「新規化学物質環境管理登記弁法」改正案、農薬業界への影響

「新規化学物質環境管理登記弁法」改正案、農薬業界への影響

2026-07-21
2026年6月11日、中国生態環境部は、「新規化学物質環境管理登記弁法(改正意見募集稿)」に関する意見募集通達(環弁便函〔2026〕199号)を公表しました。意見募集は2026年7月12日に締め切られました。改正案は、2026年8月15日に「中華人民共和国生態環境法典」と同時に施行される予定です。

新規化学物質環境管理制度の整備推進は、中国が化学物質のライフサイクル全体にわたる環境リスク管理を強化する方針を示すものです。加えて、農薬業界における環境配慮型で質の高い発展を、源流段階から後押しする狙いもあります。農薬各社にとって新たなコンプライアンス対応が必要となる課題である反面、製品の環境安全管理体制を強化する絶好の機会ともいえます。

改正のポイントと農薬業界との関係

今回の「新規化学物質環境管理登記弁法」の改正において、農薬業界に最も大きな影響を及ぼすポイントは、製品区分ごとの適用除外範囲の再整理です。

現行の「新規化学物質環境管理登記弁法」(生態環境部令第12号、以下「12号令」)では、農薬をはじめ、すでに個別の管理制度が設けられている製品について、一定の適用除外が規定されています。一方、今回の改正意見募集稿では、これらの製品に関する適用除外範囲が改めて整理されています。

これにより今後、農薬製品に含まれる一部の化学物質については、農薬登録に加えて、新規化学物質環境管理登記の要件にも対応する必要が生じます。企業には、従来よりも広い範囲でコンプライアンス管理を行うことが求められます。

農薬企業が確認すべきポイント

農薬企業が優先的に確認すべき対象は農薬原体の有効成分です。有効成分が「中国現有化学物質名録」(以下「IECSC」)に収載されていない場合、新規化学物質環境管理登記が必要となる可能性があります。また、製剤に配合される各種製剤助剤の確認も不可欠です。溶剤、乳化剤、安定剤など各成分が IECSC に収載されているか、一つずつ照合する必要があります。

製造プロセスで生成する不純物については、所定要件を充足する場合、原則として適用除外となる可能性があります。

REACH24Hによる事前スクリーニングの結果、中国で登録済みの化学農薬有効成分 750 種(微生物農薬を除く)のうち、約 271 種は IECSC 公開リストと照合・一致しました。残り約 479 種については現時点で照合確認に至っておりません。

ただし IECSC には一部物質の情報が非公開となっている点に留意が必要です。また CAS 番号が一致しても物質名が完全に一致せず、追加検証を要する事例も存在します。したがって、実際に新規化学物質登記が必要となる物質の件数については、今後さらなる精査が必要です。

企業は「新規化学物質環境管理登記弁法」の改正動向を継続的に注視し、早急に自社製品に含有する化学物質の棚卸し、IECSC との照合に着手することが重要です。事前に確認を進めることで、今後必要となる対応や潜在的なコンプライアンスリスクを把握しやすくなります。

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