米国EPA、19件の農薬登録再評価案件を正式終了|対象製品は段階的に米国市場から退出へ

米国EPA、19件の農薬登録再評価案件を正式終了|対象製品は段階的に米国市場から退出へ

2026-09-28

農薬規制ニュース

米国環境保護庁(EPA)はこのほど、19件の農薬登録再評価案件を正式に終了したと発表しました。一部の登録者が登録の取消しを自主的に申請したこと、登録維持に必要なデータを提出しなかったこと、または製品登録を継続的に維持できなかったことなどを理由として、対象有効成分に関する米国農薬登録は終了されます。

米国EPAの発表によると、今後、これらの有効成分を含み、米国内で販売または使用される農薬製品は新たに製造されなくなり、関連製品は段階的に米国市場から退出する見込みです。

美国EPA.webp(出典:米国EPA)

対象となる農薬有効成分

今回、米国EPAが正式に終了した19件の農薬再評価案件には、従来型化学農薬、生化学農薬、微生物農薬および抗菌農薬など、複数の種類の有効成分が含まれています。

1. 従来型化学農薬

• メチオカルブ(Methiocarb)

• メチルパラチオン(Methyl-parathion)

• フェニトロチオン(Fenitrothion)

• フェルバム(Ferbam)

• ジクロラン(Dicloran)

• イマザメタベンズ(Imazamethabenz)

• α-クロロヒドリン(Alpha-Chlorohydrin)

2. 生化学農薬およびフェロモン製品

• シトラール(Citral)

• L-カルボン(L-Carvone)

• δ-ドデカラクトン(Delta-Dodecalactone)

• 1,7-ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン(1,7-dioxaspiro [5.5] undecane)

• 地中海ミバエ誘引剤(Trimedlure)

• N-メチルネオデカンアミド(N-Methyl neodecanamide)

3. 微生物農薬および生物農薬

• 不活化・非生存性 ストレプトマイセス・アシディスキャビエスRL-110T 株細胞および発酵残渣培地(Killed, Non-Viable Streptomyces acidiscabies strain RL-110T Cells and Spent Fermentation Media)

• ラゲニジウム・ギガンテウム(Lagenidium giganteum)

• ムスコドル・アルブス SA-13株および使用済み・未使用発酵培地(Muscodor albus strain SA 13 and Spent and Unspent Fermentation Media)

• フォーマ・マクロストマ 94-44B株(Phoma macrostoma strain 94-44B)

• アカエガマノホタケ94671株(Typhula phacorrhiza strain # 94671)

4. 抗菌農薬

• 4-tert-アミルフェノールおよびその塩類(PTAP、4-tertiary-Amylphenol and Salts)

なぜこれらの農薬有効成分は米国市場から退出するのか

米国EPAは再評価制度を通じて、登録済み農薬を定期的に再評価し、製品が現在の人の健康および環境保護に関する基準を引き続き満たしているかを確認しています。

再評価の過程では、登録者は通常、以下の法的義務を果たす必要があります。

• 米国EPAが発行するデータ提出要請(Data Call-In、DCI)に対応し、重要な安全性および残留試験データを提出すること

• 年間維持費の支払いを含め、農薬登録の維持要件を継続的に満たすこと

企業が市場性などの事業上の理由から登録取消しを自主的に申請した場合、必要なデータの作成・提出に必要な投資を行わなくなった場合、または登録維持費を期限内に支払わなかった場合、米国EPAは法定手続きに基づき、当該有効成分の再評価案件を終了することがあります。

19件の案件終了から見る米国農薬市場の規制動向

1. 登録維持コストが製品ライフサイクルの重要な判断要素に

米国EPAの登録を取得したからといって、その製品が長期的に市場での地位を維持できるとは限りません。再評価が継続的に進められる中、企業はデータ整備、リスク評価および登録維持のための取り組みに継続的な投資を行う必要があります。市場規模が限られている製品、商業的価値が低下した製品、または登録維持コストが高い旧来製品については、市場収益と登録維持に必要な投資とのバランスを継続的に評価することが求められます。

今回終了した19件の案件では、関連する登録者が登録を自主的に取り消したこと、データ要件を満たさなくなったこと、または登録を継続的に維持しなかったことにより、最終的に関連する有効成分の再評価が終了しました。これは、米国農薬市場が、製品ライフサイクルの管理と長期的なコンプライアンス維持能力をより重視する段階に入っていることを示しています。

2. 再評価終了後も既存在庫の管理に注意が必要

農薬登録の再評価手続きが終了したからといって、既存の在庫製品の販売または使用が直ちに停止されるとは限りません。すでに合法的に製造された製品について、その後の販売、流通または最終使用を継続できるかどうかは、米国EPAが個別製品について発行する登録取消し決定および関連する在庫管理要件に基づいて判断する必要があります。

対象有効成分に関連する企業は、米国EPAによる今後の規制要件を速やかに確認し、製品ライフサイクルおよび市場計画を適切に見直すことで、潜在的なコンプライアンスリスクを低減することが重要です。

企業に求められるコンプライアンス対応

1. 米国向け製品およびサプライチェーンを点検する

企業は、自社の米国向け事業の状況を踏まえ、米国へ輸出している農薬製品および関連する登録情報を速やかに整理する必要があります。製品に含まれる有効成分、原体および製剤の登録状況、米国市場における製品のコンプライアンス状況、今回終了した案件との該当性を確認し、規制要件に応じて輸出、生産および市場展開計画を見直すことが重要です。

2. 米国EPAの規制動向を継続的に確認する

企業は、製品の再評価の進捗、EPAが公表するリスク評価および規制上の決定、データ提出要請(DCI)、製品登録の維持状況を継続的に確認する必要があります。

市場規模が小さい製品や上市から長期間が経過している製品については、必要となるデータ投資、登録維持コストおよび米国市場における製品ライフサイクルを早期に評価することが重要です。

3. 製品ポートフォリオを見直し、低リスク・革新的な分野に注目する

企業は、低リスク有効成分、生物農薬、植物由来農薬および革新的な製剤などの分野に注目することができます。製品ポートフォリオを最適化し、長期的なコンプライアンス計画を整備することで、国際市場における製品の持続的な競争力を高めることが期待されます。

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注:農薬有効成分の日本語名称について、正式な公定訳が確認できないものは、原文の英語名称を併記しています。

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