背景紹介
「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals、略称GHS」)は、2003年に国連が発表した規範文書で、化学物質の分類と表示に関する調和のとれたシステムの開発を各国に指導するためのものです。そのため、一般に「国連GHS」とも呼ばれています。国連GHSは2年ごとに改訂されており、初めての改訂は2005年に行われました。最新版は2023年の第10改訂版です。
2002年の国連持続可能な開発に関する世界首脳会議において、各国は2008年までにGHSを実施することが奨励されました。各国は国連GHSとの整合性を確保するために、対応規制を制定しました。欧州連合は2009年にCLP規則を公布し、中国は2011年より中国GHSを正式的に実施し、米国は2012年にHCS基準を正式的に発表しました。
SDSとMSDSの関係
SDS(SafetyDataSheet、安全データシート)は、製品の成分情報、物理的化学的性質、危険性識別、安全使用対策、保管情報、輸送s措置などを含む総合的な文書であり、サプライチェーンにおける情報伝達の主要手段の一つです。
SDSは、各国のGHS (Globally Hamornized system of Classification and labelling for chemicals) 法規により、企業の義務の一つとして定められています。
SDSは特定の国ではMSDS(Material Safety Data Sheet、製品安全データシート)とも呼ばれますが、SDSとMSDSはサプライチェーンにおいて同じ役割を果たします。
企業の義務と対応戦略
▍中国
中国GHSは、「危険化学品安全管理条例」、「危険化学品登記管理弁法」、分類方法に関する国家標準、およびSDSやラベルの作成方法に関する国家標準などの法規体系で構成されています。その中で、「危険化学品安全管理条例」は、中国GHSの最高法規となっています。
2011年2月16日、中国国務院第144回常務会議において「危険化学品安全管理条例」の改正が正式に可決され、2011年12月1日より施行されました。これにより、中国は国の行政法規で正式に国連GHSの実施を開始しました。
中国GHSに関連する具体的な国家標準:
中国GHSの適用対象
「危険化学品目録(2015年版)」に掲載された化学品
危険性評価の結果、危険化学品に分類される化学品
企業が危険性データを把握しており、28つの国際基準に基づき危険有害性が分類されている化学品。
中国GHSにおける企業のコンプライアンス義務
▍欧州連合(EU)
EUは、国連GHSを基に、REACH規則と組み合わせ、2009年1月20日に「物質及び混合物の分類、表示及び包装に関する規則」(CLP規則)を発表しました。そして、2010年12月1日より化学物質に、2015年6月1日より混合物に対して、CLP規則を全面的に適用しました。
CLP規則の適用対象
欧州市場に輸出されるほぼすべての物質および混合物は、トン数に関係なくCLP規則に対応する必要があります。
EUREACH規則の下で登録が必要な企業の物質
1トン未満の物質および混合物
原薬(医薬品の有効成分)、有害なポリマー、農薬など
企業のCLP規則対応策
製品の分類の再評価
ラベルおよびパッケージの更新
SDSの更新
欧州連合CLP届出(Notification
注意点:欧州市場向けの企業が上記の対応を完了しない場合、製品はEU市場に進出できません。さらに、EU各加盟国の執行当局による検査、例えば高額の罰金、商品の没収、さらには禁錮刑などの処罰を受ける可能性があります。
欧州連合SDSの作成・更新要件
2020年6月29日、欧州委員会は化学品の登録・評価・認可(EUREACH)規則(ECNo1907/2006)附属書IIを改正し、COMMISSIONREGULATION(EU)2020/878を公布しました。本規則により、2021年1月1日以降に作成されるSDSは、更新された要件に適合する必要があり、2022年12月31日までの移行期間が設けられました。
したがって、2023年1月1日以降、欧州進出製品SDSはEU2020/878の新要件に適合させなければ、EU市場への流通が認められません。
EU、中国、アメリカGHSの比較分析
分類の比較
国連GHSおよびEUCLP規則では、29項目の危険分類があります。
中国GHSでは28つとなっており、減感爆発物の分類はまだ追加されていません。
米国HCSでは26つの分類があり、水環境やオゾン層への危険性は採用されていませんが、元基準にあるGHSに含まれない単純窒息性ガス、可燃性粉塵、自然発火性ガスという3つの危険性は引き続き適用されます。
これら3つの分類に該当する物質は危険物とみなされ、SDSおよびラベルの作成が必要となります。
SDSの内容比較
EUと中国は国連の16項目を採用しています。ただし、言語要件以外たとえば緊急連絡先、成分の秘密保持要件、SDS各項目の具体的な内容要件、規制情報などの内容が異なります。
ラベルの比較
中国GHSのラベル要件は、EUCLPや米国HCSに比べてより多くの特別な規定を含んでいます。具体的に言えば、レイアウトの順序・位置、緊急連絡先、参照指示文、サイズ、カラーなどが挙げられます。
当社のサービス
欧州連合CLP- Regulation (EC) No 1272/2008/Commission Regulation (EU) 2020/878
中国GHS-GB/T17519-2013&GB/T16483-2008
日本GHS-JISZ7252:2019/JISZ7253:2019
韓国GHS-MOELNo.2023-9
台湾地域GHS-CNS15030/《危害性化學品標示及通識規則》
アメリカGHS-Hazcom2012
カナダGHS-WHMIS2015
トルコGHS-SEANo.28848/SEANo.29204
ブラジルGHS-NBR14725
メキシコGHS-NMX-R-019-SCFI-2011/NOM-018-STPS-2015
マレーシアGHS-CLASSRegulations2013/ICOP2019
タイGHS-B.E.2555
インドネシアGHS- Regulation No. 23/M-IND/PER/4/2013/ Order No. 04/BIM/PER/1/2014
ベトナムGHS-CircularNo.04/2012/TT-BCT/CircularNo.32/2017/TT-BCT
シンガポールGHS-SS586:2022
オーストラリアGHS-WHSRegulations2022
ニュージーランドHazardous Substances (Hazard Classification) Notice 2020/Consolidated Hazardous Substances (Safety Data Sheets) Notice 2017
ロシア、東南アジア、湾岸地域、南北アメリカなど他の国・地域のGHS
SDS/MSDS翻訳(多言語対応、欧州連合各加盟国の言語を含む)
SDS/MSDS更新
既存SDS/MSDS/ラベルの審査
国連GHS/欧州連合CLP/中国GHS対応トレーニング
欧州連合CLP規制/韓国KOSHA規制の対応唯一代理人(OR)サービス
中国危険化学品登録/欧州連合C&L届出/PCN届出/韓国MSDS提出
グローバル緊急電話対応サービス
当社の優位性
卓越した専門技術チームによる確かな技術サポートを提供します
長年にわたるGHS規則の研究および技術コンサルティング経験から、高品質な技術サービスを提供します
現在、弊社では、6万件以上のSDS/MSDS/ラベル作成実績を持っています
当局および専門家との長期的で良好なコミュニケーションルートで、サービスの品質と効率を保証します
英語・韓国語・日本語など多言語対応のカスタマーサービスチームを持って、国際的なお客様やパートナーに迅速かつワンストップでコンプライアンスサービスを提供します