インド規格局(BIS)がスキーム-X包括的技術規則(OTR)に基づく認証付与のためのガイドラインを発表
2025-07-25

背景について


インド標準規格局(BIS)の包括的技術規制(Omnibus Technical Regulation Order、OTR)の導入過程は、課題と挑戦に満ちた多難な道のりでした。OTRが正式に発表される以前から、この政策は様々な要因により実施延期に直面しており、その重要な理由の一つは、詳細なガイドラインや運用規範の欠如でした。

2025年4月29日、インド重工業省(Ministry of Heavy Industries、MIH)は、OTRの実施状況について初めて技術委員会会議を開催しました。会議では、多くの業界団体やメーカーが実施延期を要請しました。主な理由は、標準作業手順(SOPs)、よくある質問(FAQs)および透明な登録・試験プロセスのガイドラインを策定する必要があることでした。

メーカーや関連企業はOTR準拠の準備を進める際、明確な申請プロセスのガイドライン、文書要件基準および技術規範の説明が不足しているために困難に直面することがよくありました。このようなガイドライン文書の欠如は、企業のコンプライアンス準備作業に影響を与えるのみでなく、認証システム全体の効果的な実施を遅らせました。

包括的技術規制認証に基づく認証付与のためのガイドラインが登場

上記のような背景に基づき、インド標準規格局は重工業分野に詳細で実行可能な認証ガイドラインを提供することの重要性を認識しました。2025年7月11日、インド標準規格局(Bureau of Indian Standards、BIS)中央マーク部門(CMD-I)は、スキーム-X包括的技術規則(OTR)に基づく認証付与のためのガイドラインを正式に発表しました。このガイドラインは、重機、設備およびその部品の製造に関わる業界向けに特別に設計されており、申請プロセス、文書要件、サンプル試験手順および審査プロセスを網羅しています。すべての内容は「2018 年インド標準局(適合性評価)規則」に準拠しています。

スキーム-X認証の証明書の種類


BISのスキーム-X認証規定に基づき、企業は以下の2種類の証明書を申請できる:

  • ライセンス(License): 企業に標準マークを長期的に使用する権利を付与する。

  • 適合性証明書(Certificate of Conformity、CoC): 特定のプロトタイプまたは特定のバッチ製品の認証に適用される。

スキーム-X認証の申請に必要な書類は?


ガイドラインでは、メーカーに対して初期申請段階で完全な技術文書を提出するよう明確に求めています。この文書は認証プロセスの中核となる資料であり、以下の情報を含める必要がある:

  • 製造場所の詳細: プロセスフロー、操作規範、設計図、工場レイアウトなど。

  • 試験施設と設備: 検出機器の種類、精度、校正状況など、企業の試験能力を詳細に説明する必要がある。


さらに、技術文書の核心的な部分は製品適合性レポートであり、以下の内容を含める必要がある:

  • ハザード識別と低減対策: 製品が安全基準に適合していることを確認します。

  • 安全機能図: 移動制限、電気回路、接地接続、油圧回路、空圧回路などの主要な安全部品の概略設計図を含みます。

  • 安全検証レポート: 安全関連部品/制御システム(SRP/CS)の安全機能レベルを詳細に説明します。

試験報告書の出所


メーカーは以下の2つの方法で試験報告書が作成できる:

  • 自社ラボ: 企業独自のラボ施設。

  • 外部認証ラボ: インド標準規格局によって承認、掲載または認証されたラボ。

申請プロセス概要


ガイドラインには企業が認証ステップを明確に理解できるように、詳細な申請プロセスフロー図が提供されています。以下はプロセスの主要な段階である。

  • 技術文書の提出

  • サンプルの試験

  • 審査と評価

  • 証明書の発行


詳細なプロセスは以下の通りです:


ステップ

行動

詳細

1

OTRポータルでの事前登録

製品に適用される規格(A類、B類、C類規格)を確認する。主管当局と製品について協議し、適切なインド規格を的確に把握する。

2

初回申請 - 技術文書提出

完全な申請書類として、製品の詳細、試験報告書(製品適合性レポート)、インド規格の特定の要件を満たす情報、製造プロセス、工場レイアウト、製品写真、製品説明などを提出する必要がある。

3

BIS部門による窓口審査

窓口審査は提出されたすべての文書を真剣に確認する段階で、つまり審査階段である。文書に欠陥が見つかった場合、申請者はBIS部門が定めた期限内に修正版を提出する必要がある。

4

BIS審査員の現場審査手配

製品適合性レポートの評価を支援するため、能力基準に基づき、担当者(BO)が2名の審査員からなるチームを指名し、通常4営業日の現場審査を実施する。

5

製造現場での現場審査

現場審査では、申請者が技術文書で提出した詳細について適合性および適用される特定の要件に合致しているかを確認するために評価される。

6

現場審査報告書/結果

実施された技術評価および特定の要件に関するすべての観察結果が報告される。製品適合性レポート内の問題を含め、観察された不足点や不適合事項は、書面で申請者に伝達される。

7

ライセンス/適合性証明書の発行

現場審査が成功し、製品がインド規格および規制のすべての要件に適合している場合、申請者に対してライセンスまたは適合性証明書が発行される。

8

PBG、合意書、補償保証書の提出

スキーム-Xに基づく合意書(フォームV)、補償保証書(フォームVI)およびインド準備銀行(RBI)承認された銀行が発行した履行保証書(10,000米ドルまたは同等のインド・ルピー)を提出する必要がある。この銀行保証書は、ライセンス有効期間より6ヶ月長く有効である必要がある。

9

ライセンスの使用

BISライセンスは有効期間内に使用されるべきである。インドでの事業継続のためにはライセンスの有効期限が切れる前に更新手続きを行う必要がある。


スキーム-Xの包括的技術規制に関する最新情報や専門的なサポートが必要な場合、REACH24Hチームまでお気軽にお問い合わせください。お客様のご状況に合わせたコンプライアンスに関するコンサルティングサービスを提供いたします。

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