EU|欧州委員会、REACH規則に関するマイクロプラスチック規制に関する解説ガイドを公表
2025-06-20

マイクロプラスチック規制の説明ガイドについて

2025年04月01日、欧州委員会は、REACH規則(EC)1907/2006に基づくマイクロプラスチック規制の実施を支援するための、関係者および加盟国向けの説明ガイドを公表しました。

背景

■ REACH規則(EC)1907/2006は、EUで製造・使用される化学品に対して包括的な法的枠組みを提供するものです。本規則は、化学品の安全性の確保に関する責任を、公的機関から産業界・企業へと移すことを主目的としています。

■ また、動物実験の代替手法の推進、化学品の単一市場の創設、イノベーションと競争力の促進、欧州化学品庁(ECHA)の設立も規則の目的として含まれています。

■ 本規則はすべての化学物質に適用されます。化学物質単体、混合物中、製品中に含有されていても対象となります。そのため、家庭用洗剤、塗料、電気製品など日常生活で使用される多くの物質が該当します。

■ 年間1トン以上製造または輸入されるすべての化学物質は、企業が中央データベースに登録しなければなりません。提出された情報は欧州化学品庁(ECHA)によってチェックされます。

■ 企業は、自社で製造・販売する物質に関連するあらゆるリスクを特定・管理する必要があります。また、製品を安全に使用する方法を示し、サプライチェーン全体におけるリスク管理措置についてユーザーに伝える義務が課されます。

■ 各国の当局はリスクが十分に管理されていないと判断した場合、特定の物質の製造や使用を制限することができます。

■ 2020年に発表された持続可能性のための化学物質戦略において、本規則改訂の必要性が指摘されています。

概要

■ 本説明ガイドの主な内容は以下の通りです。

■ 意図的に添加されたマイクロプラスチックに対する規制は2023年10月から適用されており、対象範囲および想定される影響の両面において、REACH規則(EC)1907/2006における史上最大の規制となります。この新たな規制により、今後20年間で約50万トンのマイクロプラスチックの環境への放出が防止されると推定されており、その総コストは最大で190億ユーロに上ると見込まれています。

■ 本ガイドには規制の規定と目的、関係者や加盟国から寄せられる一般的な質問へのQ&A、さらには「判断の手引き(ディシジョンツリー)」や境界事例の例を含む付属資料が含まれています。

■ 本ガイドは、欧州化学品庁(ECHA)および加盟国と協議のうえで欧州委員会が作成したものであり、利用者からのフィードバックに基づき定期的に更新される予定です。今後の更新は欧州化学品庁(ECHA)が実施・公表します。

■ この説明ガイドやマイクロプラスチック規制に関する質問は、REACH規則(EC)1907/2006の実施に関する質問に対応するために設置された欧州化学品庁(ECHA)および各国のヘルプデスクが対応します。

参考情報

欧州委員会、EU化学物質規制におけるマイクロプラスチック規制の実施を支援

REACH規則(EC)1907/2006


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転載元:株式会社先読 (URL: https://www.sakiyomi.co.jp/)

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