韓国雇用労働部は本日、2025年第2四半期の新規化学物質の有害性・危険性に関する公告を発表しました。
生産または輸入された51種類の新規化学物質についてGHS分類評価を完了し、そのうち25種類が急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、重篤な眼損傷性などの有害性を有すると確認されました。代表的な物質としては、メチルジクロロシラン (Methyldichlorosilane) や N,N-ジメチルホスホロアミジルジクロリド (N,N-Dimethylphosphoramidic dichloride) 等が挙げられます。
中核的な規制要件
- 企業の届出義務
新規化学物質の生産者/輸入者は、生産/輸入の30日前まで(生産量が1トン以下の場合は14日前まで)に、雇用労働部のポータルサイトを通じて有害性調査報告書を提出する必要があります。
ただし、環境部に既に登録済みの物質については、届出は免除されます。
- GHS分類と安全対策
有害・危険な化学物質は、その容器・包装に警告ラベルを貼付しなければなりません。ラベルには、GHS分類(急性毒性区分3、皮膚腐食性区分1等)および予防措置を記載します。
企業は、労働者に対して呼吸用保護具、保護手袋、保護眼鏡などの個人用保護具(PPE) を装着する必要があります。さらに、高リスク区域には局部排気装置を設置する必要があります。
- 安全データ管理
生産・輸入企業は、製品安全データシート(MSDS: Material Safety Data Sheet) を作成する必要があります。MSDSには、成分情報、有害性情報、緊急時の対応手順などを詳細に記載します。作成したMSDSは、作業場において常時見える場所に掲示しなければなりません。
代表的な物質の有害性事例
- メチルジクロロシラン (Methyldichlorosilane) :
GHS分類:
可燃性液体 区分2
水反応可燃性ガス発生物質 区分1
急性毒性(経口/吸入) 区分3
皮膚腐食性/重篤な眼損傷性 区分1
必要な対策: 蒸気への暴露を厳重に防止する必要があります。
- N,N-ジメチルホスホロアミジルジクロリド (N,N-Dimethylphosphoramidic dichloride):
GHS分類:
皮膚腐食性 区分1
重篤な眼損傷性 区分1
必要な対策: 取り扱い時には完全密閉型の防護措置が必要です。
注意すべきこと
韓国当局は、企業に対しGHS危険有害性情報に関する研修を実施し、保護措置の実行を確実に保証することを義務付けています。企業は、提示された表を参照してMSDS(製品安全データシート)を更新し、韓国市場でのコンプライアンス要件への対応を行う必要があります。