米国化粧品・OTC医薬品規制
2026年9月10日、米国食品医薬品局(FDA)は、米国のOTC日焼け止め有効成分モノグラフを改訂し、Aminobenzoic Acid(PABA、CAS RN 150-13-0)およびTrolamine Salicylate(TEA-Salicylate、CAS RN 2174-16-5)を正式に削除しました。
これは、FDAが2026年6月9日にOTC日焼け止めモノグラフを改訂して以来、同モノグラフに対して行われた新たな変更です。詳しくは、2026年6月の米国OTC日焼け止めモノグラフの更新情報もご覧ください。
FDAは、現在入手可能な安全性データだけでは、PABAおよびTrolamine Salicylateが日焼け止め有効成分としてGRASE(Generally Recognized as Safe and Effective、一般に安全かつ有効と認められる)の基準を満たすことを裏付けるには不十分であると判断しました。
FDAが2つの日焼け止め有効成分を削除した理由
FDAは、PABAについて、アレルギー反応や光アレルギー反応との関連性に加え、経皮吸収などの安全性上の懸念があると指摘しています。
Trolamine Salicylateについても、日焼け止め有効成分としての有用性を上回るリスクがあるとFDAは判断しています。具体的には、胃腸障害、出血リスク、耳毒性(聴力障害)、アレルギー反応、喘息の悪化などが挙げられます。
そのため、FDAは両成分を既存のOTC日焼け止め有効成分モノグラフから削除することを決定しました。詳細は、OTC日焼け止めに関するFDAの規制措置Q&A(英語)をご確認ください。
日焼け止め製品に関するコンプライアンス上の注意点
今回の改訂に関する最終行政命令(final administrative order)は、2026年9月10日に公表され、2027年9月11日に発効します。企業には、処方および上市戦略を見直すための一定の準備期間が残されています。
1. 米国向け日焼け止め製品の見直し
米国では、日焼け止め製品は医薬品として規制されています。製品に含まれる有効成分がOTCモノグラフの収載成分に該当しない場合、またはモノグラフの要件を満たさない場合、その日焼け止め製品をOTC製品として米国市場に上市することはできません。
現在、PABAまたはTrolamine Salicylateを使用した日焼け止め製品を販売している企業は、対象製品の処方および米国での上市状況を速やかに確認し、必要に応じて処方を見直すことが推奨されます。
2. EUおよび中国における規制状況
EU
Aminobenzoic Acid(PABA)は、EUでは化粧品禁止原料リスト(Annex II、項目167)に収載されています。Trolamine Salicylateは、サリチル酸塩の一種として、使用可能な防腐剤リスト(Annex V、項目3)に収載されていますが、日焼け止め剤として使用することはできません。
中国
Aminobenzoic Acid(PABA)は、中国では化粧品禁止原料に該当します。Trolamine Salicylateは、サリチル酸塩の一種として、中国の化粧品使用制限原料リストに収載されています。
背景情報
今回の改訂は、FDAが2021年に公表した、OTC日焼け止め医薬品モノグラフの改訂に関する行政命令案(Proposed Administrative Order OTC000008 Amending Over-the-Counter Monograph M020)を踏まえた部分的な更新です。
これは、FDAによる日焼け止めモノグラフの見直しが現在も継続していることを意味します。FDAは、その他の日焼け止め有効成分のGRASE該当性、最高SPF値、Broad Spectrum要件、製品剤形、ラベル、最終製品の処方検査および記録保存、日焼け止め剤と防蚊剤を組み合わせた製品などについて、今後公表される行政命令でさらに取り扱う予定としています。
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