最近、韓国雇用労働部が「化学物質の分類、表示及びMSDSに関する基準」の改正案(Moel notice no.2025-50)を公布し、この法規が2025年8月7日から正式に施行されました。
今回の改正は、「韓国化学品登録・評価法案」(K-REACH)の最新要件に基づき策定され、化学物質に関する情報伝達の正確性とコンプライアンスの向上を中核的な目的としています。
潜在的なコンプライアンスリスクを回避するため、関連企業は直ちに化学物質等安全性データシート(MSDS)及び製品の分類・表示の更新作業を開始する必要があります。
技術分類基準のアップデート
技術分類基準の主な変更点は以下の通りです。
自然発火性物質及び混合物(付属書1)
試験条件の厳格化:自然発火性物質及び混合物 - 区分1:一辺25mmの立方体試料を用いて140℃で試験を行った際に、陽性結果が得られた場合。
酸化性固体(付属書1)
試験条件の厳格化:試験方法3:物質(または混合物)とセルロースの混合比率(4:1または1:1)で試験を行う際、過酸化カルシウムとセルロースの3:1混合物の平均燃焼速度を参照することが明確化されました。
重篤な眼の損傷性/眼刺激性(付属書1)
混合物区分1の判定基準変更: 以下のいずれかの成分を含む混合物。
重篤な眼の損傷性(H318)成分または皮膚腐食性(H314)成分の総含有量が3%以上の混合物。
以下の2項の合計が3%以上となる混合物(注1)。
皮膚腐食性(H314)成分の総含有量(%)
重篤な眼の損傷性(H318)成分の総含有量(%)
注1:ある成分が皮膚腐食性(H314)と重篤な眼の損傷性(H318)の両方に該当する場合、計算時にはその成分濃度は1回のみ計上されます。
ラベル表示の更新
輸送用ラベルにおけるGHS絵表示が改定されました。新しい表示に切り替える必要があります。RTDG(輸送危険物)の引火性液体の絵表示は以下のように変更されます。
図1 注:下部の数字を「3」に更新
MSDSへの追加必須項目
今回の改正では、有害性未確認物質および有毒物質に分類される物質のMSDS作成について、新たな強制的な要求が提出されました。
「有害性未確認物質」のMSDS作成義務の追加
適用対象: K-REACHに基づき、韓国環境部に申告された有害性未確認物質またはその混合物。
主な要件: 関連製品のMSDS第15項に、有害性未確認物質に関する情報を正確に記載する必要があります。図2に示す方法で改訂可能です。
「有害性未確認物質(具体的な物質名称)」を記載;
未確認の有害性の具体的な項目(例えば、急性毒性-経口、染色体異常など)を列挙。
安全な取り扱いに関する注意書きを追加。
図2
特殊なケース: 物質名称がMSDSに非開示の場合、K-REACH施行規則付属書25の仕様に従い、個別に情報を提供する必要があります。
移行期間: 2026年6月30日まで、既存のMSDS第15項「その他(마목)」に上記の内容を追記し、法規名称を明記することで対応可能です(図3)。
図3
有毒物質の再分類及びMSDS更新義務
改正要点: 従来の「有毒物質」は、以下の3つの種類に分類されます:ヒト急性危害物質、ヒト慢性危害物質、生態系有害物質。具体的な物質分類は、韓国環境部の「有毒物質指定公示」に準じます。
移行期間: 2026年7月1日までに、関連MSDSの更新を完了する必要があります。
注意事項: MSDS第15項の改訂は、MSDSの再提出を義務付けるものではありませんが、川下のユーザーには更新版を自主的に提供する必要があります。
企業への対応アドバイス
韓国への参入を目指している企業は、自社の製品が有害性未確認物質または再分類が必要な有毒物質に該当するかどうかを早急に確認し、MSDSが韓国の新法規要件に適合していることを確認する必要があります。具体的な対応のポイントは以下の通りです。
MSDSの段階的更新
即時施行(2025年8月7日以降): 新規作成するMSDSは、MSDS第15項の新規法規情報を含め、最新の作成基準(Moel Notice no. 2025-50)を適用する必要があります。
移行期間(2026年6月30日まで): MSDS第15項第3項にK-REACHの法的規制状況を明確に記載する必要があります。2026年7月1日以降は、最新基準に準拠した作成しなければなりません。
再試験と分類
一部の分類基準が即時施行されるため、新しい試験基準に従って分類結果を検証する必要があります。
ラベル及び包装の交換
新しいGHS絵表示と分類ラベルを使用する必要があります。