2025 年 11 月現在、インドネシアの総人口は約 2 億 8600 万人に達し、世界第 4 位の人口規模を維持しています。国民の年齢中央値はわずか 30.4 歳、都市化率は約 59.6%となっています。化粧品市場の全体規模は 96 億~100 億米ドルに達すると予測され、うちメイクアップ及び高級スキンケア部門の売上高は約 20 億 9000 万ドルです。インドネシアは東南アジアで最も活力のある美容市場の一つとなっています。
「インドネシア化粧品通知サービス(BPOM)」でも紹介した通り、インドネシアは「ASEAN化粧品指令(ASEAN Cosmetic Directive, ACD)」の署名国であり、同国で販売される化粧品は上市前の製品通知を行う必要があります。通知要件に加えて、インドネシアは、製造や輸入、製造管理および品質管理の基準(GMP)、成分請求、ラベル、効能表示、広告、PIF(製品情報ファイル)、化粧品の上市後管理を含む包括的な化粧品規制の枠組みを確立しております。さらに、インドネシアで販売される化粧品にはハラール(Halal)認証が必要です。2026年10月17日以降、ハラール認証は、各国の事業者がインドネシアで化粧品を販売するための義務的な要件となります。
REACH24Hは、インドネシアに現地法人とコンプライアンス・チームを有しており、その中にはハラール監査員の能力認定を取得したメンバーも含まれています。これにより、企業の皆様に対し、配合や包装の審査、製品通知の申請窓口、製品通知そのもの、PIF文書の作成などのサービスを提供するとともに、ハラール認証の取得をサポートいたします。
本稿では、REACH24Hが、インドネシアにおける輸入化粧品の製品通知およびハラール認証に関して、よくある質問を具体的に回答いたします。
Q1. インドネシアにおいて、どのような製品が化粧品に分類されないのでしょいうか?
インドネシアにおける化粧品の定義は「ASEAN化粧品指令」に従います。製品の核心的な目的が、単なる清掃、美化、外観の改善ではなく、治療、薬用、または生理機能の調節である場合、その製品は化粧品に該当しません。
例えば、ニキビ治療薬として「ニキビを治す」と謳う製品や、特定濃度の薬理成分を含む製品は、医薬品に分類される可能性があります。同様に、「発毛を促進する」と主張する強力な育毛剤は、通常、医薬品と見なされ、より厳格な臨床データの提出が求められます。
また、インドネシアのBPOM(医薬品食品監督庁)の定義によれば、化粧品は人体の外部に使用する製品(皮膚、髪、爪、唇、歯、口腔粘膜など)に限定されます。したがって、この外部使用の範囲を超える製品、例えば注入製品(ボツリヌストキシンなど)や、マイクロニードルや侵襲的な方法での使用を必要とする製品は、インドネシアでは化粧品として分類されることを許されません。
Q2. 化粧品の製品通知は、必ずインドネシア現地の企業が行う必要がありますか?
インドネシアの化粧品規則によれば、化粧品の製品通知はインドネシアの現地企業が完了させる必要があります。したがって、輸出者は、現地に子会社を設立するか、信頼できる経験豊富な現地の販売代理店を見つける必要があります。自社で子会社を持たない場合、第三者機関が通知保持者(届出責任者)となることで、貿易の柔軟性を高めることができます。
Q3. 製品通知のプロセスにはどのくらいの期間がかかりますか?
化粧品の通知を行うには、まず通知企業が「Notifkos」システムにアカウントを事前登録する必要があります。このアカウント登録には2~3ヶ月を要します。
Notifkosアカウントの登録完了後、いよいよ化粧品の通知手続きに入ります。通知に必要な書類はオンラインで提出され、支払いが完了すると、申請者は通知ID番号を取得できます。このプロセスには通常3~4ヶ月かかりますが、これは通知対象製品に関わる製造事業者の数や、SKU数によって変わります。
Q4. 化粧品にはインドネシア語のラベルを準備する必要がありますか?
インドネシアに輸出される化粧品には、インドネシア語を含むラベルの準備が必須です。これは、BPOMの最新規則およびインドネシアの『消費者保護法』によって義務付けられている市場参入条件です。製品の機能や用途、使用方法、警告や注意事項などの中核的な情報は、インドネシア語に翻訳して表示しなければなりません。
Q5. 化粧品の原料は、どのような基準に従う必要がありますか?特別な要件はありますか?
インドネシアにおける化粧品の原料は、「ASEAN化粧品指令」およびBPOMが最近発表した2025年第25号条例に従わなければなりません。具体的には、使用制限原料、使用許可着色剤、使用許可防腐剤、使用許可紫外線吸収剤、使用禁止原料の 5 区分で規定されています。
さらに、原料はハラール適合性の要件を満たさなければならず、強い薬理作用を持つ成分(例えばレチノイン酸、ハイドロキノン、ステロイドなど)を化粧品に添加することは厳しく禁止されています。
Q6. 化粧品の製品通知に際し、公式に費用は発生しますか?
はい、インドネシアでは化粧品の通知は公式に費用が発生します。
非ASEAN諸国製造品:SKU ごと 1,500,000 IDR
ASEAN加盟国製造品:SKU ごと 500,000 IDR
Q7. 配合に使用する成分が、インドネシアのNotifkosシステムに登録されていない場合でも使用できますか?
Notifkos に登録・届出が完了していない成分は、化粧品に使用する前に、インドネシア当局による科学的評価と承認を得る必要があります。
Q8. インドネシアのハラール認証は、製品に対して行われるものですか、それとも工場に対して行われるものですか?
インドネシアのハラール認証は、製品と工場の両方に対して行われます。認証の直接対象は製品であり、工場及びその管理体制はハラール適合性を維持するための基盤となります。
認証プロセスでは、BPJPH(ハラール製品保証実施機関)は、製品を構成する全ての成分(主原料、副原料、添加剤、さらにろ過助剤活性炭などの加工助剤)を審査します。同時に、工場のハラール保証体制が適切かどうかも審査します。つまり、監査人は工場を実地訪問し、原料倉庫、生産ライン、洗浄工程、完成品の保管、さらには物流プロセスまでを検査し、非ハラール物質(Najis)による交差汚染のリスクがないことを確認します。
Q9. インドネシアのハラール認証には、どのような2つの経路がありますか?
1つ目は、「一般自主申請型ハラール認証」 です。これは、企業がBPJPHとの相互承認手続きを行っていない場合の経路です。このサービスでは、LPH(ハラール検査機関)が専門の監査人を工場に派遣し、実地監査を実施します。製品の成分や製造工程に変更がない限り、この認証は生涯有効です。
2つ目は、「外国ハラール認証の登録」 です。これは、企業が既にBPJPHとの相互承認手続きを行っている場合の経路です。企業は「SIHALAL」システム上で書類を提出し、外国ハラール認証の登録番号を取得する必要があります。相互承認協定の定めに従い、1 年~3 年の有効期間となります。
Q10. インドネシアのハラール認証には有効期限がありますか?
企業が取得した認証の経路によって異なります。通常自主ハラール認証は、製品の成分や工程に変更がない限り、生涯有効です。一方、外国ハラール認証の登録の場合、有効期間は相互承認協定に基づき1年から3年です。
Q11. 香水やその他のエタノールを含む化粧品でも、ハラール認証を取得できますか?
はい、可能です。 エタノールが酒類製造業由来ではない場合、これらの製品もハラール認証を取得できます。2018年のMUI(インドネシア・ウラマー評議会)第11号法令によれば、特にエタノールを含む化粧品は、そのエタノールがkhamr(アルコール飲料)またはkhamr産業に由来しない限り、許可され、ハラール認証を取得することができます。
Q12. 2026 年 10 月 17 日までの間、ハラール認証未取得の化粧品に「非ハラール」表示を付けて販売することはできますか?
現時点では、明確に豚肉やその派生製品を含む製品を除き、「非ハラール」表示の使用に関する公式ガイドラインは定められていません。その他製品カテゴリーについても、関連条例に明確な規定は設けられていません。2025 年 11 月時点において、「非ハラール」表示は実務上代替手段として認められていません。BPJPH の現方針としては、事業者が「非ハラール」区分に分類されることを待つのではなく、主体的にハラール認証の準備・取得を行うことを推奨しています。
以上が、インドネシアにおける化粧品のBPOM製品通知とハラール認証に関する主要な解説となります。REACH24Hは、インドネシア現地の専門チームとして、お客様の円滑な市場参入を総合的にサポートいたします。
関連セミナー・イベント
近年、日本の化粧品企業によるASEAN市場への輸出需要が拡大する中、複数国にまたがるコンプライアンス管理の重要性が高まっています。ASEAN各国では、ACDを共通基盤としながらも、製品登録、表示、広告、ハラール要件などにおいて依然として違いが存在します。
2026年6月17日(水)15:00-16:00(日本時間)、REACH24Hは 「ASEANの化粧品規制概要:最新情報と遵守ポイント」 ウェビナーを開催します。REACH24H JAPAN株式会社の袁天谷社長が、ASEAN規制の全体像、主要国における最新の規制アップデート、さらにインドネシアのハラール認証要件とその実施状況について詳しく解説します。本ウェビナーを通じて、企業の皆様が最新の規制変更を的確に把握し、ASEAN市場へのコンプライアンス対応を円滑に進めるための実践的なヒントを提供します。

