2026年上半期、EU新規食品(Novel Food)申請の動向、複数のHMOsが認可され

2026年上半期、EU新規食品(Novel Food)申請の動向、複数のHMOsが認可され

2026-07-22
EUにおける新規食品(Novel Food)の申請業務において、欧州委員会(EC)が申請受付ならびに公式承認手続きを管轄し、欧州食品安全機関(EFSA)が安全性科学評価を実施します。EC より正式な承認を取得した新規食品のみ、EU 市場へ上市可能となります。

REACH24H は食品関連企業の今後の事業展開の参考に供するため、2026 年上半期の新規食品承認状況及び審査動向を取りまとめました。

  • 欧州委員会(EC)承認案件:新規食品新規承認 3 件、使用条件変更申請 1 件

  • 欧州食品安全機関(EFSA)が評価を完了した案件: 新規食品10件、使用条件の変更1件

欧州委員会が認可した新規食品

EUは2026年上半期に、新規食品に関する4件の正式な認可を公表しました。このうち3件は新規食品の新規認可であり、1件は既に認可されている新規食品の使用条件の変更です。

1.新規食品(Novel Food)の認可状況

名称

カテゴリー

規則発効日

EFSA科学評価期間

申請期間

ラクト-N-テトラオース

(Escherichia coli K-12 MG1655

(ATCC 700926)由来株により生産)

(ii)

2026/3/16

538日

883日

脱脂菜種粉末

(iv)

2026/3/15

824日

1304日

イヌリン-プロピオン酸エステル

(i)

2026/6/30

2536日

3058日

カテゴリー(i)は、新規または意図的に改変された分子構造を有する食品です。

カテゴリー(ii)は、微生物、真菌または藻類から構成される、これらから分離された、またはこれらにより生産された食品です。

カテゴリー(iv)は、植物またはその一部から構成される、これらから分離された、またはこれらにより生産された食品です。


今回 EC より承認を取得したラクト - N - テトラオースは微生物発酵により製造されます。過去に承認済みの同成分と同一の食品区分へ配合可能であり、最大使用基準量に関しても同一基準が適用されます


適用食品カテゴリー

最大使用量

表示要件

無調味の低温殺菌乳/

滅菌乳(UHT超高温滅菌乳を含む)

1 g/L

ラベルには、以下の旨を表示する必要があります。

(a)3歳未満の乳幼児には適しません。

(b)同日にラクト-N-テトラオースを添加した他の食品を摂取した場合、本製品を摂取しないでください。

無調味の発酵乳

1 g/L(飲料類)

10 g/kg(非飲料類)

調味発酵乳(加熱処理製品を含む)

1 g/L(飲料類)

10 g/kg(非飲料類)

飲料(調味飲料)

1 g/L

乳を主原料とする飲料および類似製品

調製後の最終製品として

0.6 g/L(飲料類)

5 g/kg(非飲料類)

シリアルバー

10 g/kg

乳児用調製乳

調製後の最終製品として 0.8 g/L

フォローオン調製乳

調製後の最終製品として 0.6 g/L

乳幼児用穀類補助食品および乳幼児用穀類食品

0.6 g/L(飲料類)

5 g/kg(非飲料類)

体重管理用完全食代替食品

2 g/L(飲料類)

20 g/kg(非飲料類)

特別医療目的用食品

製品の対象者における特定の栄養上

のニーズに適合する量

食品サプリメント(乳幼児を除く)

3歳以上の一般集団:2 g/日

2既に認可された新規食品の変更

名称

変更内容

規則発効日

EFSA科学評価期間

申請期間

低温殺菌処理済みの

アッカーマンシア菌(Akkermansia muciniphila)

使用範囲を拡大し、対象者を成人から12歳以上の者へ拡大

2026/3/16

562日

818日


低温殺菌処理済みのアッカーマンシア菌(Akkermansia muciniphila)は、2022年に新規食品として認可されています。今回の変更では主に使用対象者の範囲が改訂され、従来の成人から 12 歳以上の者まで拡大されした。


適用食品カテゴリー

最大使用量

表示要件

特別医療目的用食品

(乳幼児、12歳未満の小児、妊婦

および授乳婦向けの製品を除く)

12歳以上:≤ 2.1×10¹⁰ CFU/日

14歳以上:≤ 3.0×10¹⁰ CFU/日

成人:≤ 3.4×10¹⁰ CFU/日


ラベルには、以下の内容を表示する必要があります。

以下の者は摂取できません。

(a)妊婦および授乳婦

(b)対象年齢区分に応じて、以下の者:

12歳未満の乳幼児および小児

14歳未満の乳幼児、小児および青少年

18歳未満の乳幼児、小児および青少年


食品サプリメント

(乳幼児、12歳未満の小児、妊婦

および授乳婦向けの製品を除く)

EFSAによる評価状況と進捗

2026年上半期、EFSAは11件の新規食品案件について安全性評価を完了し、科学的意見を公表しました。新規食品の申請10件と、既に認可された新規食品の使用条件変更1件です。

1.EFSAによる新規食品の評価状況

名称

EFSAの科学的意見

EFSA評価期間

β-ニコチンアミドモノヌクレオチド

(β-NMN)

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。ニコチンアミド源として食品サプリメントに使用され、対象者は成人(妊婦および授乳婦を除く)、最大使用量は300 mg/日です。

692日

6′-シアリルラクトースナトリウム塩(6′-SL)

(Escherichia coli ATCC 700926の由来株

K-12 MG1655〔INB-6SL_02〕により生産)

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。

663日

3′-シアリルラクトースナトリウム塩(3′-SL)

(Escherichia coli ATCC 700926の由来株

K-12 MG1655〔INB-3SL_01〕により生産)

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。

716日

Rhizomucor pusillusバイオマス

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。

1726日

ノナペプチド・ペンタペプチド混合物

成人(妊婦および授乳婦を除く)について、1日当たり14 mg以下の摂取であれば安全であると判断されました。

885日

大豆リン脂質(レシチン)由来

L-α-グリセリルホスホリルコリン(L-α-GPC)

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。

751日

カンナビジオール分離物

提案された使用条件について、現在得られているデータに基づき、当該新規食品の安全性を判断することはできないと結論付けられました。

1473日

Cannabis sativa L.由来

超臨界二酸化炭素抽出物

安定性データ、および代表的な試験試料を用いた毒性学的試験が不十分であるため、提案された使用条件における新規食品の安全性を判断することはできないと結論付けられました。

1478日

L-カルノシン亜鉛

当該新規食品の特性評価が不十分であり、生物学的利用能および安全性を判断することはできないと結論付けられました。

481日

Schizochytrium sp. A2株由来DHA油

Schizochytrium sp. A2株の具体的な種分類が明確でないため、QPS適格性評価を実施できず、提出されたデータに基づいて安全性を判断することはできないと結論付けられました。

584日

2.既に認可された新規食品の変更に関するEFSAの科学的意

名称

変更内容

EFSAの科学的意見

EFSA評価期間

5%アスタキサンチン含有

ヘマトコッカス・プルビアリス藻粉末

適用食品カテゴリーを、乳製品代替品(クリーミングパウダー/飲料用ホワイトナーを含む)および果汁へ拡大

提案された用途および使用量の範囲内で安全であると判断されました。

1229日


現在、EFSAによる新規食品の評価は継続的に進められています。化学合成由来 β-NMN に関しては今回初めて安全性科学評価の結論が公開されました。併せて、各種酵素合成由来 NMN についても安全性評価手続きが進行中です。今後、EUにおけるNMNの食品用途での適法な産業化に向けて、一定の進展が期待されます。

一方、微生物発酵によって製造されるHMOsは、引き続き新規食品申請の注目分野となっています。欧州当局は、微生物発酵技術を用いた生産方法について、比較的高い受容性を示しています。ただし、申請資料が法規上の形式および内容要件を満たしていること、試験による立証が十分であること、安全性データが適切かつ完全に整備されていることが、申請手続を効率的に進め、認可を取得するための重要な要素となります。

また、植物性代替肉などへの利用が想定される真菌バイオマスや、ポストバイオティクス(後生元)として注目されるAkk菌も、今後の認可が期待される新規食品分野です。しかし、企業が提出する申請書類の形式・内容に不備があったり、安全性試験の根拠資料や核心安全データが不足したりする場合、複数回にわたり資料補正を指示されるケースが少なくありません。これにより全体の審査評価期間が長引く傾向が顕著です。

REACH24Hからの注意喚起

新規食品には大きな市場性があり、早期に認可を取得することで、先行者としての優位性を確保できます。また、独自の科学的根拠や専有データに基づいて認可された案件では、所定の条件を満たすことにより、5 年間の独占データ保護権を受けられる場合があります。これにより、企業は技術面および製品面での参入障壁を早期に構築できます。

その一方で、十分な試験・立証体系と、法規要件に適合した申請資料を整備することが、新規食品の認可を取得する上で最も重要です。

REACH24Hは、申請資料の整理・作成、プロジェクト工程・スケジュール作成、中核的な安全性データの検証と論証、審査中の質問対応など、新規食品申請の全工程を支援します。当局の審査基準に的確に対応し、各種新規食品の効率的な認可取得と、適法な市場展開をサポートします。

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