2025年の世界環境デーは「プラスチック汚染 をなくそう（Beat Plastic Pollution）」をテーマに掲げています。これは、世界的なプラスチック危機への深い反省であると同時に、企業や一般市民に向けたグリーンアクションへの呼びかけでもあります。

グテーレス国連事務総長が挨拶で警鐘を鳴らしたように、「プラスチック汚染は私たちの地球を窒息させています」。

中でも、目に見えない「マイクロプラスチック汚染」には特に警戒が必要です。研究によると、成人1人あたりが1年間に摂取するマイクロプラスチックの量は最大52,000個にも達する可能性があります。これらの微小な粒子は水、食物、空気を通じて人体に入り、胎盤、血管、脳組織の中にまであることが明らかになりました。

プラスチック汚染はただ「海洋ゴミ」ではなく、人類の生活に浸透し、生態系や公衆衛生を脅かす世界的な危機へと発展しています。

マイクロプラスチックの危険性：小さな粒子、大きなリスク

マイクロプラスチック（Microplastics）とは、直径5mm未満の人工高分子粒子を指します。

これらの粒子は、化粧品に含まれるスクラブビーズやプラスチックペレットのように、工業製品に意図的に添加されることもありますし、タイヤの摩耗や繊維製品の洗濯時に生じるように、プラスチック製品の使用や分解過程で発生することもあります。

研究によれば、マイクロプラスチックは海水、淡水、大気、土壌環境に広く浸透しており、さらには人体の血液、胎盤、母乳にも入り込んでいます。これらの粒子は魚介類を通じて摂取され、食物連鎖を通じて最終的に人間の体内に取り込まれる恐れがあります。

さらに深刻なのは、マイクロプラスチックの表面が有害な残留性有機汚染物質や病原性微生物を吸着しやすく、「汚染キャリア＋毒性増幅剤」という複合的な汚染モデルを形成し、生態系や人間の健康に対する脅威を倍増させます。

世界の対応：政策の連携で着実に行動

マイクロプラスチックの生態系と健康への脅威に直面し、ますます多くの国と地域が「プラスチック戦争」の迅速に取り組んでいます。

欧州連合（EU）：EUは包括的な「マイクロプラスチック汚染防止規則案」を公布し、2023年10月17日から「意図的に添加されたマイクロプラスチック」を含む物質および混合物の販売が禁止されました。

• 米国：｢マイクロビーズ禁止法（Microbead-Free Waters Act）｣を制定し、パーソナルケア製品にマイクロビーズの使用を禁止。さらに州レベルでの厳格な立法も進行中です。

• 日本：｢海洋汚染防止法｣を改正し、製品ラベルへのプラスチック使用情報の明記を義務化しました。全国規模のマイクロプラスチック監視データベース構築も計画しています。

• 韓国：2040年までに「プラスチック汚染ゼロ」を国家目標とし、済州島をグリーンパイロットエリアとして推進しています。

• カナダ：マイクロビーズを有害物質リストに追加し、OTC化粧品や歯磨き粉への使用を禁止しました。

• 中国：｢プラスチック汚染対策のさらなる強化に関する意見｣を発表し、マイクロプラスチックの検出研究と生態リスク評価を推進し、将来的な立法に備えています。

この政策によるグローバルな「プラスチック対策」は、グリーン製造や循環経済を推進する時代的な共通認識となり、製造業にとって急務ともなります。

マイクロプラスチック管理の「第一歩」：ラベルとSDSの作成

マイクロプラスチックの全ライフサイクル規制において、原材料製造業者はその源流管理における中心的な役割を担っています。

EU REACH規則におけるマイクロプラスチックの定義は比較的広範であり、従来の固体粒子状プラスチックの他、表面処理された高分子、コロイド状粒子、キャリア材料なども含まれます。製品が「マイクロプラスチック」に該当するかどうかは、粒径、溶解性、生分解性、構成成分などを総合的に評価して判断されます。

これにより、プラスチックペレットなどの原材料メーカーは、製造プロセスの管理強化と全バリューチェーンでの情報追跡システムの整備という、二つの管理体制を構築する必要があります。

REACH附属書XVIIに基づき、2025年10月17日から、EU市場で「意図的に添加されたマイクロプラスチック」を含む原材料および混合物を販売するすべての企業は以下の義務を果たさなければなりません：

• 製品安全データシート（SDS）の更新：成分説明、高分子の機能、放出経路、使用方法など、マイクロプラスチックに関する新たな情報の記載が必要です。

• ラベルの更新：包装、ラベルまたは取扱説明書に「マイクロプラスチック適合性に関する声明」と環境に配慮した処分方法を記載する必要があります。

2025年10月17日以降：食品添加物中に合成高分子粒子が含まれる場合、供給者はその使用と処分に関する情報を提供する義務があります。

2026年10月17日以降：体外診断装置に含まれる場合も、供給者は同様の情報提供が求められます。

2031年10月17日から2035年10月16日まで：関連する化粧品に合成高分子粒子が含まれている場合、供給者は「本製品にはマイクロプラスチックが含まれています」と明記しなければなりません。（ただし、2031年10月17日以前に上市された製品は対象外です）

原材料企業にとって、これは単なる法規制の課題にとどまらず、ブランドとしての責任が問われる機会でもあります。自社製品中のマイクロプラスチックを識別する技術的能力を有しているか？下流との連携によりコンプライアンスのバリューチェーンを構築できているか？が問われます。

コンプライアンス対応のために：企業は事前準備が必要

規制が段階的に厳しくなる中、関係企業は以下のような課題に直面することになります：

• 微小プラスチック成分の特定と定性：処方中にEUの定義に該当する微小プラスチックが含まれているかどうか、どのように確認するか。

• SDSおよびラベルの更新：法規の要件に基づき、SDSの内容および製品ラベルをどのように調整するか。

• 情報開示と言語バージョン：適合情報がEU全域の言語バージョンを網羅していることをどのように確保するか。

• 生分解性免除申請：該当する試験能力と証拠資料の裏付けがあるかどうか。

• サプライチェーンデータの追跡：原材料サプライヤーとどのように連携し、必要な技術資料を入手するか。

これらの課題を解決するには、専門的かつ迅速で高いコンプライアンス能力を備えた支援が不可欠です。化学品コンプライアンスの分野で長年にわたり実績を重ねてきたREACH24Hは、EUのマイクロプラスチック規制に基づき、企業に以下の支援サービスを提供しています：

• マイクロプラスチックの特定とコンプライアンス判定：製品中の潜在的な合成高分子粒子を整理し、それらが規制対象かどうかを判断します。

• SDSとラベルのコンプライアンス作成：多言語対応チームが、CLP/REACH規則に基づきSDSやラベルの改訂をサポートします。

• 生分解性/溶解性に関する技術支援：試験計画の設計および第三者試験機関との連携を通じ、「マイクロプラスチック非該当」の免除申請を支援します。

• 規制対応研修と戦略策定：研究開発、品質管理のために、法務部門とともに企業のニーズに応じた研修およびコンプライアンス対応戦略をカスタマイズいたします。

マイクロプラスチック規制のカウントダウンが進む中、早めの対応こそが主導権を握る鍵となります。REACH24Hは、企業のグリーンで持続可能な発展への道を切り開き、コンプライアンスのパートナーになり、貴社と「プラスチック汚染 をなくそう」という世界的行動に参加しましょう。