中国、GB 15258「化学品安全ラベル作成規定」の改正報批稿を公表

中国、GB 15258「化学品安全ラベル作成規定」の改正報批稿を公表

2026-09-22

中国GHS規制アップデート

中国工業・情報化部(MIIT)は、2026年9月12日から18日まで、強制国家標準GB 15258「化学品安全ラベル作成規定」の承認申請用最終案(中国語:報批稿)について意見募集を実施しました。今回の改正案は、現行のGB 15258-2009に代わるものとして、化学品の識別情報、小容量容器、折り畳み式ラベル、組合せ包装および化学品キットの表示要件などを見直す内容です。

2026年9月22日時点で、改正版はまだ正式に公布・施行されていません。報批稿の公布日と施行日は空欄であり、編制説明で提案されている12か月の移行期間も確定事項ではありません。中国向けに化学品を輸出する日本企業は、直ちにラベルを切り替えるのではなく、最終版の公布を見据えて、現行の中国語SDS、ラベル内容、包装仕様の整合性を確認しておくことが重要です。

改正報批稿の要点

現在の位置付け:正式公布・施行前の承認申請用最終案

主な変更:危険化学品安全情報コードに関する規定の削除、簡易ラベルの対象を500 mL以下に拡大

企業対応:現時点でラベルを切り替えず、SDS・ラベル・包装仕様の事前確認を進める

今回の改正案で押さえるべきポイント

危険化学品安全情報コードに関する規定を削除

以前の意見募集稿に含まれていた危険化学品安全情報コードに関する規定は、今回の報批稿から削除されました。最終版でもこの変更が維持されれば、ラベル設計や切替作業で対応すべき要素が一つ減る可能性があります。ただし、製品に別途適用される情報コード関連要件の有無は個別に確認する必要があります。

国連GHS改訂第11版を参照

編制説明によると、今回の改正案は国連GHS改訂第11版を参照しています。以前の意見募集稿では改訂第10版が参照されていました。ラベル要素は引き続き、中国のGB 30000シリーズに基づく分類・表示と関連付けられます。

化学品名称と混合物成分の表示

報批稿では、化学品の化学名または一般名を中国語でラベルの上部の目立つ位置に表示し、必要に応じて英語名を併記する案が示されています。中国語名と英語名はSDSの記載と一致させ、多言語ラベルでは、中国語の化学品名称を外国語表記より小さく表示しないこととされています。

混合物については、危険有害性分類に寄与する主要成分と、その濃度または濃度範囲を5成分を上限として表示する案です。営業秘密に該当する成分は名称を省略できる一方、その危険有害性と対応する注意事項は引き続き表示する内容となっています。

供給者情報と24時間緊急相談電話

供給者情報には、「製造者」「販売者」など該当する立場を明記したうえで、名称、住所、郵便番号、電話番号を表示する案です。また、製造者の24時間化学事故緊急相談電話、または製造者・輸入者が委託するサービス機関の24時間電話番号を記載し、SDSを参照する旨の表示を別途設ける内容となっています。

危険有害性情報とラベルの作成要件

ピクトグラムと危険有害性情報は、物理的危険性、健康有害性、環境有害性の順で配置する案です。環境有害性の表示では環境ピクトグラムを感嘆符より前に置き、健康有害性ですでに感嘆符を使用している場合は、環境有害性のために重複表示しない内容となっています。

該当する危険有害性情報はすべて表示する案です。注意書きは化学品の実際の状況に応じて組み合わせや調整が可能ですが、中核となる注意書きは削除できない内容となっています。ラベル外枠は黒色、または背景と明確に区別できる色とし、印刷および粘着材料には明瞭性、耐久性、防水性を求めています。ピクトグラムは白地に黒いシンボル、赤枠を基本とし、中国国内で使用する場合は黒枠も認める案です。

500 mL以下の容器に簡易ラベルを拡大

報批稿では、容量500 mL以下の容器に簡易ラベルを使用できる案が示されています。簡易ラベルには通常、化学品識別情報、ピクトグラム、シグナルワード、危険有害性情報、緊急電話番号、供給者の名称・電話番号、SDSを参照する旨の表示を残します。容器容量に応じて、さらに表示項目を削減できる案も示されています。

容器容量報批稿で認められる簡易表示
100 mL超~500 mL以下上記の簡易ラベル要素を表示
10 mL超~100 mL以下上記の簡易ラベル要素を表示。化学品識別情報から混合物の成分情報を省略可能
5 mL超~10 mL以下化学品識別情報、ピクトグラム、供給者名称、SDSを参照する旨の表示
5 mL以下化学品識別情報のみ

100 mL以下の容器では、混合物の成分情報を省略できる案です。ただし、外装には全ラベル要素を含むラベルを貼付、印刷またはタグ付けする案となっており、内容器の表示を簡略化しても、外装表示まで省略できるわけではありません。

折り畳み式ラベルと化学品キット

包装の形状、寸法、使用条件により通常のラベルを貼付できない場合、折り畳み式ラベルを使用できる案です。表紙、内側ページ、直接包装に固定するベース部分を合わせて、必要なラベル要素をすべて表示します。また、想定される使用期間中に確実に固定され、繰り返し開閉しても剥離・脱落しない構造を求める内容となっています。

組合せ包装(内装と外装からなる包装)では、内装と外装の双方に安全ラベルを表示する案です。化学品キットでは、各内装容器にも個別の安全ラベルを表示する案となっています。外装スペースが不足する場合は、キット全体のラベルとして、少なくともキット名、シグナルワード、ピクトグラム、保管に関する注意書き、供給者情報、緊急電話番号、および同梱された必要事項をすべて記載した安全ラベルを参照する旨の表示を記載する方式が示されています。

日本企業が今から確認すべき4項目

1分類・SDS・ラベル情報の整合

化学品名称、混合物組成、危険有害性情報、注意書きを、適用されるGB 30000シリーズおよび報批稿と照合します。中国語SDSとラベルで名称や分類結果が一致しているかを確認してください。

2包装仕様の整理

容器容量ごとに、通常ラベル、簡易ラベル、折り畳み式ラベル、組合せ包装、化学品キットのいずれに該当するかを整理し、外装に必要な情報を表示できるか確認します。

3サプライチェーン内の責任分担

供給者情報と24時間緊急相談電話を確認します。報批稿第6.3.2条では、製造者は出荷前、輸入者は通関前にラベルを表示する案が示されています。ラベルの作成、承認、貼付を誰が担当するか、サプライチェーン内で事前に確認しておくことが重要です。

4最終版に合わせた切替計画

ラベルテンプレート、印刷材料、在庫量を確認しつつ、現行要件への適合を継続します。改正版の正式な公布日、施行日、移行措置が確定してから、実際の切替時期を決定してください。

今後の手続と企業対応

MIITによる報批稿の意見募集は、2026年9月18日に終了しました。今後も審査および正式公布の手続が残っています。企業は、最終文書の内容に加え、施行日と、編制説明で提案されている12か月の移行期間が正式に採用されるかを継続して確認する必要があります。

中国向けSDS・ラベル対応におけるREACH24Hの支援

報批稿の編制説明には、杭州瑞欧科技有限公司(REACH24H)が標準改正の参加機関として記載されており、標準内容の検証および技術討議に参加しています。REACH24Hは、中国向けSDS・GHSラベルの作成、既存文書の整合性確認、包装仕様に応じたラベル内容の検討、関連規制の解釈を支援します。

CRAC Japan 2026で最新動向を解説

2026年10月14日に東京で開催されるCRAC Japan 2026では、中国応急管理部危険化学品登記センター(NRCC)のシニア専門家が、GB 15258「化学品安全ラベル作成規定」改定の最新進捗について講演する予定です。詳しくは、CRAC Japan 2026のプログラムと申込情報をご確認ください。

中国向けSDS・GHSラベルの事前確認を進めませんか

対象製品、既存の中国語SDS、容器容量および包装形態をご用意いただくと、改正案を踏まえた確認事項を整理しやすくなります。

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