2026年9月22日、米国食品医薬品局(FDA)動物用医薬品センター(CVM)は、動物用食品添加物申請(FAP)および「一般に安全とみなされている」(GRAS)通知に関する審査結果を公表するとともに、「動物用食品GRAS通知の審査スケジュール」(PPM 1244.3425)を初めて公表しました。
今回の見直しは、審査期間の不確実性、FDAとのコミュニケーションのタイミング、提出資料に関する要求事項のばらつきなど、業界が抱えていた課題に対応するものです。FDAは、科学的な審査基準を維持しながら、動物用食品原料の審査における透明性、予見可能性およびコミュニケーションの効率性を高めることを目指しています。
2年間にわたる評価で、動物用食品原料の審査課題を整理
FDAの評価結果によると、FDAは2024年8月、動物用食品に関するFAPおよびGRAS通知制度について包括的な評価を開始しました。パブリックコメントの募集、外部ステークホルダーとの14回の意見交換会、FDA内部職員へのヒアリングなどを実施しました。
企業が主に関心を示している課題は、営業秘密資料の公開範囲と時期、審査要求の一貫性、審査期間の長期化と予測困難性、科学的資料・製造工程・有効性データの準備要件の不明確さです。
FDAは、申請企業との初期段階のコミュニケーション強化、GRAS審査段階の明確化、補足資料提出機会の拡大、資料要件の見直し、国際的な飼料原料審査の調和などを示しました。
GRAS審査スケジュールを初めて公開、企業はプロジェクト計画を立てやすくなる可能性
PPM 1244.3425では、動物用食品GRAS通知の提出から受理、FDAによる回答までの内部目標が明確化されています。
企業がGRAS関連資料を提出した後、CVMは行政上の確認を行い、資料の受領後30日以内を目標として手続きを完了します。受理要件を満たす場合、FDAは受理通知書を発行し、その発行日がGRAS通知の受理日および審査1日目となります。

重要な留意点
現行法令で定められた最長270日の審査期間を除き、上記の期間はFDA内部のプロセス目標であり、法的拘束力を有する期限ではありません。緊急事態、リソース上の制約、連邦祝日その他の運用上の要因により、実際の進捗は変動する可能性があります。
2回の補足資料提出の機会を設け、審査上の指摘に対応する余地を拡大
今回の見直しでは、1回目の補足資料の審査後もFDAに懸念点が残る場合、企業に2回目の補足資料を提出する機会が与えられます。
安全性の説明が複雑な原料、新しい製造工程を採用した原料、広範な用途が想定される原料では、両方の補足資料提出を見据えた準備が重要です。
データ要件は柔軟化する一方、科学的根拠が引き続き重要
FDAは、科学的に合理的な根拠がある場合、外挿手法の適用範囲を拡大する方針を示しています。GRAS通知制度では、有効性データをすべてのGRAS通知に一律で求めるのではなく、安全性判断に必要な場合に限って提出を求める方針です。
化学、製造および管理(CMC)資料について、成熟した製造工程であれば、工程図、主要工程の概要、参考資料一覧など簡略化された形式が受け入れられる可能性があります。一方、新しい製造技術や安全性に影響する工程では、工程、規格、不純物管理および安全性を裏付ける十分な資料が必要です。FDAはICCFとの連携を通じ、国際的な審査要件の調和も進めます。
企業への影響と対応上のポイント
今回の見直しは、主として動物用食品GRAS通知の審査管理プロセスを改善するものであり、FDAが安全性審査の基準を引き下げることを意味するものではありません。
米国市場への参入を計画している飼料、ペットフードその他の動物用食品原料企業は、以下の点に重点を置く必要があります。なお、FDAは2026年8月、GRAS通知の提出を求める規則案も公表しているため、今後の制度変更にも注意が必要です。
第一に、適切な市場参入ルートを早期に明確化することです。企業は、原料の性質、対象動物の種類、想定用途および安全性資料の整備状況を踏まえ、GRAS通知、FAPまたはその他の適用可能なルート(FDA AFIC、AAFCO SRISなど)を評価する必要があります。
第二に、審査の各段階から逆算して資料を準備することです。特にFDAから補足質問を受けた場合、企業は短期間で部門横断的に資料を取りまとめ、技術的説明およびリスクに関する論証を完成させる必要があります。
第三に、製造工程および安全性資料を事前に整理することです。発酵、バイオテクノロジー、抽出・精製その他の新しい製造工程を採用する原料については、原料の識別、生産菌株または出発物質、不純物プロファイル、暴露評価、対象動物に対する安全性などの資料が十分に整備されているかを重点的に確認する必要があります。
第四に、規制政策の変化を継続的に確認することです。現在、FDAによるGRAS強制通知に関する規則案は、意見募集および今後の手続きが進められている段階にあります。企業は、今回の審査プロセスの見直しだけでなく、今後のGRAS規制枠組みの変化も併せて考慮する必要があります。
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