一部の化学品企業がEUへ輸出する際、税関申告書にCUS（Customs Union and Statistics）コードの提供を求められることがあります。では、CUSコードとは何か、またどのように取得すればよいのでしょうか？
CUSコードとは？
CUSコードを理解する前に、まずは欧州化学物質関税インヴェントリ（European Customs Inventory of Chemical Substances：ECICS）についてご紹介いたします。これは欧州委員会 税制・関税同盟総局（DG）によって管理されている情報ツールであり、化学物質の税関分類、識別、特性に関する情報を提供することを目的としております。
ECICSデータベースは毎日更新されており、現在では49,000件以上収録されております。その中で、ECICSに掲載されている各製品には、それぞれ検索や税関とのやりとりのために使用されるCUSコードが割り当てられております。
CUSコードは8桁の数字（中にハイフンあり）で構成されます。例：「0011481-8」は硫化バリウムのCUSコードです。
どのような物質にCUSコードの提供が必要か？
広義の純物質については、通関時にECICSで定められたCUSコードおよび化学物質の正確な名称をできるだけ提供します。
CUSコードのない混合物および製剤については、企業ができるだけ正確な製品説明を提供し、混合物または製剤の名称に成分の説明（例：「…溶液は中にある」、「…と…の混合物」、「…に基づく」、「…を含む」）を追加し、混合物に含まれる物質に関連するCUSコードを明記することが求められています。
CUSコードの検索方法
ステップ１：下記URLをコピーしてECICS公式サイトへアクセスしてください：
https://ec.europa.eu/taxation_customs/dds2/ecics/chemicalsubstance_consultation.jsp?Lang=en
ステップ２：調べようとする化学物質の物質名称、CAS番号、EC番号などの情報を入力し、「submit」をクリックして検索してください。例として、硫化バリウムを検索します：
ステップ３：検索結果を下へスクロールしてご確認ください。以下は硫化バリウムのCUSコード「0011481-8」です。
もしデータベースで該当するCUSコードが見つからなかった場合は、当局に連絡し、化学名称、CAS番号、構成成分、化学構造、製品説明、安全データシート（SDS）、用途など詳細な製品情報をできるだけ提供してください。
提供情報が十分であれば、当局は製品の提案関税分類を返信し、その製品をECICSデータベースに登録し始め、CUSコードを割り当てることになります。ただし、この更新プロセスには数か月かかる可能性があります。