中国危険化学品における違反のリスク解析|登録・許可・倉庫保管等

中国危険化学品における違反のリスク解析|登録・許可・倉庫保管等

2026-06-02

『中華人民共和国危険化学品安全法』2026年5月1日に正式施行され、化学品管理法規が「条例」から「法律」へと昇格しました。これにより、中国の危険化学品規制は全面的かつ厳格な監督の新段階に入りました。


現在、危険化学品分野で頻発する違法行為は、主に以下5つに集中しています。


❌ 危険化学品登録を実施していない


❌ 危険化学品営業許可を取得せず営業を行う


❌ 危険化学品営業許可の変更を規定通り申請していない


❌ 危険化学品を専用倉庫に保管していない


❌ 危険化学品保管プロジェクトを、条件・資格を有しない事業者に請け負わせる


企業にとって、これらの問題は単なる「手続の瑕疵」ではなく、営業資格・倉庫保管条件・安全管理責任につながる核心的なコンプライアンス事項です。企業が自発的にリスクを把握し、コンプライアンス能力を高められるよう、REACH24Hが上記の頻繁に発生する違反類型を体系的に整理しました。

輸入危険化学品の登録未実施


『危険化学品安全法』に基づき、危険化学品の生産企業・輸入企業は、危険化学品登録機関で登録を実施しなければなりません。登録を怠ると罰金が科され、直接責任を負う管理者・担当者にも罰金が課されます。情状が深刻な場合は、生産・営業停止整備を命じられます。


注意点


多くの企業には、「登録義務があるのは生産企業だけ」という誤解が見られます。しかし法規上、登録義務は生産企業と輸入企業の両方に明確に課せられています。


また、危険化学品に該当するかどうかは、製品名や用途だけで判断できません。『危険化学品目録(2015版)』及び実施ガイド、SDS、危険特性分類結果に基づき、危険化学品確定原則に該当すれば、登録義務が発生します。


対応策

  • 輸入前に判定:輸入予定製品を『危険化学品目録(2015版)』、実施ガイド、SDSで属性を確認

  • 「確定原則」に注意:混合物や危険特性が不明な製品は、鑑定分類を実施

  • 輸入前コンプライアンス審査リスト作成:危険化学品登録を調達・法務・EHS・サプライチェーンの合同審査プロセスに組み込む

  • 登録情報を随時更新:新たな危険特性が判明した場合、速やかに登録内容を変更

営業許可未取得による危険化学品営業


『危険化学品安全法』に基づき、危険化学品の営業(倉庫保管営業を含む)には許可制度が適用されます。許可を取得せず営業を行うと、営業停止を命じられ、違反対象の危険化学品及び違法所得が没収されます。


注意点


判断基準は明確です。「保管代行+料金徴収」は単なる物流サービスではなく、危険化学品倉庫保管営業と認定される可能性があります。危険化学品の売買を行わなくても、保管代行で料金を受け取る場合は、倉庫保管営業許可の対象となります。


また、「保管施設なし営業」の許可を保有していても、実際に保管を伴う営業を行えば、許可範囲超過営業とみなされ、無許可営業のリスクが生じます。


対応策

  • 営業形態と実務の一致を確認:ペーパートレード、保管付き営業、倉庫保管営業で規制要件が異なる

  • 「保管代行」を普通物流とみなさない:危険化学品保管で料金を徴収する場合は、倉庫保管営業許可の要否を評価

  • 倉庫使用前に資格を確認:施設条件、許可範囲、消防・緊急管理要件を確認

  • 付随する安全問題を同時に点検:避難通路・出口の確保、区分保管などを確認し、複数違反を防ぐ

保管プロジェクトを条件・資格なき事業者に請け負わせる


『中華人民共和国安全生産法』に基づき、生産経営単位は、生産経営プロジェクト・施設・設備を、安全生産条件または資格を有しない事業者・個人に請け負わせ、賃貸してはなりません。違反すると期限付き是正、違反所得没収、罰金が科され、直接責任者にも罰金が課されます。


注意点


危険化学品コンプライアンスでは、「外部委託=責任免除ではない」 が基本原則です。倉庫保管・小分け・荷役などを外部委託しても、責任は移転されません。受託者に資格・条件がなければ、委託者も責任を追及されます。


対応策

  • 受託者の審査制度を構築:許可・倉庫条件・人員能力・緊急管理能力を重点的に審査

  • 調査記録を保管:許可証、施設資料、安全評価、現場審査記録などを保管

  • 契約で安全責任を明記:ただし、契約約定で法定責任を代替できない

  • 定期的に再審査:受託者の資格・現場条件は「一度審査すれば永続的」ではない

危険化学品を専用倉庫に保管していない


『危険化学品安全法』に基づき、危険化学品は専用倉庫・専用敷地・専用保管室に保管し、専任者が管理しなければなりません。


注意点


「数量が少ない」「一時保管」「普通倉庫に置くだけ」は免責理由になりません。対象物が危険化学品であれば、保管施設は法規要件を満たす必要があります。


実務上、企業が見落としやすい高リスクケースが2つあります。


  1. 普通原料として管理しているが、実際は危険化学品である製品

  2. 研究開発・試作・副資材・接着剤・アルコール類を普通倉庫に一時保管するケース


対応策

  • 物質の危険分類を先に確認し、保管方式を決定:製品名・用途だけで判断しない

  • 倉庫内の全物質を棚卸:アルコール、接着剤、硬化剤、洗浄剤、離型剤などを重点的に確認

  • 専用倉庫の範囲を明確:普通倉庫・完成品倉庫・原料倉庫は危険化学品専用倉庫の代替にならない

  • 専任管理と台帳制度を徹底:入出庫・在庫・区分・相溶性管理を実施

営業許可の変更を規定通り申請していない


『危険化学品営業許可証管理弁法』第14条に基づき、営業許可取得企業が社名・主要責任者・登録住所・保管施設及び監視措置を変更する場合、変更日から20営業日以内に書面で変更申請しなければなりません。未申請の場合は期限付き是正、罰金が科されます。


注意点


許可証変更の違反は、罰金額が比較的低いように見えますが、許可情報の虚偽・継続的コンプライアンス管理の脆弱さを反映します。年次審査や抜き取り検査、事故調査、サプライチェーン上の審査において情報の不一致が発覚した場合、より広範なコンプライアンス調査が行われることが多くなります。


対応策

  • 許可証情報を連動管理:営業許可証、内部承認文書を同期更新

  • 変更リマインダーを設定:法人代表・主要責任者・登録住所・保管施設の変更時にコンプライアンス審査を即時実施

  • 20営業日の期限を管理:内部手続きの遅延による期限超過を防ぐ

  • 変更申請・提出記録を保管:監督調査に備える

REACH24Hからの注意喚起


上記の核心リスクから、危険化学品規制の重点は登録・許可・倉庫保管・外部委託管理・許可証変更といった基礎的かつ重要なコンプライアンス項目に集中しています。特に、規制は「事故の有無」だけでなく、参入ライン・倉庫保管ライン・管理ラインへの抵触を重視しています。


企業は、以下3点を中心に速やかに自社点検を実施することを推奨します。

  • 登録:生産・輸入製品の登録要否を確認

  • 許可:実際の営業形態と許可証記載内容の一致を確認

  • 倉庫保管:危険化学品の専用倉庫保管、外部委託先の資格確認


これらの手続きを調達・輸入・倉庫保管・外部委託の決定前に実施すれば、多くの処罰リスクを事前に回避できます。

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
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