2025年1月20日、中国交通運輸部(MOT)は「船舶輸送危険貨物安全監督管理規定(MOT部令2024年第14号)」を公表しました。この規定は、MOT部令2018年第11号の改正版として位置付けられており、2025年3月1日から2018年版に代わって施行されます。
船舶による危険物(”危険貨物”)の輸送は、水上輸送の安全管理において重要な要素であり、リスク防止の観点からも極めて重要な分野です。「海上交通安全法」や「長江保護法」などの法律・規制の改正に伴い、危険物を運搬する船舶に関する安全監督制度、許可要件、罰則が見直され、最適化されました。これに対応して、本規定も上位法の要件を効果的に実施するために改正が必要となりました。
主な改正内容
荷送人に対し、より詳細な関連資料および情報の提供を義務付け
危険物の船舶輸送において、荷送人は運送業者に対し、品名、種類、数量、危険性、安全対策、緊急対応手順などの情報を提供することを義務付けられます。これにより、虚偽申告や隠蔽の防止を図ります。危険物の範囲をより明確化
国際海洋汚染防止条約(MARPOL)に従い、バラ積みの石油については危険物として強化された監督の対象とすることを義務付けます。危険物を運搬する船舶の入出港許可制度の明確化
「海上交通安全法」に基づき、危険物を運搬する船舶が港に出入りする際の許可制度と申請資料を明確化します。これらの船舶は、本規定の第21条に定められた条件を満たし、海事管理当局の承認を得る必要があります。港湾外におけるバラ積み液体危険物の積替え許可に関する管理要件を詳細化
本規定の第32条において、新たに設けられたバラ積み液体危険物の港湾外での積替え許可に関する管理要件を明確にし、必要な申請資料を規定しました。危険物および危険化学品に関する違反行為への罰則を明確化
危険物に関する罰則は、「海上交通安全法」および「内河交通安全管理条例」に基づいて執行されます。
危険化学品に関する罰則は、「危険化学品安全管理条例」(国務院令第591号)に基づいて執行されます。
危険物と危険化学品の両方に該当する違反行為については、「行政処罰法」第29条に基づき罰則が適用されます。
本規定の詳細はこちらから確認できます。