化学物質を用いた動物実験の使用を削減・改善することを目指す改正案
2025年04月03日、欧州委員会は、化学物質規制(REACH規則)の試験法に関する規則 (EC) No 440/2008の改正案を公表し、意見募集を開始しました。
意見募集は2025年05月01日に締め切られ、この規則案の採択は2025年第三四半期予定となっています。
このイニシアチブにより、既存リストにいくつかの新規または更新された方法が追加され、化学物質を用いた動物実験の量を削減または改善されます。
背景
REACH規則はRegistration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicalsの略で、「化学物質の登録、評価、認可、制限に関する規則」です。
人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の維持向上を目的に2006年12月の欧州理事会でREACH規則は採決され、2007年06月01日に発効した欧州の化学物質管理に関する法規制です。
ヒト、動物、または環境に潜在的に有害となる可能性のある化学物質を規制しています。
その付随法の一つである規則(EC) No.440/2008には、化学物質の試験に承認された方法が列挙されています。 今回の改正により、このリストにいくつかの新規または更新された方法が追加されます。
概要
改正案の主要ポイントは以下の通りです。
OECD試験ガイドラインの統合:この改正案には、試験ガイドライン442C、442E、492、493を含む、経済協力開発機構(OECD)のいくつかの新しい試験方法が組み込まれています。
2. 動物実験以外の試験方法の推進
化学物質の毒性、安全性、蓄積性などの評価に関して、OECDの試験指針(例: TG305)に代わる、新たなアプローチ法(NAMs: New Approach Methods)を採用することを促進しています。 これにより、動物使用数の削減および倫理的な問題に対応します。
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