背景
日本には、化粧品と医薬品の中間に位置する「医薬部外品」という独自の区分があります。
これは、化粧品よりも人体に作用する効果が大きく、特定の効能・効果が国により認められた製品です。
日本における化粧品の定義
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に基づき、化粧品は以下のように定義されます。
「人体に塗布・擦付・噴霧・散布その他類似の方法で使用し、身体を清潔に保ち、美容を助け、皮膚や毛髪を健康に維持することを目的とした製品(効果は軽微なもの)」
主な化粧品カテゴリー例:
スキンケア(保湿剤、化粧水など)
メイクアップ(ベースメイク、ポイントメイク)
ヘアケア(シャンプー、コンディショナー)
ボディケア(ボディウォッシュ、ボディローション)
その他、肌や毛髪の清潔・美容目的製品
※治療目的や成分効能に基づく効果表示は原則不可。
日本における医薬部外品の定義
医薬部外品は化粧品と医薬品の中間領域に位置し、
「軽微な効能・効果を標榜でき、人体に対して軽微な作用で疾病予防・衛生改善・身体機能維持を目的として使用される製品」
を意味します。
主なカテゴリー例:
美白(メラニン抑制)、ニキビ・あせも予防製品
フケ・かゆみ防止シャンプー
発毛・脱毛予防製品
体臭・汗臭抑制製品
フッ素配合歯磨きなど
日本における医薬品の定義
医薬品は、
「疾病の診断・治療・軽減・予防、または身体の機能・構造に影響を与えることを目的とした製品」
であり、強い薬理作用を持つため厳格な規制を受けます。
例:
風邪薬、鎮痛薬、抗生物質
ステロイドクリーム
アレルギー治療薬 など
医薬部外品の規制要件
1. 製造業・製造販売業の許可
医薬部外品は、製造業許可を取得した工場でのみ生産可能です。
海外製造所も許可取得が必要で、工場単位での認可となります。
製造所は、構造・設備基準、衛生基準、責任技術者の配置などの基準に適合している必要があります。
市場で販売するには、別途「製造販売業許可」が必要です。
- 製造販売業許可取得の主な要件:
品質管理体制の整備(GQP)
市販後安全管理体制の整備(GVP)
総括製造販売責任者、や品質保証責任者、安全管理責任者などの法令遵守責任者を配置
2. 医薬部外品の「製造販売承認」取得
製造販売業者が医薬部外品を市場に出すには、品目ごとの承認が必要です。
海外メーカー製品を日本に輸出する場合でも、日本国内の製造販売業者を指定し、その業者を通じて承認申請を行います。
- 申請にはカテゴリーごとに必要書類が異なりますが、共通で求められる情報:
製品の物理化学的性状
有効成分の規格および試験データ
安定性データ など
3. 市販後の管理
出荷後も製造販売業者による品質管理体制の維持が法律で義務付けられています。
出荷管理、製造所管理、安全管理、品質確保など、包括的な管理システムの運用が必要で、必要に応じて回収・報告の手順も運用されます。
医薬部外品登録の流れ
製品事前評価
効能・効果の適合性および成分確認
既存承認事例・申請区分確認
製造販売業許可取得
自社取得または委託可能
試験戦略の策定および資料準備
微生物試験、毒性試験など必要に応じて実施
製造販売承認申請
成分・規格・試験データなど、品目審査資料提出
承認取得後、製品市場投入
市販後安全管理(報告・回収プロセスなど)実施
提供可能なサービス
製品の医薬部外品適合性評価
製造販売承認申請のフルサポート
日本国内製造販売業者としての委託業務
市販後安全管理(GVP)支援
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 当社製品が医薬部外品かどうか判断できますか?
はい。効能・効果表現、有効成分や添加物の適合性をもとに、事前技術的妥当性の検討が可能です。
不足がある場合は、処方補完のガイド提供や、別の製品タイプで販売可能かの判断サポートも行います。
Q2. 医薬部外品承認までどれくらいかかりますか?
製品タイプやデータの充足度によりますが、最も簡単なカテゴリーで9〜12ヶ月程度です。
新規成分の使用などの場合は、さらに期間が延びることがあります。
Q3. 医薬部外品のラベル表示要件は?
医薬部外品は、一般の化粧品とは異なり、以下の事項を必ず表示する必要があります。
有効成分を明確に区別し、正確な含有量を記載
承認された効能および使用方法を明示
その他法定項目を遵守
有効成分や製品タイプごとの詳細表示規定は、各効能群別の告示で定められています。
違反した場合、医薬品誤認表示として行政処分の対象となります。
