日本環境省による134物質の生態有害性情報募集 ー化学物質審査規制法(CSCL)規制メカニズムの強化に向けてー
2025-06-30

近日中、日本環境省(MOE)は、化学物質審査規制法(CSCL)の新たな枠組みに基づき、「化学物質有害性評価のための情報募集」を正式に開始しました。本取り組みは、優先評価化学物質及び一般化学物質の二つの種類を対象とし、評価に関連するデータ・情報について、全社会(事業者)から募集しています。


背景について


化学物質審査規制法における一般化学物質のスクリーニング評価及び優先評価化学物質のリスク評価においては、信頼できる情報源に基づく収集される公知情報に加え、事業者から提供される関連情報を活用することが可能です。


国が収集できる公知情報のみでは有害性情報が不足している場合、生態影響(予測無影響濃度、PNEC)等において、実際よりも低く有害性評価値が設定される可能性があります。


環境省(MOE)は、急速かつ適切な評価を実施するため、生態影響に関連する有害性情報が不足している物質について、関係事業者に対し、有害性情報の提供協力を要請することとなりました。


物質情報


環境省は、情報提供の協力を求める物質として、一般化学物質82物質及び優先評価化学物質52物質を公表しました。対象物質について、事業者各位には以下の3種類の有害性情報の提供が求められています:


○ 藻類に対する急性毒性/慢性毒性データ
○ 甲殻類に対する急性毒性/慢性毒性データ
○ 魚類に対する急性毒性/慢性毒性データ


関連情報を保有する企業は、2025年7月31日までに、環境省に対して情報を提供することができます。


情報提出方法


情報の提出は、以下の2つの方法があります。


1、郵送による提出:

送付先住所:
〒100-8901

東京都千代田区霞が関1-3-1

経済産業省産業保安・安全グループ化学物質管理課化学物質安全室既存管理担当

※ 封筒の表記について: 封筒の表面に必ず「生態有害性情報提供」とご記入ください。


2、持参による提出 (経済産業省への直接持込み):

提出先住所: 上記住所と同じ (経済産業省本館内)

提出窓口: 化学、物質安全室 (経済産業省本館8階)

事業者から提供された情報が採用された場合、試験結果の一部は公表される可能性があります。しかし、提出された報告書そのもの、及び特定の企業名や個人情報などの情報は公表されません。


おわりに


有害性評価は、化学物質審査規制法(CSCL)に基づく既存物質管理において極めて重要なプロセスです。これは、国が主導し、関係者の協力を得ながら、既存物質の有害性についてより全面的な評価を行うことを目的としており、その結果、既存化学物質に対するより合理的な規制措置の実現を目指すものです。


より全面的な有害性評価に基づき、優先評価化学物質や一般化学物質をより適切に分類・選定することは、関連企業にとってもコンプライアンスコストの削減につながる利点があります。例えば、特定の分類から外れた化学物質は、関連する数量届出の義務が免除される可能性があります。


REACH24Hも、関係各社に対し、保有する情報の積極的な情報提供を推奨します。皆様のご協力を通じて、化学物質の合理的コンプライアンスの管理の推進に共に取り組みましょう。


規制に関する詳細については、お問い合わせください。
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