Defra、ATRm第2回協議を開始|UK REACH登録コスト削減に期待

Defra、ATRm第2回協議を開始|UK REACH登録コスト削減に期待

2026-09-30

規制ニュース

2026年9月29日、英国環境・食料・農村地域省(Defra)は、「UK REACHにおける代替移行登録(ATRm)に関する技術コンサルテーション文書」を正式に公表し、ATRmを実施するための法改正案について意見募集を開始しました。コンサルテーション期間は6週間で、締切は2026年11月10日です。

ATRmとは

英国のEU離脱後、EU REACHに基づきすでに登録されていた物質については、英国REACHの下で移行登録を完了する必要があります。英国で化学物質を製造・輸入する企業は、HSEのUK REACH公式情報も確認する必要があります。

これまで、移行登録を完了するためにEU域内の危険有害性データを購入または取得する場合、2030年までの費用は約20億ポンドに達する可能性があるとの指摘が業界から寄せられていました。こうした重複支出は、一部の物質が英国市場から撤退する要因となり、川下のサプライチェーンに影響を及ぼすおそれもあります。

こうした背景を受け、英国政府は2024年にコンサルテーションを開始し、2026年3月30日に公表した政府回答において、ATRmの導入を正式に確認しました。

ATRmでは、移行登録の初期段階で提出が必要となる危険有害性情報の量を大幅に削減する一方、必要に応じて規制当局が追加情報を要求できる権限を付与します。これにより、企業の負担軽減と、人の健康および環境の高水準の保護との両立が図られます。

簡素化後に提出が必要となる情報

ATRmは、次の登録者に適用されます。

  • NRES登録者(一般に「ゼロデータ登録者」と呼ばれる登録者)  

  • グランドファーザー条項に基づく登録者      

  • DUIN届出者のうち、期限前に正式登録を完了することを決定した者      

なお、ATRmにおける登録要件は、企業の種類や規模によって決まるものではなく、物質そのものによって決まります。

具体的には、当該物質が2021年より前に、EU REACHに基づき同一またはより高いトン数帯で登録されている必要があります。この条件を満たさない場合は、標準登録情報(UK REACH規則附属書VII〜X)の提出が引き続き必要です。

簡素化ルートの対象となる登録者は、完全な研究概要や詳細な研究概要を提出する必要がなく、代わりに以下の「対象を絞った簡素化パッケージ」を提出します。

  • 物質の分類および表示に関する情報(通常はEU REACHと一致します。一致しない場合は、その理由を説明する必要があります) 

  • 安全な使用に関する指針      

  • 関連するばく露情報。2024年のパブリックコンサルテーションでは、登録者に追加の用途・ばく露情報を求める案が示されていましたが、今回のコンサルテーションでは、英国政府は現行のUK REACH要件(EU REACHと整合する要件)を維持し、追加の用途・ばく露情報の提出は提案していません。      

  • 年間10トンを超える場合の化学品安全報告書(CSR):DNEL、PNEC、およびPBT/vPvB評価の結論。物質に危険有害性分類がある場合は、ばく露評価およびリスク特性評価も必要です。      

また、2024年のコンサルテーションで検討された報告義務、制限、動物試験などのより広範な改革内容は、ATRmと同時には進められません。これらは、今後、より広範なUK REACH改革の一環として取り扱われる可能性があります。

規制は緩和されない

新たな移行評価権限

簡素化登録とのバランスを取る仕組みとして、新たな第127Q条から第127U条は、健康安全執行部(HSE)に移行評価を行う権限を付与します。

簡素化されたデータだけでは規制上の判断を行うのに不十分な場合、HSEは1名または複数の登録者に対し、追加情報の提出を要求できます。主なポイントは以下のとおりです。

  • 分類情報のみの提出、物質のローリングアクションプランへの掲載、または物質評価の基準を満たす可能性がある案件を優先します。      

  • HSEは決定案および最終決定を発出します。      

  • HSEは、合理的な条件の下で、追加試験または評価報告書の提出を要求できます。      

  • 登録者が評価の途中で製造または輸入を停止し、HSEに通知した場合、当該登録におけるトン数はゼロとなり、HSEは当該登録者に情報の提出を要求しません。製造または輸入を再開した場合は、関連する権限が再び適用される可能性があります。      

企業が確認すべきポイント

ATRmは登録時の情報提出負担を軽減する可能性がありますが、企業がUK REACH上の義務から解放されることを意味するものではありません。対象物質の登録状況、トン数帯、提出情報および今後のHSEによる追加要求を確認する必要があります。

REACH24Hは、今後も英国政府による公式発表および関連法令の動向を継続的に確認し、適宜、分析・解説を行います。UK REACH登録やATRmの適用可能性については、REACH24Hまでお問い合わせください。

本稿は、Defraが2026年9月29日に公表した「Technical Consultation on the Alternative Transitional Registration (ATRm) for UK REACH」に基づき整理・作成したものであり、情報提供のみを目的としています。具体的な要件については、最終的な法令本文をご確認ください。

UK REACH登録についてご相談ください

ATRmの適用可能性、UK REACH登録要件、必要なデータおよび今後の対応について、REACH24Hまでお問い合わせください。

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