このほど、REACH24Hの韓国法人は、韓国の国立化学物質安全院(NICS)が主催する「登録化学物質情報公開説明会」に出席しました。
本稿では、説明会で入手した最新情報を踏まえ、登録化学物質情報が公開される具体的な手続きと、営業秘密の保護対策について詳しく解説します。
公開される情報
K-REACH施行規則第51条第2項に基づき、韓国で登録を完了した化学物質については、複数の重要情報を法令に従って公開する必要があります。
公開対象には、以下の情報が含まれます。
説明会で特に強調された点として、これら情報は申請者が提出した登録ドシエの記載内容をもとに、原則、一切の修正を行わず提出内容のまま公開され、外部が閲覧可能となります。
優先既存化学物質(PEC)の情報公開計画
2025年8月7日以降に登録が完了した化学物質については、関連情報の公開がすでに継続的に進められています。
一方、同日より前に登録を完了した化学物質は件数が非常に多いため、今回の説明会では、早期に登録された優先既存化学物質(PEC)の情報公開手続きについて重点的な説明が行われました。
今後、この公開手続きは、すべての既存化学物質および新規化学物質へ段階的に拡大される予定です。
主要段階 | 実施時期 | 主な内容 |
事前確認期間 | 2026年7月6日~8月31日 | 当局はシステム上にプレビュー画面を開放し、企業は公開予定内容に営業秘密に該当する情報が含まれていないか確認可能です。 |
資料保護申請 | 2026年8月~11月 | 公開予定情報に営業秘密が含まれる場合、企業はこの期間中に資料保護申請を提出する必要があります。 |
正式公開 | 2026年12月 | PECに関する登録情報が正式に一般公開され、外部から検索できるようになります。 |
今後の予定 | 2027年以降 | 一般既存化学物質の情報を段階的に公開します。 |
また、プレビュー閲覧権限は登録形態によって区分されます。PEC 及び既存化学物質の共同登録の場合、公開予定情報の閲覧権限はリード登録者(Lead Registrant:LR)のみに付与されます。一方、個別提出(opt-out)を選択した企業については、自社が個別に提出した情報を確認することもできます。
留意点として、プレビューの目的は公開内容の事前確認であり、プレビュー画面から既提出の登録ドシエを直接修正することはできません。
営業秘密の保護
公開対象には、用途、物理化学的性状、有害性データなど、企業にとって重要な情報が含まれています。そのため、企業の中核的な競争力に関わる情報をどのように保護するかが、関係者の大きな関心事項となっています。
すでに韓国で化学物質登録を完了している企業は、一部の情報が営業秘密として法定要件を満たす場合、資料保護を申請できる可能性があります。
企業は、営業秘密を構成する以下の3つの主要要件について、十分な証明資料を提出する必要があります。
対象となる情報が一般に公開されておらず、外部から容易に入手できないこと
企業が当該情報について、アクセス制限、秘密保持契約、社内管理制度などの具体的な秘密管理措置を講じていること
当該情報が独立した経済的価値を有していること
韓国当局は企業に対して資料保護を申請するための手続きを明確に設けています。一方、具体的にどのような証明資料が必要となるのか、また当局がどのような基準で審査するのかについては、今後さらに明確化される必要があります。
K-REACH「登録情報公開制度」に関するよくある質問(FAQ)
説明会では質疑応答の時間も設けられました。以下では、企業から特に関心の高かったコンプライアンス上の質問と回答を紹介します。
Q1:K-REACH登録情報は、どの化学物質を対象に、どのようなスケジュールで公開されますか?
A:K-REACH登録情報の公開は、登録が承認された時期に応じて段階的に実施されます。
Q2:公開されたK-REACH登録情報を、そのまま化学物質登録の申請資料として使用できますか?
A:使用できません。K-REACHの情報公開制度は、化学物質の安全管理を強化するとともに、国民の知る権利を保障することを主な目的としています。公開情報だけでは、登録申請に求められる法令上の要件を満たすことはできません。
また、試験報告書など、特定の所有権が設定されているデータを使用する場合、企業は従来どおり、データ所有者からLoA(Letter of Access)を購入する必要があります。
Q3:K-REACHで公開される情報には、具体的にどのような項目が含まれますか?
A:公開対象は、K-REACH施行規則第51条第2項第1号から第7号までに定められている情報です。具体的には、登録企業が化学物質情報処理システム上で項目ごとに入力した登録申請情報が公開されます。
ただし登録企業名など事業者特定情報は公開対象外となります。
Q4:K-REACHで公開予定の情報に誤字などの誤りがある場合、登録企業は修正または補足できますか?
A:修正または補足することはできません。K-REACH登録情報は、提出された内容を「そのまま公開される」ことが原則です。化学物質情報の透明性を確保するため、公開時に登録資料の修正は行われません。
Q5:過去に資料保護を申請し、グループ名でK-REACH登録を行った物質については、公開時もグループ名が使用されますか?
A:はい、グループ名が引き続き使用されます。K-REACH施行規則に基づき、登録時に資料保護を申請し、グループ名で登録された化学物質については、資料保護期間が終了するまで、引き続きグループ名で対外公開されます。
Q6:K-REACH登録企業が営業秘密に関する資料保護を申請する場合、実際にはどのような基準で判断されますか?
A:登録企業は、「社内で公開していない情報である」という理由だけで、K-REACHの資料保護を申請することはできません。
対象となる情報は、韓国の「不正競争防止法」に定められた営業秘密の法的要件を満たす必要があります。
企業は、当該情報が以下の3つの要件を満たすことを証明しなければなりません。
Q7:登録企業が所定の期限内にK-REACHの公開予定項目を確認しなかった場合、どのような結果になりますか?
A:登録企業が確認期限を過ぎた場合でも、システム上は公開予定情報を確認済みであるとみなされます。そのため、当該化学物質の情報は、提出された内容のまま、予定どおり公開されます。
Q8:K-REACHの共同登録では、プレビュー画面がリード登録者(LR)だけに提供され、LRがすべての責任を負う仕組みとなっています。これは妥当なのでしょうか?
A:韓国当局は、K-REACH 施行規則に基づく本制度の運用状況を継続的に検証し、制度の改善・最適化を進めていくと説明しています。