EU|欧州化学品庁(ECHA)、PFAS制限の対象分野の拡大等を目的とした提案の更新を公表

EU|欧州化学品庁(ECHA)、PFAS制限の対象分野の拡大等を目的とした提案の更新を公表

2025-10-27

PFAS制限案の変更について

2025年08月20日、欧州化学品庁(ECHA)は、PFAS(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)の制限に関する提案を更新し、追加分野や代替的制限オプションを新たに導入しました。なお、現在、ECHAの科学委員会による評価は進行中であり、最終的には欧州委員会が加盟国と協議のうえで決定を下す予定です。さらに2025年08月27日、ECHAはこの科学的評価が2026年末までに完了する見通しを示しました。

背景

■ この制限に関する提案は、デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの五つの当局が共同で策定し、2023年1月13日にECHAへ提出されたものです。その目的は、PFASの環境中への排出を削減し、人々にとってより安全な製品やプロセスを確保することにあります。

■ 2023年3月から9月にかけて6か月間の協議が実施され、そこでは5,600件を超える科学的・技術的なコメントが寄せられました。これらの意見を踏まえて当局が評価を行い、その結果を更新版としてまとめたのが2025年8月20日に公表された「背景文書」です。この文書は今後の委員会審議の基礎資料となり、さらに評価に応じて修正される可能性も残されています。

概要

■ 更新された提案では、当初明記されていなかった八つの分野が新たに検討対象として追加されました。具体的には、印刷用途、シーリング用途、機械用途、医薬品分野での一次包装や賦形剤などのその他の医療用途、軍事用途、火薬、技術繊維、そして溶媒や触媒を含む広範な産業用途が挙げられています。これらの分野に対してリスク評価が行われ、PFAS使用に伴う影響が分析されました。

■ また、完全禁止や一部用途の期限付き例外にとどまらず、リスクを適切に管理できる場合には製造・市場投入・使用を条件付きで継続できるとする「代替的制限オプション」も検討されました。この代替オプションは、PFAS製造、輸送、電子機器および半導体、エネルギー分野、シーリング用途、機械用途、技術繊維の各領域で評価されています。これにより、産業界への影響や技術的必要性を考慮した柔軟な対応が議論されています。

■ ECHAの科学委員会、すなわちリスク評価委員会(RAC)と社会経済分析委員会(SEAC)は、現在この更新版提案の精査を進めています。両委員会は独立したEU加盟国の専門家で構成されており、その意見は欧州委員会による最終判断に向けた重要な根拠となります。ECHAは透明性と独立性を確保した上で、できる限り迅速に高品質な意見を欧州委員会に提出することを目指しています。最終的な制限の可否や内容については、欧州委員会が加盟国と協議し、決定を下す仕組みです。

■ ECHAは2025年08月27日の発表において、この評価作業の全体的なスケジュールを明らかにしました。それによれば、PFAS制限に関する科学的評価は2026年末までに完了する見込みとされています。つまり、協議で得られた意見を踏まえた更新版の提案をもとに、今後1年以上をかけて詳細な検討が続けられることになります。この発表は08月20日の更新版公表に続く形で行われ、関係者に対して今後の見通しを示す重要な情報提供となりました。

参考情報

ECHA、PFAS制限提案の更新版を公表

ECHA、PFAS制限評価のタイムラインを発表


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