2025年8月20日、中国生態環境部固体廃棄物及び化学品管理技術センター(MEE-SCC)は、「化学物質の識別情報公開延期申請に関する業務提示」という重要な通知を発表しました。これは、12号令の施行以来初めて実施される識別情報公開の延期申請作業であり、通知の発表後、業界で広く注目を集めています。
業務提示によると、「新化学物質環境管理登記弁法」(生態環境部令第12号、以下、「弁法」という。)および「新化学物質環境管理登記ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という。)の規定に基づき、以下の点が示されています。
2020年12月31日までに「新規化学物質環境管理弁法」(元環境保護部第7号令)に基づき登記証を取得した化学物質および「弁法」発効前に中国現有化学物質名録(IECSC) に収載され、識別情報保護が実施されていた化学物質は、その識別情報の保護期間が最大2025年12月31日まで延長される。
申請者は公開延期を申請することができ、延期期間は最長で5年を超えないものとする。
登記証保有者は、情報保護の有効期限が満了する6ヶ月前までに延期申請資料を提出する必要がある。
今回、資料の受付締め切りが2025年9月15日まで延長されました。延期を希望する登記証保有者は、必要性に関する説明資料を準備し、新化学物質オンライン登記システムを通じて申請を提出する必要があります。
REACH24Hは、当局と連絡を取り確認し、これまでの「ガイドライン」における「名録」化学物質の識別情報公開および延期申請に関する規定と合わせ、今回の延期申請の規制対象となる物質範囲と資料提出要件を明確しました。
規制対象となる物質の範囲
通知内容によると、「弁法」および「ガイドライン」の関連規定に基づき、当局とのさらなるコミュニケーションと確認を経て、今回の延期申請の適用範囲は以下のように明確になりました。
規制対象となる物質
2021年1月1日の「弁法」発効前に、7号令に基づいて通常申告の登記証を取得し、識別情報保護を実施していた化学物質(名録に収載済みの物質と未収載の物質を含む)に限られます。
注: 申請者が後に登記証を撤回した場合でも、当該物質は「弁法」の規定に基づき「名録」に収載されるため、今回の延期申請の規制対象となります。
規制対象外となる物質
元の17号令(国家環境保護総局令第17号)の規定に基づいて登記が完了した機密物質
2003年10月15日前に中国国内で実績があったことにより、「名録」に追加収載された化学物質
注意すべきこと: REACH24Hは、これまでの経験により、同一物質に複数の申請者がいる場合、そのうちの一人でも登記時に識別情報保護を申請していなかった場合、その物質は公開された識別情報として「名録」に収載されます。
移行期物質に関する特別な注意
「弁法」発効後の移行期間(2021年1月1日から2021年6月30日まで)に、7号令の規定に基づいて通常登録の登記証を取得し、識別情報保護を申請した化学物質は、規定に従い、情報保護の有効期限が満了する6ヶ月前までに公開延期申請資料を提出しなければなりません。
例えば、2021年5月1日に7号令の通常登記証を取得した機密物質の場合、その情報保護の有効期限は2026年5月1日までとなるため、登記証保有者は2025年11月1日までに延期申請を提出する必要があります。
REACH24Hからのアドバイス:このような物質を保有する登記証保有者の皆様は、延期申請の必要がある場合、申請の締め切りに注意し、期限内に延期申請を提出する必要があります。
延期申請の提出プロセス
通知の要件に基づき、延期を希望する登記証保有者は以下のプロセスで申請を提出する必要があります。
提出方法
申請者は、中国生態環境部政務サービスホールにログインし、新化学物質オンライン登記システムを通じて、オンラインで延期申請と資料提出を完了する必要があります。
中国生態環境部政務サービスホールのURL:
http://zwfw.mee.gov.cn/ecdomain/#/commonPage_1
操作手順
企業のはまず、政務サービスホールでアカウントをログイン・登録します。
ログイン後、「テーマ分類」から「新化学物質類」を選択し、「13002新化学物質環境管理登記証発行審査事項」欄の「事項申請」をクリックし、新化学物質オンライン登記システムに入ることができます。
新化学物質オンライン登記システムに入った後、登記業務ページで「通常登記」をクリックし、さらに「化学物質識別情報公開延期申請表」をクリックして、申請書の記入と申請資料の提出を行います。
資料リスト
登記証番号、申請者名称、代理人名称(該当する場合)、申請物質の基本情報、識別情報保護状況の説明、識別情報公開延期の必要性に関する説明資料、連絡先、申請承諾書など。
進捗照会
申請提出後、企業はシステム内で審査状況と結果を確認でき、「証書と通知」セクションでシステムが発行した修正通知や審査結果通知を確認できます。
延期申請の審査基準
「ガイドライン」の規定に基づき、化学物質識別情報公開延期申請の審査手順と注意事項は以下の通りです。
延期許可される場合
延期を希望する化学物質のすべての登記証保有者が期限内に申請を提出し、必要性に関する説明が十分かつ合理的であり、同時に、当該物質が高危害化学物質または潜在的な環境/健康リスクが比較的高い化学物質に該当しない場合。
承認されない場合
以下のいずれかの状況がある場合、化学物質識別情報公開の延期は承認されません。
延期申請を希望する化学物質の1人または複数の登記証保有者が期限内に延期申請を提出しなかった場合。
延期必要性に関する説明が不十分な場合。
高危害化学物質、または潜在的な環境や健康リスクが大きく、公開延期が環境、健康、公共の利益に重大な影響を及ぼす可能性がある場合。
したがって、企業の皆様が延期申請をスムーズに通過させるためには、以下の点に注意する必要があります。
共同申告など、同一物質に複数の申請者がいる場合は、すべての申請者が期限内に延期申請を提出する必要がある。
十分な延期申請必要性に関する説明資料を提出する必要がある。
12号令の「ガイドライン」に基づき、高危害化学物質と判断された場合、延期申請は提出する必要がない。
登記システムで延期申請を提出した後も、企業は常に審査の進捗と結果に注意を払い、修正通知が来た場合は、要求に従って該当する資料を補足する必要がある。
延期申請の必要性に関する説明資料
審査基準によると、延期申請の必要性に関する説明が十分であるかどうかが、申請が通過するかどうかを大きく左右します。この必要性説明資料については、「ガイドライン」で以下の内容を含めるべきと規定されています。
公開延期を申請する化学物質の具体的な識別情報項目とそれぞれの期限。
公開延期を申請する化学物質の識別情報が一般に知られているかどうかについての説明。これには以下の内容が含まれる。
公開延期を申請する化学物質の識別情報が、広告/宣伝資料、公開出版物、公開された特許/文献、データベース、インターネットなどの関連公開資料やメディアに掲載されており、かつ申請者企業の情報と関連付けられており、一般市民や競合他社がこれらの情報を知ることができるかどうか。
公開延期を申請する化学物質の識別情報が、生態環境主管部門または国内外の他の主管機関によって公表または公開されたことがあるかどうか。公開されたことがある場合は、情報を公開した主管機関、公開の詳細状況を提供する必要がある。
公開延期を申請する化学物質の識別情報が、依然として商業的価値を持っていることの説明。これには、情報が公開された場合に、申請者の市場競争上の地位に実質的な損害を与えることを示す証拠、または合理的な予測および情報公開と実質的な損害との因果関係が含まれる。
申請者が、公開延期を申請する化学物質の識別情報が漏洩しないように、関連する措置を講じてきたことそして今後も継続して実施することの説明、およびその措置の具体的内容を提供する必要がある。
上記の要件は、12号令の識別情報保護申請の必要性説明資料の要件とほぼ一致しており、企業はこれらの要件を参考に説明資料を準備することができます。
まとめ
通知の要件に基づき、「名録」に収載された7号令物質に対する今回の延期申請は、当局が提供する追加の延期機会です。対象となる物質が多数に上り、提出期間が1ヶ月未満であることを考慮し、REACH24Hは関連企業に以下の作業を直ちに開始することを推奨します。
緊急スクリーニング: 7号令下の新化学物質の申告状況を直ちに確認し、今回の延期規制対象に該当する物質が存在するかどうかを確認してください。
迅速な対応: 延期が必要な物質については、2025年9月15日までに資料の準備とシステムへの提出を完了し、期限切れによる物質情報の公開を回避してください。
専門的なサポート: REACH24Hは、豊富な情報保護申請の経験と成功事例に基づき、必要性に関する説明資料の作成、システム操作など、全プロセスで企業を支援します。ご要望があれば、いつでもお気軽にご連絡ください。