EU|Fガスポータルの機能向上を目的とした情報提供の義務化に関する改正案を公表・意見募集
2024-08-09

Fガスポータルの効果的運用のための改正案について

2024年06月13日、欧州委員会はFガスポータルと呼ばれるフッ素系温室効果ガス(Fガス)に関する電子システムの効果的な運用のための改正案について意見募集を開始しました。期間は2024年07月11日までとなっています。

背景

規則(EU)2024/573では、Fガスポータルと呼ばれるフッ素系温室効果ガス(Fガス)に関する割当制度の管理、輸出入の許可要件、報告義務のための電子システムについて定められています。

Fガスポータルの円滑な運用、税関・市場監視を実施するためには、ポータルへの登録を必要とする事業者に関する要件を規定することが重要であると考えられています。そのため、欧州委員会は登録情報の正確性と完全性を確保するために、事業者に対して情報を求められる仕組みの整備が必要であると判断しています。

割当・許可制度の効果的な実施や規則の迂回防止のためにも所在地、事業活動、法的・財政的地位など、一定の情報の提供を可能にする必要性が欧州委員会によって主張されています。

概要

EUに位置する企業はFガスポータルへの登録を目的として、下記の情報等を欧州委員会に提供しなければなりません。

■ 企業の名称と法的形式

■ 企業の物理的な住所等

■ 国際ダイヤルコードを含む企業の電話番号

■ 企業のVAT番号

■ 該当する場合、企業のEORI番号

■ 連絡窓口の氏名および個人用の専用電子メールアドレス

■ 企業の事業活動の説明

■ Fガスポータルへの登録の意向の書面による確認

■ 企業のビジネス活動に使用されているEU内の銀行口座の詳細

EU外に位置する企業は、Fガスポータルへの登録を目的として、下記の情報等を欧州委員会に提供しなければなりません。

■ 企業および代理人の名称と法的形式、その英語での認定翻訳

■ 企業および代理人の物理的な住所

■ 企業および代理人の電話番号

■ 代理人のVAT番号

■ 代理人がビジネス活動に使用しているEU内の銀行口座の詳細

■ 代理人の連絡窓口の氏名および個人用の専用電子メールアドレス

■ 企業の事業活動の説明

■ Fガスポータルへの登録の意向の書面

■ 該当する場合、企業のEORI番号

なお、企業は必要に応じて、下記等の情報の提供を求められます。

■ 既に提供された情報の正確性と完全性を示すための追加情報または証明書

■ 将来的な活動に関する事業計画と過去の事業活動概要

■ 企業の管理構造を証明する文書

■ 化学製品の取引活動、冷凍機器、空調機器、熱ポンプ、消防設備のサービス業務について3年連続の経験を持っていることを証明するための情報または証明書

なお、代理人を任命した企業からの追加情報や証明書が、英語での認定翻訳とともに要求されるケースも想定されています。

企業は、本条に基づいて要求される情報または証拠を、要求日から10営業日以内、または委員会が正当な理由に基づき企業からの延長要求に応じて合意した期間内に提出しなければなりません。

また、規則(EU)2024/573の第17条第3項に基づき予備の割当に対する申告をする際には、Fガスポータルに登録されていない輸入業者および製造業者は、その年の02月01日までに登録申請を提出しなければなりません。

目次

第1条 定義

第2条 Fガスポータル登録のための情報要件

第3条 Fガスポータル登録のための追加情報要件

第4条 情報の更新義務

第5条 登録の拒否、停止、取消

第6条 情報の交換

第7条 個人情報の処理

第8条 実施規則(EU)2019/661の廃止

第9条 発効

参考情報

Fガス:Fガスポータルの機能に関する規則の改正

指令(EU)2019/1937を修正し、フッ素系温室効果ガス規則(Fガス規則)(EU)517/2014を廃止する、フッ素化温室効果ガスに関する規則(EU)2024/573


本記事の著作権は、株式会社先読に帰属します。なお、記事の相互掲載について、当社と株式会社先読との間で合意がなされています。

転載元:株式会社先読 (URL: https://www.sakiyomi.co.jp/)

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム