中国「危険化学品安全管理条例」廃止、企業が確認すべき対応

中国「危険化学品安全管理条例」廃止、企業が確認すべき対応

2026-11-06

2026年11月5日、新華網は、授権を受けて「一部行政法規の改正および廃止に関する国務院の決定」(以下「決定」)を公表しました。同決定は、14件の行政法規の一部条項を改正し、4件の行政法規を廃止するもので、「危険化学品安全管理条例」も廃止対象に含まれています。同決定は公布日から施行されます。

「中華人民共和国危険化学品安全法」(以下「安全法」)は、2026年5月1日に施行済みです。今回の条例廃止を受け、危険化学品の製造、貯蔵、使用、取扱いおよび輸送に関わる企業は、社内制度や業務文書に記載された法令根拠を速やかに点検し、「安全法」および現行の関連規定に照らして、実際の義務履行状況を確認する必要があります。

法令改正の背景:新法の施行後、旧条例が正式に廃止

「決定」によると、今回の行政法規の整理は、基層政府による特別計画の策定に関する規定を簡素化・最適化し、機構改革の方針を反映するとともに、関連する法律および行政法規との整合を図ることを目的としています。

「決定」の別紙2の第3項は、「危険化学品安全管理条例」の廃止を明記しています。同条例は2002年に国務院令第344号として公布され、2011年に国務院令第591号により初めて改正され、2013年にも改正されました。これまで危険化学品の安全管理に関する重要な行政法規上の根拠となっていました。

これに先立ち、第14期全国人民代表大会常務委員会第19回会議は、2025年12月27日に「安全法」を採択し、中華人民共和国主席令第64号として公布しました。同法は全10章127条で構成され、計画・配置、製造・貯蔵の安全、使用の安全、取扱いの安全、輸送の安全、危険化学品の登録、事故時の緊急救援および法的責任などを定めています。

企業が押さえるべき点

旧条例の廃止は、危険化学品の管理要件がなくなることを意味せず、企業に新たな是正猶予期間が与えられるものでもありません。「決定」の公表時点で「安全法」はすでに施行されており、企業は現行法令に基づく安全管理上の義務を継続して履行する必要があります。

企業への主な影響

中国語版化学品安全技術説明書(SDS)

「安全法」の関連規定を踏まえ、企業は安全技術説明書(SDS)の法令根拠を更新する際、すでに廃止された「条例」を削除し、施行済みの「安全法」に更新するとともに、SDSの内容が「安全法」および現行の関連規定に適合しているかを確認する必要があります。文書中の法令名を置き換えるだけでは十分ではありません。

過去に作成したSDSも一件ずつ点検し、法令情報および関連内容を速やかに更新してください。今後作成するSDSが「安全法」の要件に適合するようにすることが重要です。旧「条例」の廃止後も更新を怠ると、応急管理部門や税関などの管理機関による処分につながるおそれがあります。

危険化学品の登録および免除の適用条件

「安全法」第87条は、研究開発、試験生産・試験販売の過程にある、取扱量が少なく、放出量およびばく露が低い危険化学品などについて、国が登録を免除することを定めています。具体的な方法は関係部門が定めます。企業は「研究開発用途」または「数量が少ない」という理由だけで登録免除に該当すると独自に判断せず、具体的な適用条件および現行の関連規定を確認する必要があります。

企業に推奨される対応

今回の廃止は、法令一覧、作業手順書、購買・販売契約、サプライヤー監査文書などに記載された法的根拠に直接影響します。影響を受けるのは化学品製造企業に限らず、危険化学品の輸入、保管、取扱い、輸送および使用に関わる事業者も含まれます。まず、次の3点に取り組むことを推奨します。

  • 法令一覧および社内文書を更新する。「条例」の廃止状況を明記し、旧条項の引用と現行法の要件を項目ごとに照合してください。法令名だけを置き換え、不適用となった内容を残さないようにします。

  • 職務・役割に応じた自主点検を実施する。製造、輸入、取扱い、貯蔵、使用、輸送などの業務上の役割に応じて、許可、登録、従業員教育、SDSおよびラベル、貯蔵管理、緊急時対応を確認します。

  • 関連規則との整合状況を確認する。登録免除、輸送管理、情報化を活用した監督管理などについて、主管部門の規定を継続的に確認してください。今回の「決定」で個別に処理されていない関連文書については、旧条例を引用しているという理由だけで一律に失効したと判断すべきではありません。

「安全法」の施行と「条例」の廃止は、企業が危険化学品コンプライアンス体制を更新するうえで重要な二つの節目です。現在の優先課題は新法の施行を待つことではなく、既存の管理措置が現行要件に適合しているかを点検し、関連制度の制定・改正および監督執行の動向を継続的に確認することです。

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