最近、中国台湾環境部は、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)269種類の物質を「懸念化学物質」に指定する予備公告を発表し、その規制濃度と管理措置を定めました。この措置は、環境保護と公衆衛生の安全を強化し、国際的な管理動向と連携することを目指しています。また、環境部は台湾地区で現在流通しているPFASを調査し、物質形態とリスクに基づいて「規制対象PFASとその使用管理事項」草案を新たに策定し、段階的な管理方針に基づきPFASを適切に管理します。
PFAS 269種類の物質を「懸念化学物質」に追加指定、規制濃度と管理措置を制定
今回の草案では、269種類のPFASをリスクに応じて3つのカテゴリーに分類します。
「PFAS酸、その前駆体およびその他のPFAS化合物」(126物質)
「PFASポリマー」(113物質)
「PFASガス」(30物質)
今回の草案では、269種類のPFASを3つの主要カテゴリに分けて階層的に管理することとし、これら3類の物質の規制濃度を 0.1% と定め、それぞれの運用行動、定期的な申告頻度、規制対象外の用途や物品、包装容器の規定、記録方法が定められます。詳細は以下の表1をご覧ください。
表1:PFAS物質の規制濃度と運用要件一覧表
PFASポリマーとPFASガスの「製造」は、調合、加工、合成の行為を指します。
PFASポリマーが0.1%以上30%未満の場合、容器または外装にフッ素ポリマーまたはパーフルオロポリエーテルを含むことを明記する必要があり、その他の使用は当該法規の規制対象外となります。
PFASガスが0.1%以上30%未満の場合、容器または外装にフッ化ガスまたはフルオロオレフィンを含むことを明記する必要があり、その他の使用は当該法規の規制対象外となります。
つまり、「PFAS酸、その前駆体およびその他のPFAS化合物」を0.1%以上の濃度で製造、輸入、販売、使用、貯蔵する場合、認可書類の申請、月次記録、四半期ごとの申告、容器や包装の表示および安全データシート(SDS)の提供が必要です。
一方、PFASポリマーまたはPFASガスを0.1%以上30%未満の濃度で使用する場合、容器や包装の表示のみが必要で、認可書類の申請、月次記録、定期申告およびSDSの提供は不要です。しかし、PFASポリマーまたはPFASガスを30%以上の濃度で製造、輸入する場合は、認可書類の申請、月次記録、四半期ごとの申告、容器や包装の表示およびSDSの提供が求められます。詳細は以下の表2をご覧ください。
表2:PFAS物質の管理措置一覧表
2年間の施行猶予期間
中国台湾環境部は、今回指定されたPFAS 269種類の物質のうち、試験、研究、教育および検査目的の用途は当該法規の規制対象外であることを強調しています。また、今回の追加指定が関連産業に与える影響を考慮し、企業が調整を行うのに十分な時間を与えるため、2年間の猶予期間を設けるとしています。
すでに公告された規制対象PFASを使用している企業は、規定された期限内に関連事項を完了する必要があります。詳細は以下の表3をご覧ください。
表3:公告された規制対象PFASの運用事業者が規定期限内に完了すべき事項一覧表
業界との連携と市民参加
中国台湾環境部は、今回の269種類の物質の追加指定が広範囲に影響を及ぼすため、関連部門や業界と継続的にコミュニケーションを取り、今後の状況を把握するとともに、他の機関と協力してPFAS管理を共同で進めていきます。この草案は30日間の意見提出期間を設けており、市民も公告の翌日から30日以内に意見や修正提案を提出し、中国台湾環境部の参考になる可能です。
REACH24Hからのアドバイス
REACH24Hは、企業の皆様に対し、自社の製品や原料が規制対象PFASに該当するかどうかを速やかに確認することを推奨します。すでに今回公告された269種類のPFASを使用している企業には、法規変更に対応するため2年間の施行猶予期間が与えられます。企業は法規の変更と更新に注意を払い、コンプライアンスの事業運営を確保する必要があります。