EU|危険物の輸送に関する危険物輸送の安全性に関する法的整合性について
2025-04-11

危険物輸送の安全性について

2025年02月18日、欧州委員会は法的整合性を通して危険物輸送の安全性を強化するための委任指令案の公表・意見募集を開始しました。期限は2025年03月18日までとなっています。

背景

■ 危険物の国際的な道路輸送は、国連欧州経済委員会(UNECE)の管理の下で締結された「危険物国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)」によって規制されています。同協定の附属書は、技術的および科学的進展に応じて定期的に改正されています。

■ EUは危険物の輸送に関する規則を統一し、安全基準を確保するため、危険物の道路輸送に関する統一的な検査手続きに関する指令(EU)2022/1999」を制定しています。同指令には共通の検査手続きや違反のリスク分類が含まれており、加盟国が適切な規制を実施するための枠組みが定められています。

■ また、危険物内陸輸送指令(EC)2008/68において、危険物国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の規則が国際輸送のみならずEU加盟国内の国内輸送にも適用されることが定められています。欧州委員会は附属書を更新し、最新の同協定に準拠する形で改正を行う権限を有しています。

■ 欧州委員会は危険物輸送の安全性を強化し、加盟国が適切かつ統一された方法で規制を実施できるようにする必要があると考えています。

概要

■ 本改正案は、指令(EU)2022/1999の附属書IおよびIIを最新の危険物国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)と整合させることを目的としたものです。

■ 本改正案の主な内容は、以下の3つの点に分けられます。

 - 路上検査チェックリストの更新(附属書Iの改正)

       ●危険物国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の最新版に準拠し、輸送関係者の責任を明確化

   ●運送人、荷送人、荷積業者、荷卸業者など、危険物輸送に関与する各主体の義務を明確にし、違反時の責任追及を強化

   ●これにより、加盟国の監視体制が効果的になり、違反者の特定が容易化

 - 違反のリスク分類の更新(附属書IIの改正)

   ●危険物国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の最新基準に基づき、違反行為のリスク分類を更新

   ●違反のリスクレベルを明確化することで、重大な違反行為に対する厳格な対応が可能に

   ●加盟国による違反報告書の作成および毎年の欧州委員会への提出が義務化

 - 法的整合性の確保

   ●危険物内陸輸送指令(EC)2008/68附属書Iと一貫性を持たせ、違反分類の表現を統一

   ●規則(EU)2016/403との整合性を確保し、運送事業者の「適格性」に影響を与える違反行為の明確化

   ●加盟国間での一貫した適用を確保し、法律の適用のばらつきを防止

■ 加盟国による国内法への適用

  - 本指令はEU官報に掲載されてから20日後に発効します。

  - 加盟国は施行後1年以内に国内法を改正し、EU委員会に報告する義務が課されます。

参考情報

危険物の輸送-統一されたチェック手順


本記事の著作権は、株式会社先読に帰属します。なお、記事の相互掲載について、当社と株式会社先読との間で合意がなされています。

転載元:株式会社先読 (URL: https://www.sakiyomi.co.jp/)

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム