近年、世界的にヘルスケア産業が急成長する中、多くの中国食品原料企業が米国市場に注目を集めています。しかし一方で、米国食品医薬品局(FDA)の規制体系は非常に厳格かつ複雑であり、多くの企業が海外展開の初期段階で判断に迷うケースが少なくありません。
特に、多くの企業が直面するのが次の疑問です。
「自社の製品はGRAS認証とNDI認証のどちらを選ぶべきか?」
この2つは一見似た制度に見えますが、実際には適用範囲、申請プロセス、要求されるデータ、さらには市場戦略に至るまで大きく異なります。選択を誤ると、高額な申請コストが無駄になるだけでなく、市場参入のタイミングを逃すリスクもあります。
REACH24Hは、グローバルな食品原料コンプライアンス分野における豊富な実務経験を有しており、FDA規制のポイントや申請時の課題を熟知しています。本稿では、これまでの支援実績を踏まえ、GRASとNDIの違いと共通点を分かりやすく解説します。
GRASとNDIとは
GRAS(Generally Recognized as Safe、公認安全)とは、専門家による科学的評価、または1958年以前の使用実績に基づき、想定される使用条件下で安全であると広く認められている物質を指します。
ポイント:「一般に認められている」という点であり、科学的根拠は公開され、学術的に広く受け入れられている必要があります。
一方、米国NDI(New Dietary Ingredient、新規栄養成分)とは、1994年10月15日以前に米国市場で販売されていなかった栄養補助食品成分を指します。
栄養補助食品成分(別名:栄養食品成分)とは、以下の通りです:
ビタミン
ミネラル
ハーブまたはその他の植物由来成分
アミノ酸
食事全体の摂取量を増加させることによって栄養を補う物質
上記の栄養食品成分の濃縮物、代謝物、構成成分、抽出物または混合物
ポイント:
対象は「栄養補助食品(Dietary Supplements)」に限定され、一般食品には適用されません。
「新規性」の判断が厳格であり、1994年以前に米国で流通していたと判断された場合はNDIとして受理されません。
申請物質が栄養成分の定義に該当するかどうかが審査の初期段階で厳しく確認されます。この要件を満たさない場合、申請は却下されます。
なぜ両制度が同時に存在するのか
GRASとNDIの違いを理解するには、それぞれの制度が生まれた背景を押さえることが重要です。
GRASは、1958年に制定された食品添加物改正法に由来します。この制度は、食塩や酢、重曹など、長年にわたり安全に使用されてきた物質について、食品添加物としての煩雑な承認手続きを免除することを目的として導入されました。つまり、「歴史的な使用実績」と「科学的コンセンサス」が基盤となっています。
一方、NDIは1994年の栄養補助食品健康教育法(DSHEA)に基づく制度です。栄養補助食品市場の拡大を背景に、消費者保護と産業振興のバランスを取るため、新規成分に対する事前届出制度として導入されました。
このように、GRASは「食品分野」、NDIは「栄養補助食品分野」に起源を持っており、これが両者の本質的な違いにつながっています。
ゴールは同じ
制度は異なりますが、GRASとNDIの最終的な目的は共通しています。
最も重要なのは「安全性の証明」です。いずれの制度においても、提出される科学的データは、対象物質が想定される使用条件下で安全であることを示す必要があります。
また、どちらもFDAの管轄下にあり、関連する連邦規則に従う必要があります。さらに、化学特性、製造工程、不純物、毒性試験、摂取量評価など、包括的な科学データが求められる点も共通しています。
選択のポイント
REACH24Hからの提案
GRAS認証とNDI認証はいずれもFDAによる食品・栄養補助食品原料の安全性管理制度ですが、その制度設計の違いにより、適用対象や戦略は大きく異なります。
食品や飲料など幅広い市場をターゲットとする場合は、GRAS認証がより効率的かつ実務的な選択となります。一方、栄養補助食品分野で独自技術を活かした製品を展開する場合には、NDI認証が有効な手段となりますが、事前に十分なデータ準備が不可欠です。
REACH24Hでは、企業の製品特性や市場戦略に応じて最適な申請ルートの選定をサポートしています。適切な判断により、無駄なコストや時間を削減し、円滑な市場参入を実現することが可能です。
