近年、ベトナムは化学品管理の枠組みを急速に再構築しています。2025年6月に「化学品法」(第69/2025/QH15号)が正式に可決されたのに続き、関連する施行細則および通達が2026年1月17日に公布され、化学企業のコンプライアンス対応に向けた明確な指針が示されました。
現時点では、「国家化学品目録(NCI)」は依然として草案段階ですが、新法により明確なスケジュールが設定されており、NCIは2028年までに正式施行される見込みです。この時点は極めて重要です。というのも、最終版NCIに収載されていない化学物質はすべて「新規化学物質」として扱われ、ベトナム国内での製造または市場投入前に登録が義務付けられるためです。
しかしながら、多くの企業が大きな誤解を抱いています。すなわち、「現在のNCI草案に掲載されていれば、将来的にも既存化学物質として扱われる」という認識です。
REACH24Hは、ベトナム市場を対象とする企業に対し、この認識は必ずしも正しくない点に注意を促します。
「エビデンス不足」の落とし穴:潜在的なリスクと課題
現在のNCI草案には4万種以上の物質が収載されていますが、そのうち2万5,000種以上(60%超)が「エビデンス不足」として分類されています。
これは、ベトナム化学品局(Vinachemia)が、これらの物質が実際にベトナム市場で流通していることを裏付ける十分な証拠を現時点で保有していないことを意味します。

また、現時点では新たなNCI収載申請の受付は開始されておらず、前回の受付は2021年まで遡ります。
今後、申請受付が再開された場合、該当物質を取り扱う企業は、商業インボイスや売買契約書など、市場流通を証明する資料の再提出を求められる可能性があります。
もしエビデンス不足により最終版NCIから削除された場合、当該物質は「新規化学物質」として再分類され、企業はコストと時間を要する登録・審査手続きに対応せざるを得なくなります。
ベトナムでは、ECHA、TSCA、ENCSなど国際インベントリーに収載されている物質に対して簡略化された登録制度が設けられていますが、それでもなお、既存物質としてNCIに収載される場合と比較すると、行政負担およびコンプライアンスコストは大きくなります。
多国籍企業における情報アクセスの制約
さらに、多国籍企業にとっては「情報アクセスの制約」という課題も存在します。現在、NCIの検索機能は厳格なアクセス制限が設けられており、ベトナム国内で登録され、かつ当局の承認を受けたアカウントのみが利用可能です。
また、アクセスが許可された場合でも、通常は物質の収載状況のみ確認可能であり、詳細情報までは閲覧できないケースが多いとされています。
このため、ベトナムに現地法人を持たない企業にとっては、自社物質のステータス確認、特に「エビデンス不足」かどうかの判別が非常に困難かつ時間のかかる作業となります。
REACH24Hは、最終版NCIの公布に備え、企業に対して以下の対応を推奨します:
NCI草案に未収載の物質
将来的な収載申請および新規化学物質登録に向け、早期に準備を進める必要があります。NCI草案に収載済みの物質
当該物質の収載ステータスを必ず確認してください。特に「エビデンス不足」とされている場合には、インボイスや契約書などの流通証拠資料を速やかに整備することが重要です。
REACH24Hのベトナム化学品コンプライアンスサービス
REACH24Hはベトナム現地法人を通じて、以下のフルプロセスサービスを提供しています:
ステータス確認サービス
現地ネットワークを活用し、対象物質の収載有無および「エビデンス不足」該当の有無を確認します。NCI収載申請支援
輸出入記録、販売契約、生産データなど必要資料の整理・提出を支援し、最終NCIへの収載をサポートします。その他のコンプライアンス支援
輸入申告、新規化学物質登録、SDS作成、規制対象化学品の許可申請など、幅広い規制対応を包括的に支援します。
