EU|廃バッテリー処理対応の廃棄物リスト改正案、意見募集終了
2024-12-09

廃バッテリーの処理に関する委任規則案について

2024年11月08日、欧州委員会は、近年新たに登場した電池化学物質への対応等のため、欧州委員会決定(EC)2000/532の廃棄物リストを更新する委任規則案の意見募集を終了しました。

背景

■ バッテリーは持続可能な発展、グリーンモビリティ、クリーンエネルギー、気候中立にとって重要なファクターであると考えられています。

■ そのため、EU市場に投入されるバッテリーの全ライフサイクルに対応するための統一された規制フレームワークが導入されています。

■ 廃棄物の管理をサポートするため、2014年に改正されたEUの廃棄物リストはEU全体で有害廃棄物を含む廃棄物を分類する共通の枠組みを提供しています。

■ 近年、リチウム系、ナトリウム系、ニッケル系など、新しい電池化学物質が出現しており、電池の製造工程やリサイクル工程も進化しています。このような進化は電池規則(EU)2023/1542において考慮されているため、 決定(EC)94/3や決定(EC)94/904によって設立され、欧州委員会決定(EC)2000/532によって引き継がれた廃棄物リストに反映される必要があるとされています。

■ さらに電池規則(EU)2023/1542は、バッテリー関連の廃棄物(バッテリー製造廃棄物、廃バッテリーおよびその分別物)に適用される新しい用語や変更された用語を導入しているため、こちらも廃棄物リストにも反映されるべきと判断されています。

概要

■ 本規則案は新しい電池化学物質と電池関連廃棄物管理、発展が進む電池市場、関連する廃棄物の取り扱いや分類などを改善し、電池関連廃棄物の分別、リサイクル、その報告制度の改善を支援するために、決定(EC)2000/532で定められた廃棄物リストを更新するものです。

■ 有害廃棄物としての分類は、廃棄物の由来と組成、有害物質の濃度制限値を考慮して行われます。廃棄物の処理の流れを有害廃棄物として分類することは、廃棄物管理を人の健康を損なうことなく、また環境に害を与えることなく実施することが不可欠だからです。

■ アルカリバッテリーの分類は技術的および科学的進展に対応し、バッテリー中の関連物質の濃度およびCLP規則(EC)1272/2008に基づく有害分類を考慮して調整されます。

■ 家庭由来の廃リチウムベースバッテリーの安全かつ効果的な管理に貢献するために、分別収集された家庭ごみのリチウムベースバッテリーのための新しい有害廃棄物コードが導入されます。

■ なお、バッテリー関連の廃棄物の新規および変更された廃棄物コードを適切に実施できるようにするため、特に有害と分類または再分類された廃棄物について施設の構造および運営上の変更を目的として、本決定の適用は延期されるべきと考えられています。

参考情報

廃棄物処理 廃バッテリーとその処理から出る廃棄物に対応するための欧州廃棄物リストの修正


本記事の著作権は、株式会社先読に帰属します。なお、記事の相互掲載について、当社と株式会社先読との間で合意がなされています。

転載元:株式会社先読 (URL: https://www.sakiyomi.co.jp/)

規制に関する詳細については、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム