EU、2026年第1四半期のCBAM証書価格を公表、輸出企業の炭素コストはいくらになるのか

EU、2026年第1四半期のCBAM証書価格を公表、輸出企業の炭素コストはいくらになるのか

2026-06-30

最近、EUは2026年第1四半期のCBAM証書価格を公表しました。価格は75.36ユーロ/tCO₂です。当日のユーロと円の為替レートで換算すると、約13,889円/tCO₂となります。この価格は、企業がEU炭素国境調整メカニズム(CBAM)に基づく炭素コストを算定する際の法定基準となります。鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料など、EU向けに輸出される炭素集約度の高い製品のコストに直接影響するため、関連企業にとっては回避不可能なコンプライアンスコストとなります。

今後、炭素コストが明確化され、本格的に発生することで、欧州市場では低炭素化に取り組む企業がより有利になると考えられます。排出量が低く、炭素データ管理が整備され、コストを予測・管理できる企業は、受注・価格交渉・市場競争力の各面で優位性を確保できます。

CBAM Certificate price.png

「炭素コスト」の算出方法

2026 年に EU 向けに出荷した貨物に係る CBAM 証書については、2027 年に正式に購入・償却手続きを実施します。しかし、2026年に最初の対象貨物をEUへ輸出した時点から、企業には実質的な炭素コストが発生し始めます。

そのため、企業にとって最も重要な判断は、以下のどちらの方法で申告・算定するかです。

  • EUが定めるデフォルト値を用いて申告する

  • 自社製品の実測排出データを用いて申告する

この2つの方法では、最終的な炭素コストに大きな差が生じる可能性があります。根拠のない概算や大まかな見積もりに依存すると予算の精度が低下し、コスト管理が困難になるほか、利益率が圧迫されるリスクが生じます。

こうした企業の実務ニーズに対応するため、REACH24Hは、ツールとカスタマイズ型サービスを組み合わせ、企業がCBAMに関連する炭素コストを明確に把握できるよう支援しています。

1. 迅速な試算

REACH24Hの「EU CBAM Calculator」は、鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料など、CBAM対象全カテゴリーの商品に対応しています。

製品のCN Code、生産国、EU向け輸出時期・輸出量を入力するだけで、10秒以内に試算結果とレポートを作成可能です。

2. 精密な算定

より正確なCBAM対応を行うためには、企業自身の製品排出データに基づく算定が重要です。REACH24Hは、企業の生産実態、製品構成、EU顧客の要求に応じて、以下の支援を提供します。

  • 実測排出量の精密算定:EU が認定する算定手法に基づき、製品の組込み体化排出量データを精緻に算出します。

  • 炭素コストの比較分析:「デフォルト値」と「実測データ」を比較し、両者のコスト差を分かりやすく可視化します。

  • データ・モニタリング計画の策定:企業の生産実態を踏まえ、EUの要求に適合するデータ・モニタリング計画を策定します。これにより、データ収集、記録、保存のプロセスを標準化し、CBAM検証および長期的なコンプライアンス申告に対応できる体制を整えます。

  • コスト削減と戦略最適化:排出削減の可能性とコスト削減の余地を分析し、EU向け輸出戦略の安定化と最適化を支援します。

  • サプライチェーンとの連携:上流の前駆原材料サプライヤーと連携し、排出量算定に必要なデータを整備します。これにより、サプライチェーン全体の炭素データをつなぎ、CBAM対応の精度を高めます。

すでに2026年第1四半期からEU向け輸出を開始している企業にとって、現在の炭素コストは十分に試算可能な段階に入っています。企業は早めに炭素コスト比較を開始し、デフォルト値を使用するのか、実測データを使用するのかを明確にすることが重要です。

「炭素コスト」の支払期日

実務上、CBAM証書の購入および償却は、EU輸入事業者またはその委託を受けた通関代理人が行います。ただし、そのコストは最終的に輸出企業へ転嫁される可能性があります。

そのため、輸出企業も主要なスケジュールを事前に把握し、契約交渉や価格設定、データ準備に反映させる必要があります。主なスケジュールは以下のとおりです。

  • CBAM証書の購入開始:2027年2月1日から

  • CBAM証書の償却期限:2027年以降、毎年9月30日まで

  • CBAM証書の買戻し申請:2027年以降、毎年10月31日まで

  • 未使用証書の取消し:2027年以降、毎年11月1日から、過年度の未使用証書は補償なしで取り消されます。

おわりに

欧州へ輸出する企業にとって、炭素データが明確であるほど、また炭素管理への着手が早いほど、コストを管理しやすくなります。

早期に体化排出量の算定を完了し、低炭素生産への対応を前倒しで進めることができれば、欧州市場における取引機会と利益率をより安定的に確保できます。

REACH24Hは、CBAM対象製品判定、体化排出量算定、デフォルト値と実測データの比較、CBAMコスト試算、検証資料の整備、EU顧客とのコミュニケーション支援まで、企業のCBAM対応をワンストップでサポートします。

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
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