中国 「国家危険廃棄物名録」を改訂
2024-12-06

 2024年11月26日、中国生態環境部、国家発展改革委員会、公安部、交通運輸部、国家衛生健康委員会が共同部令第36号で「国家危険廃棄物名録(2025年版)」(以下、「2025年名録」といいます)を発表しました。2025年名録は来年1月1日から施行されます。一方、現行の「国家危険廃棄物名録(2021年版)」は同日から廃止されることになります。

背景

 「名録」は、危険廃棄物の環境管理における重要な基盤であり、またその根拠としても重要な役割を果たしています。「名録」は1998年に初めて発表・施行されて以来、2008年、2016年、2021年の3回の改訂を経て、段階的に改善が進められてきました。この改訂を通じて、中国における危険廃棄物の識別基準体系の構築、危険廃棄物による環境リスクの防止、さらには危険廃棄物環境管理の支援において積極的な役割を果たしています。

 2008年と2016年の2回にわたる大幅な改訂を経て、「名録」の全体構造と主要な内容は基本的に確立しました。しかし、中国における危険廃棄物環境管理の要求が高まる中で、従来の8~10年という改訂間隔では、現状の管理ニーズに対応することが難しくなっています。そのため、2021年の改訂および今回の改訂では、「名録」の使用過程で明らかになった新たな課題や社会的関心の高い問題に対応するため、小幅な修正が行われ、より時代に適合した内容へと調整が行われました。

主な内容

名録は以下の3つの部分で構成されています。

  1. 本文

  2. 付表(国家危険廃棄物名録)

  3. 付録(危険廃棄物免除管理リスト)

今回の改訂には以下の点が含まれています:

  • 本文第6条を改訂し、識別後の危険廃棄物の分類を改善。

  • 付表(国家危険廃棄物名録)を改訂。2021年版より3種類増加し、合計470種類の危険廃棄物が含まれます。この中で、2つの廃棄物コードが統合され、1つの廃棄物コードが分割されました。また、一般的に危険性がある4つの錫製錬廃棄物が追加されました。

  • 危険廃棄物のより正確な識別を目的として、6つの新しい注釈を追加。

  • 「免除は特定の条件下でのみ適用され、関連法規や基準を依然として遵守する必要がある」との説明を追加。

  • 農村医療機関における医療廃棄物の免除を導入。

企業が取るべき対応

 関連企業は、危険廃棄物の情報管理および環境管理システムと改訂内容を調整する必要があります。具体的には以下の対応が求められます:

  • 改訂内容に基づき、国家固体廃棄物管理情報システム内の危険廃棄物情報を調整し、関連データを適時に更新する。

  • 危険廃棄物を速やかに地元の生態環境部門に報告し、危険廃棄物管理計画、汚染物質排出許可証、その他の情報を更新する。

  • 危険廃棄物管理許可を持つ企業は、関連する危険廃棄物の種類やコードに変更がある場合、適時に変更を行う。

  • 移送フォームに記載されている危険廃棄物の種類やコードが変更された場合、それに応じて変更を行う。

「国家危険廃棄物名録(2025年版)」の中国語原文はこちらで確認することができます。

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