2024年11月15日、中国商務部は工業と情報化部、税関総署、国家暗号局と共同で2024年第51号公告を発表し、「中華人民共和国両用（デュアルユース）品目輸出管制リスト」を公布しました。このリストは2024年12月1日から施行されます。
2024年12月1日から施行される「両用（デュアルユース）品目輸出管理条例（国務院令第792号）」と連携して運用するため、輸出管理の対象となるデュアルユース品目の統一的で包括的なリストを作成することが急務とされています。リストは、核、生物、化学、ミサイル関連品目に関する複数の規制の管理対象を統合したものです。関連する規制には以下が含まれます：
「核両用品目および関連技術の輸出管制条例」
「ミサイルおよび関連品目と技術の輸出管制条例」
「生物両用品目および関連装置・技術の輸出管制条例」
「化学品および関連装置・技術の輸出管理弁法」
元々、上述した条例・弁法は、「輸出管理条例（国務院令第792号）」の施行により、2024年12月1日から廃止されることになります。今回のリストは国務院令第792号のサポート文書として、それらの条例・弁法の管理対象を一つに統合するのは自然のことです。また、注意していただきたいのは、「中国監視化学品管理条例」の管理対象も今回のリストに統合されましたが、監視化学品管理条例自体は廃止されていません。
それ以外、今まで商務部が他の政府機関と共同で公布した個別指定品目に対する11の両用品目輸出管制公告もリストに統合されました。それを受け、これら11の公告は2024年12月1日をもって廃止されるになります。以下のその一部です：
「トリ-n-ブチルリン酸に関する一時的な輸出管理に関する公告」（2003年発表）
「過塩素酸カリウムの輸出管理に関する公告」（2021年発表）
「ガリウムおよびゲルマニウム関連品目の輸出管理に関する公告」（2023年発表）
「グラファイト品目の一時的輸出管理措置の調整に関する公告」（2023年発表）
「アンチモンおよび関連品目の輸出管理に関する公告」（2024年発表）
…
今回のリストは、確立された国際的な慣行を踏まえ、対象となるデュアルユース品目を10の主要産業セクターおよび5つのカテゴリーに分類し、ECCN（Export Control Classification Number）のように5桁のコードで管理しています。商務部の担当者はメディアのインタビューで、「新輸出管制リストの創設は、今まで規制されているデュアルユース品目の包括的なリストを確立することを目的としており、具体的な管理範囲の変更はありません」と述べています。
輸出に関わる企業は、今回公表されたリストと「両用物項および技術輸出入許可証管理目録（2024年版）」の両方を確認することをお勧めします。該当する場合には、デュアルユース品目に関する輸出許可が必要となります。