に対する研修要件を定めています。

NOM-034-FITO-1995:农薬の製造および加工に関する要件を定めています。

メキシコ農薬登録の主管当局

メキシコにおける農薬登録では、3つの連邦機関が共同で技術意見を提出する必要があり、そのうちいずれか1機関でも否定的な見解を示した場合、登録が認められない可能性があります。各連邦機関の名称、所管業務および主な審査観点は、以下のとおりです。

機関名

所管業務

主な審査内容

連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)

保健省(SALUD)の所管機関として、登録手続全体の調整および最終的な登録証の発給を担当します。

人体健康リスク(急性・慢性毒性試験、安全性評価など)

環境天然資源省(SEMARNAT)

農薬が環境に及ぼす影響の評価を担当します。

環境リスク(生態毒性、環境運命、環境影響など)

農産物衛生・安全・品質サービス機関(SENASICA)

農業農村開発省(SADER/SAGARPA)の所管機関として、農薬の農業用途に関する審査を担当します。

製品の有効性(生物学的有効性試験)、最大残留基準値(MRL)、作物安全性

メキシコ農薬登録の流れと要件

メキシコ農薬登録の申請者

農薬製品登録の申請者は、メキシコ国内で適法に設立された個人または法人でなければなりません。

メキシコ農薬登録の流れ

メキシコの農薬登録審査の大きな特徴は、3機関の協調による審査制度を中核としている点にあります。この仕組みは、製品が人の健康、環境および農業上の有効性の観点から、安全かつ有効であることを確保することを目的としています。

メキシコ農薬登録の流れ.jpg


メキシコ農薬登録の種類と審査期間

登録類型

審査期間

化学農薬原薬登録

80営業日

化学農薬製剤登録

80営業日

低リスク農薬登録

80営業日

同等性に基づく化学農薬原薬/製剤登録

80営業日

農薬または植物栄養剤登録に係る技術的変更

50営業日

農薬または植物栄養剤登録の変更(製造者/受託製造業者/製剤メーカー/供給者の増加)

50営業日

農薬または植物栄養剤登録の更新

15営業日

農薬、植物栄養剤ならびに有毒物質/原材料の輸入許可

8営業日

メキシコ農薬登録証の有効期間

登録証の有効期間は5年間です。また、更新登録に向けては、登録証の有効期限満了の6か月前までに準備を開始することが推奨されます。

当社のサービス

メキシコ農薬登録分野における専門的な技術コンサルティング機関として、REACH24Hは、グローバルな法規制対応の知見と専門技術チームを基盤に、市場参入戦略の策定から登録証の維持管理に至るまで、ワンストップのコンプライアンスサービスを提供し、企業の円滑な市場参入を支援しています。主なサービス内容は以下のとおりです。

  • メキシコ原薬登録

  • メキシコ製剤登録

  • メキシコ同等原薬登録

  • メキシコ植物栄養剤登録(植物成長調整剤、バイオスティミュラント、肥料などを含む)

  • メキシコにおける登録証保持者代理サービス

  • メキシコ現地法人設立支援

  • QSAR報告書作成

  • GLP試験の代理・監督

  • データ評価/ギャップ分析/適用除外分析

  • メキシコ登録戦略の策定

  • 法規制に関する総合コンサルティングおよび研修

当社の強み

グローバルな視点に基づくコンプライアンス対応実績

REACH24Hは、中国、EU、米国、カナダ、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンをはじめとする国・地域の農薬規制を10年以上にわたり継続的に調査・研究しており、グローバル農薬コンプライアンス対応に関する幅広く実践的な経験を有しています。あわせて、高難度案件への対応実績も豊富であり、複雑かつ困難な課題への対応に強みがあります。こうした知見と経験を活かし、メキシコ農薬登録プロジェクトを着実に支援します。

確かな技術力と専門性の高いチーム

REACH24Hの農薬・農業化学技術チームは、分析化学、化学工学、生物学、毒性学、環境科学などの専門分野を有する技術者・専門家に加え、海外留学経験を有する人材によって構成されています。これにより、難易度の高い案件に対しても、安定した技術支援を提供しています。

ワンストップによる高品質なサービス

REACH24Hは、企業の申請資料の品質と信頼性の向上を最大限支援するとともに、専門的知見に基づき、必要に応じて農薬審査当局に対する技術的説明・対応も行います。これにより、登録費用および期間に伴う負担の軽減を図ります。また、企業ごとの状況に応じて、グローバル市場を見据えた一体的な市場参入・登録戦略を設計し、登録コストの最適化と登録期間の短縮を支援します。その結果、グローバル市場への展開において直面し得る技術的貿易障壁への対応を後押しします。

豊富なQSARプロジェクト実績経験

当社には、国際的な認証を有する毒性学専門家が複数在籍しており、優れた専門技術チームを基盤として、メキシコ農薬登録で求められるQSAR報告書および毒性学関連資料に対し、確かな技術支援を提供しています。チームは、長年にわたりグローバルでQSAR予測および毒性評価を実施してきた経験を有しており、これまでにEU、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、オーストラリア、ロシアなど、複数の国・地域において数千件に及ぶQSAR報告書を作成してきました。



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