アジア太平洋市場においては、医薬部外品規格の改訂、化粧品用途区分の見直し、新原料管理制度の調整、PIF制度の全面施行、安全性評価制度の導入検討、越境購入品の管理強化、ならびにハラール認証義務など、複数の制度変更が同時期に進んでいます。
REACH24Hでは、これらの動向を整理し、各国・地域における今後の対応検討のための参考情報としてご紹介します。
日本医薬部外品原料規格の改訂が施行
2025年3月21日、厚生労働省(MHLW)は「医薬部外品原料規格2021」(外原規)の改訂を公表しました。今回の改訂では、一般試験法15項目の更新および医薬部外品原料222品目の規格見直しが行われました。また、医薬部外品の製造販売承認申請に関する要件も、新規格との整合を確保するため同時に調整されています。
この改訂は公布日より施行され、2026年9月30日までの猶予期間が設けられ、当該期間中は、企業は改訂前の旧規格を継続適用することが可能です。ただし、2026年10月1日以降は、関連製品は改訂後の外原規に適合する必要がある。
中国5種類の旧「特殊用途化粧品」が上市禁止:2026年1月1日より施行
2026年1月1日より、育毛、脱毛、バストケア、スリミング、体臭防止とする五類の旧特殊用途化粧品については、製造、輸入および販売が認められません。
中国化粧品新原料の登録・登記分類に関する技術要件が最適化
2025年9月24日、中国食品医薬品検定研究院(略称:中検院)は、「化粧品新原料登録登記資料技術ガイドライン(意見募集稿)」およびその草案の説明を公表しました。今回の文書は、新原料の登録・登記における分類別技術要件の最適化を目的とするものです。
この意見募集稿では、化粧品新原料の適用情形区分が見直されており、特に脱毛防止、にきび防止、しわ改善、フケ防止、体臭防止などの中リスク効能区分に変更が加えられました。これに伴い、該当する毒性学試験項目の資料要求が緩和されています。
一方で、防腐、紫外線防御、着色、染毛などの高リスク効能については、特定の毒性学試験項目に関し、企業が十分な科学的根拠および研究データを提出する場合に限り、資料要件の一部免除が認められる仕組みが示されています。
中国化粧品新原料に関する規制およびガイドラインが間もなく公表
2025年12月11日、中検院は「植物由来化粧品の新原料命名に関する技術ガイドライン(意見募集稿)」、「発酵由来原料の新化粧品原料命名に関する技術ガイドライン(意見募集稿)」及び草案の説明を公表しました。
2025年12月24日、国家薬品監督管理局は「化粧品新原料登録・届出資料管理規定(修訂草案・意見募集稿)」の起草を主導しました。意見募集期間は2026年1月25日までです。
中国化粧品製品情報ファイル(PIF)に関する要件が2026年7月1日より全面的に施行
「製造または輸入業者が製品情報ファイルを作成すべき化粧品の種類及び実施日」および「化粧品製造場所が化粧品の適正製造準則(GMP)に適合すべき化粧品の種類及び実施日」に関する公告に基づき、2026年7月1日より、すべての化粧品は製品情報ファイル(PIF)およびGMPのコンプライアンス要件を満たす必要があります。ただし、工場登録が免除されている固形手工せっけんを製造する化粧品製造場所で生産された製品は、この義務の対象外です。
中国「化粧品成分使用制限表」改正案の公表:移行期間終了へのカウントダウン
2027年10月1日、「化粧品成分使用制限表」の改正案が施行されます。施行日は2027年ですが、今回の改正案では2027年9月30日以前に製造または輸入された化粧品については、その表示されている保存期限内で引き続き販売することが可能と規定されています。
これにより、企業は2026年から2027年9月30日までの移行期間において、旧処方の「ライフサイクル」を十分に考慮した生産計画を立てる必要があります。特に、規制対象となる成分を含む旧処方については、この移行期間を活用し、計画的に在庫消化を進めることが推奨されます。
韓国化粧品安全性評価制度の導入を検討
2025年9月、韓国の国会議員は「化粧品法」の改正案2件を提出しました。1件は強制的な化粧品安全性評価制度の導入を目的とするものであり、もう1件は執行措置を「行政基本法」と整合させることを目的とするものです。
2025年9月10日には、韓国食品医薬品安全処(MFDS)が政策説明会および業界向け意見交換会を開催しました。会議では、今後導入予定の強制化粧品安全性評価制度に関する初期草案の内容が公表されました。
MFDSによると、今回の制度はEU制度に類似した市販後監督モデルを採用し、段階的に実施する方針であると説明しています。安全性評価関連文書は、安全性情報、安全性評価結果、安全性評価担当者の署名および資格証明という三つの部分で構成されます。文書に関する具体的な要求事項については、今後の公告およびガイドラインにより明確化される予定です。
韓国、海外直接購入化粧品に対する規制を強化へ:2026年4月2日より施行
「2025年4月1日に韓国で公布された「化粧品法」改正案では、海外直接購入(個人輸入)化粧品に対する規制枠組みの強化が重点事項とされています。改正案では、当該製品を「海外の電子商取引プラットフォームを通じて購入され、かつ自己使用を目的とする化粧品」と明確に定義しています。韓国食品医薬品安全処(MFDS)は、関連する管理規定の策定を担当し、リスク情報の公開や現地監督検査などの措置を通じて、品質管理の強化を図るとしています。
関連条項は2026年4月2日より正式に施行される予定です。
インドネシア化粧品のハラール認証要件施行:2026年10月17日までに取得が必要
インドネシア政府が公布した「ハラール製品保証実施規則」という2024年政府規則第42号に基づき、食品、飲料、伝統医薬品、サプリメント、化粧品、化学製品、遺伝子組換え製品および消費財を対象として、2026年10月17日までにハラール認証を完了することが求められています。
まとめ
本稿で整理したとおり、アジア太平洋地域では、成分管理、原料登録制度、製品情報管理、安全性評価、流通形態別規制および宗教認証要件など、多層的な規制強化が並行して進んでいます。各制度は施行時期や移行措置が異なるため、企業においては製品ライフサイクル、処方構成、販売形態および対象市場を踏まえた段階的な対応検討が重要となります。
REACH24Hでは、各国規制の最新動向を継続的に整理し、制度解釈、文書整備、登録・申告実務まで一貫した支援を行っています。規制対応に関するご相談がございましたら、customer@reach24h.comまでお気軽にお問い合わせください。
