2025年8月11日、欧州連合官報で(EU)2025/1731が正式に発行され、REACH規則(EC)No 1907/2006の附属書XVII(制限リスト)の第28条、29条、30条が、最新のEU CLP規則に合わせるために改訂されました。
今回の改訂では、附属書XVIIの制限リストに18のCMR物質が新たに追加され、1つの既存CMR物質に対しては特定の用途における適用除外条項が設けられました。
最新のEU CLP規則に基づく物質分類が2025年9月1日から適用されるため、今回、新たな分類でCMRカテゴリー1Bに分類された物質に関する制限条項も、同時に発効します。その他の条項は、規制発行から20日後に発効します。主な改訂内容は以下の通りです。
附属書XVIIの附属書2、4、6に18のCMR物質が追加
附属書2:発がん性カテゴリー1B物質が5件追加
附属書4:変異原性カテゴリー1B物質が1項目追加
附属書6:生殖毒性カテゴリー1B物質が12項目追加
注意点: 今回の改訂のうち(1)、(2)、(3)は2025年9月1日から発効します。
クメンの特定の用途に対する適用除外
附属書11:以下の条項を追加
クメン:
CAS番号:98-82-8
EC番号:202-704-5
適用除外条項:
クメンは、以下のいずれかの単一物質またはその構成成分として使用される場合、適用除外となります。 (a) 航空機燃料用ケロシン:DEF STAN 91-091、ASTM D1655または同等の公認基準に準拠し、Jet-A、Jet-A1またはJP-(x)として販売されるもの。 (b) 航空機燃料用ガソリン:DEF STAN 91-090、ASTM D910、ASTM D7547または同等の公認基準に準拠するもの。
発効時期:本条項は、EU官報での当該規則発行から20日後に発効します。
企業が事前にとるべき対応と準備
EU REACH規則(EC)No 1907/2006の附属書XVIIリストに含まれる物質は、EU域内での物質単体および混合物の流通・使用が制限されます。
関連物質または混合物中の濃度は、EU CLP規則(EC)No 1272/2008の特定の濃度制限値に適合しなければなりません。 特定の濃度制限値を超えた場合、市場への投入や一般消費者による使用は禁止されます。
専門用途に関わる関連物質は、市場投入前に包装に「業務用」という表示を付記する必要があります。
今回のREACH規則に追加された制限物質は、農薬、塗料、自動車製造、電子電気などの分野で幅広く使用されており、関連産業の発展に直接的な影響を与える可能性があります。
これに対し、REACH24Hは、企業の皆様がEUの化学品規制動向を継続的に注視し、EUへの輸出製品がREACH制限リストに適合しているかを迅速に確認することを推奨します。
製品に制限物質が含まれている場合、速やかに代替物質への代替案や販売戦略を調整し、規制要件に適合していることを確保してください。