中国農薬・肥料規制の最新動向 2026

中国農薬・肥料規制の最新動向 2026

2026-03-13

近年、中国では農業投入品に対する規制体系の見直しが加速しています。2025年、中国農業農村部は第3号令を公布し、「農薬登録管理弁法」「農薬生産許可管理弁法」「農薬経営許可管理弁法」「農薬登録試験管理弁法」の4制度を体系的に改正しました。これらの改定は2026年1月1日より施行され、中国における農薬登録、製造、販売および試験管理の各段階でコンプライアンス要件が一層強化されます。

同時に、農薬の環境安全評価試験基準の整備、粒剤製品の用途管理強化、高毒性農薬の使用禁止拡大など、複数の政策措置が段階的に導入される予定です。さらに、肥料分野においても登録手続ガイドラインの改訂が行われ、圃場試験の技術要件が全面的に見直されました。

これらの制度改革は、中国の農業投入品管理がより科学的かつ体系的な規制枠組みへ移行していることを示しています。REACH24Hでは、中国における農薬および肥料分野の主要な規制動向を整理し、企業が留意すべきコンプライアンス対応のポイントを概説します。

中国農薬規制体系の全面的見直し:2026年より新制度が施行、コンプライアンス要件が一層厳格化

2025年、中国農業農村部は第3号令を公布し、「農薬登録管理弁法」「農薬生産許可管理弁法」「農薬経営許可管理弁法」「農薬登録試験管理弁法」の4制度を体系的に改正しました。これらの改定案は2026年1月1日より施行されます。また、第925号公告により、農薬製品ラベルにおける原体供給元情報および商標表示に関する新要件も同日から適用されます。これにより、中国の農薬管理は各段階において規制強化が進められています。

今回の改正は、登録・生産・経営・試験の4分野に集中しており、参入要件の引き上げ、事業者責任の強化、過程管理の厳格化において方向性が明確に示されています。

REACH24Hからの提案企業において特に留意が望まれる主な対応事項は以下のとおりです。

  • 研究開発部門:新規化学物質の登録資料に関する知的財産保護を強化するとともに、市販後の安全性・有効性モニタリング体制を整備し、周期評価および登録更新に向けた高品質データの蓄積を行ってください。

  • 生産部門:原体の委託生産は即時停止が必要です。製剤の委託加工や小分けを行う場合は、責任範囲を明確化した書面契約を締結し、関連技術資料を受託側へ適切に提供してください。

  • 試験部門:すべての登録試験は事前届出が必要です。試験内容の変更がある場合は再届出を行ってください。また、増加傾向にある抜き打ち検査を対応するために、試験機関は、全工程の適合性管理を徹底する必要があります。

  • 販売部門:インターネット農薬販売事業者は、2026年1月1日から31日までの届出期間内に登録および是正を完了してください。オンラインでの制限農薬販売は禁止されています。

  • ラベル管理:新規要件に基づき製品ラベルを更新し、原体供給元および商標情報を正確に表示してください。あわせて、農業農村部が指定するシステムでの届出を完了する必要があります。

中国農薬環境安全評価試験基準の整備動向:17項目の基準が2026年より段階施行

2025年、中国国家市場監督管理総局(国家標準化管理委員会)は、第21号、第24号および第29号国家標準公告を通じて、17項目の「化学農薬環境安全評価試験準則(GB/T 31270–2025)」シリーズの推奨性国家標準を公布しました。これらの基準は、農薬の環境中挙動および生態毒性評価を中心とする技術内容を対象としており、2026年3月1日および5月1日の二段階に分けて施行される予定です。

新基準は、試験設計、データ要件および評価方法に関する具体的要件をより明確化するとともに、今後の農薬登録資料の科学性およびデータの比較可能性に対しても、より高い水準を求めています。その結果、農薬製品の登録や市場参入手続きにも影響を与えることが想定されます。

REACH24Hからの提案:企業および試験機関は、次の点に留意してください。

  • 17項目の基準に関する具体的な技術要件を確認し、社内の規制対応方針を適時見直してください。

  • 環境安全試験の委託や試験計画の確認を行う際は、試験機関が現時点のGB/T 31270–2025に基づいて実施していることを確認してください。

  • 旧試験手法の継続使用によるデータ不適合を防ぐため、社内教育および手順の見直しを進め、登録対応への影響を回避してください。

中国における農薬粒剤の管理強化:2026年末より要件不適合製品の登録取消へ

中国農業農村部は2025年5月19日、第911号公告を公布し、農薬粒剤製品に対する用途別の管理リストを導入しました。公告では以下が示されています。

  • 2026年12月1日以降、規定された用途要件に適合しない粒剤製品については、その農薬登録が取り消されます。

  • 2026年12月1日以前に生産された適合製品の在庫については、品質保証期間内に限り販売および使用が可能とされています。

本制度の導入により、粒剤という剤型は用途管理を重視する傾向に移行し、誤用や過剰使用の抑制を目的とした管理が強化されます。

REACH24Hからの提案:関連企業には、以下のような措置を推奨します。

  • 現行の粒剤登録製品を整理し、公告で示された用途要件との適合状況を確認してください。不適合製品については、登録取消または登録変更に向けた対応計画の策定が必要です。

  • 新規申請案件については、必ず事前審査を行い、作物対象、防除対象および使用方法がリスト要件に合致していることを確認してください。

  • 関連法規の動向を継続的に確認し、製品戦略および市場展開計画の見直しを即時に行ってください。

中国における高毒性農薬の使用禁止拡大:4種製剤が2026年より全面禁止

中国農業農村部第736号公告により、2026年6月1日以降、オメトエート、カルボフラン、メソミルおよびアルジカルブの4種高毒性農薬製剤について、販売および使用が全面的に禁止されます。この措置は、農薬使用量の削減と防除効果の向上を進めるとともに、農産物の品質安全および環境保全に関する管理強化も示します。

今回の規制は用途区分を問わず適用され、経過措置による適用除外は設けられていません。それは、企業に対しては在庫管理、製品構成の見直しおよび代替製品の導入計画について、一層早急な対応が求められます。

REACH24Hからの提案:関連企業には、以下のような措置を推奨します。

  • 自社製品ラインアップに当該4種製剤が含まれていないか確認してください。

  • 規制リスクおよび資産損失を回避するために、在庫管理および販売終了計画を策定してください。

  • 低毒性・高効率の代替製剤の導入可能性を評価し、登録準備および市場移行計画を進めてください。

中国肥料登録の要件を強化:圃場試験要件を全面見直し、2026年以降の新規申請に適用

2025年10月、中国農業農村部は「肥料登録手続ガイドライン」「肥料更新登録手続ガイドライン」および「肥料変更登録手続ガイドライン」を正式に改訂しました。これにより、2026年以降に提出される肥料登録申請には、より厳格な圃場試験要件が適用されることが明確化されました。新ガイドラインでは、試験設計、対照区の設定、データ収集および効果評価などの各段階について、より詳細かつ厳格な技術基準が示されており、登録製品の科学性、有効性および比較可能性の向上が図られています。

REACH24Hからの提案:

  • 2026年以降に新規肥料登録を予定している企業は、新版ガイドラインを確認し、特に圃場試験計画の設計および試験報告書作成に関する新要件を重点的に把握してください。

  • 新規則に精通した有資格の試験機関との連携を優先し、試験全体のプロセスが規制要件の適合性やデータの信頼性が確保されるようにしてください。

  • すでに実施済みで未提出の試験プロジェクトについては、追加試験や設計変更の必要性を速やかに評価し、新規則に適合しないことによる登録遅延を回避してください。

まとめ

中国では近年、農薬および肥料を含む農業投入品に対する管理制度が大きく強化されています。農薬分野では登録制度の全面改正、環境安全評価基準の整備、剤型管理の強化および高毒性農薬の段階的退出が進められています。一方、肥料分野でも圃場試験要件の見直しにより、登録審査における科学性およびデータ品質に対する要求が引き上げられています。

企業にとっては、制度改正の内容を継続的に把握するとともに、登録資料の準備、試験計画の設計、製品ポートフォリオの見直しおよびラベル管理の適合性確保など、複数の側面で早期の対応が求められます。

REACH24Hでは、各国規制の最新動向を継続的に整理し、制度解釈、文書整備、登録・申告実務まで一貫した支援を行っています。規制対応に関するご相談がございましたら、customer@reach24h.comまでお気軽にお問い合わせください



規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム