2021年4月29日、中国生態環境部(MEE)は、国家生態環境標準「優先評価化学物質選別技術ガイドライン」の意見募集案に関する通知を公開しました。そして、意見募集の締切期限は2021年6月18日です。
環境リスク評価は、化学物質環境管理の前提と基礎です。この点で、まず優先評価化学物質を選別し、次にこれらの物質の環境リスク評価を実施して規制の対象となるものを特定することは国際に認められた慣行です。現在、EU、米国、と他の国や地域で、優先評価化学物質を選別するための技術システムを導入しており、リスクベースの方法論を使用して、潜在的な環境リスクの高い化学物質を選別しています。
本標準は、化学物質選別の原則、プロセスと技術要件を規定しています。そして、すべての生産、生活とその他の活動に関わる化学物質環境リスク評価及び管理作業における優先評価化学物質の選別に適用します。標準は、各級生態環境主管部門、化学研究機構による優先評価化学物質を特定する技術的根拠として使用できます。
また、標準で、優先評価化学物質とは、危険性が高く、環境曝露の可能性が高く、環境リスク評価を通じて優先管理を指定する必要があるかどうかを判断する必要がある化学物質と規定しています。
本草案によると、優先評価化学物質の選別は以下の3つのステップが含まれます。
- 選別準備:選別作業の計画を立て、選別する必要がある化学物質を選択し、類別に従って物質を分類する;
- データ収集と評価:化学物質の危険性と暴露データを収集してデータの有効性を評価し、選別に使用できるデータを決定する;
- 優先評価化学物質確定:選別条件に基づいて化学物質を選別し、全体を考慮して優先化学物質を確定する。
標準草案では、前述の各ステップの技術要件についても記載されています。例えば、データ収集に関して、収集データには化学物質の危険性、暴露、持続性、生体内蓄積などに関連するデータと補足情報が収載される必要があり、関連の規定に準拠する必要があると規定されています。更に、データの一部が欠落している場合、データのギャップを埋めるためのリードアクロスとQSARモデルを使用できると規定されています。
選別条件に関しては、草案では、危険条件と暴露条件の両方を満たす物質、または潜在的な環境リスクの存在を証明する証拠がある物質、或いは環境汚染を引き起こした物質を優先評価化学物質として決定する要件を明確に記載されています。