2021年7月13日、中国国家衛生健康委員会(NHC)が2020年の国家ヘルスケア発展に関する統計データを発表しました。統計により、中国は合計17,064件の職業病が報告されています。そのうちはじん肺病及びその他の呼吸器疾患が全体の84%以上を占めているとなります。
2020年報告された職業病は以下のように10つのタイプに分類されます。
- じん肺病及びその他の呼吸器疾患14,408件(14,367件のじん肺病を含む);
- 耳鼻咽喉及び口腔疾患1,310件;
- 伝染病488件;
- 化学中毒486件;
- 物理因子による職業病217件;
- 皮膚病63件;
- 腫瘍48件;
- 眼疾患24件;
- 放射線病10件;
- その他の職業病10件;
今回の報告により、中国にとっては最も重要な職業病がやはりじん肺病です。労働者が長期間にわたっての健康を十分に害する大量の遊離シリカ及び他の粉塵を吸い込み続けた結果です。2020年、6,668の労働人口死亡の原因は、主に鉱山や、金属産業、建設業などでの作業に関連して発症するじん肺病です。
世界最大の人口を持つ中国は、労働者の労働安全衛生を確保するという中国ならではの課題に直面しています。過去の数年間で、中国は労働衛生に関する疾患およびリスクの低減において大きな進展を遂げました。雇用主の法規制に対するコンプライアンスの向上に加えて、政府も労働安全衛生に関する検査能力を強化しました。2020年末までに、中国には4,520の労働安全衛生検査機関と589の職業病診断機関が設立されました。これらの機関は、管轄部門によって定期的に監督され、合計17,296回の監督を受けました。また、関連の監督カバレッジ率は73.2%に達しました。統計データによると、職業病は2019年の19,428件、2018年の23,479件と2017年の26,756件となり、つまりその年間件数が減少していることがわかりました。